閣議後記者会見概要

H14.05.10(金)9:48~10:07 厚生労働省記者会見場

広報室

会見の詳細

閣議について

大臣:
今日の閣議におきましては、外務大臣から平成14年度の外交青書につきましてのご報告がございました。併せまして外務大臣から政府開発援助ODA白書2001年版につきましてのご報告がございました。もう一つ外務大臣からは、「静止運用環境衛星九号による静止気象衛星五号の支援を通じた西太平洋地域の気象衛星観測の維持に係る協力に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の書簡の交換について」、ひまわり五号が期限をかなり過ぎておりますので、アメリカの衛星をお借りを出来るようにしていく、こういう話でございます。同じことに絡みまして国土交通大臣からもご発言がありました。経済産業大臣から平成14年度中小企業者等に関する特定補助金等の交付の方針についてというのがございました。

閣議後懇談会について

大臣:
懇談会におきまして、外務大臣から中国におきます一連の領事館のことにつきましてのご報告がございました。それはどういう中国側に抗議をしたか、どういうふうにしたかという手順についてのお話がございました。それに対しまして各大臣から様々な意見がございました。起こった後の処置についてはそれは分かったけれども、あれだけ写真が、その時の状況が放映をされているということでありますから、あの状況の中で日本の職員が亡命をしようという人達に対してなんら手をさしのべることもなかったし、そして向こうの中国の警察官に対してもなんら発言をした様子がなかったと、そのことの方が問題ではないかという発言が相次ぎました。それに対しまして、領事は飛行機事故等で不在であったと、写真に現れております三人程の中の一人は副領事であったということだそうでございます。しかしなんら抑止をしなかったというのは問題ではないかという話がひとしきりございました。それに対する明確なひとつ回答を出来るようにして欲しいという話が相次ぎました。フィルムに声は入っていなかったわけですけれども、何か入ろうとした女性に対して「落ち着け」ということを言っていたと、こういう話だそうでございますけれども、それ以上のことは分かっておりません。それからいわゆる主権が侵されたという言い方がされているけれども、これは不可侵権が侵されたというのが正しいということが外務大臣からございました。私からも、しかしビザを取りに行く人達等はあの中に多くの人が門から入っていくんでしょうから、他の人の入っていくのは阻止せずに、なんらチェックせずに、あの人達だけをチェックしたのはなぜなのか、そのへんのところも明確にして欲しいということを少し発言をいたしました。そんなことでございまして、それで職員がそれぞれの持ち場において、何かことがあります時に、何をやらなければならないかということが明確になっていないのではないかという話になりました。財務大臣からも財務省の中で鍵がなくなったというような話があって、それが一か月ぐらいしてから表沙汰になったというような話が出ました。もう少し各職員がそれぞれやらなければならないことを、それこそきちっと教えなければならないのではないかという話が出ました。総理からも最後にこれは外務省だけの問題ではなくて、どの省にも当てはまることだけれども、有事に際して何をするかということがちゃんとできるようにひとつ指導監督をして欲しい、こういう話がございました。今日は大体以上でございます。

質疑

記者:
その問題に関してですね、大臣ご自身は今回の事態をどのように受け止めてらっしゃるかという点と、今後の日本政府としての対応と、中国に対してどのようなことを求めたいかという点についてお願いします。
大臣:
全てが分かってるわけではございませんが、私もいわゆるテレビ局から流れます映像を拝見をしているだけの話で、そして今日外務大臣からその以後のお話を聞いただけでございますので、もう少し明確にいろいろのことを整理をしなければならないのかもしれませんけれども、少なくとも日本の領事館内に入って、入った人達も含めてそれを引き戻して、連れて行ったということは、これが不可侵権なのか主権なのか分かりませんけれども、不可侵権であったとしても、それはやはり日本の国として毅然として対応をすべきであったというふうに思います。従いまして大使館あるいは領事館それぞれ違いはあるというふうに思いますけれども、その皆さん方もやはり日本の国を代表して行っていただいている皆さん方でありますから、もう少し毅然としたやはり態度で何が起こりましても対応をしてもらいたい、そんなふうに思っております。今後のことでありますけれども、これは恐らく大きい外交問題になっていくのであろうというふうに思いますが、やはり最後まで毅然として誤りは誤りとして中国に対して指摘をしなければならないというふうに思いますし、それは指摘をするだけではなくて、日本の主張というものをやはり明確にしていかなければならないというふうに思っております。
記者:
その主張というのは、やはりその連れ去られた向こうの方々を一応また日本側に引き渡すと。
大臣:
そういうことですね。
記者:
大臣が冒頭ご紹介になった、あの状況下で日本の職員に何ら亡命しようという人に手を差し伸べよう云々というのは、これは誰がおっしゃったのですか。みんな同じようなことを発言されたんですか。
大臣:
まあ、多くの人からそういう発言があったと。
記者:
大臣がこの問題について閣議の中で発言された部分を先程少しご紹介いただいたのですが、もう一度どの様に閣議後の懇談の中でお話しされたのか、ちょっと改めてもう1回お願い出来ますか。
大臣:
僕が申しましたのは領事館には多くの人が出入りをしているんだと思うんですね、ビザをとりに行くとか、いろいろなことでですね、中に入ってビザの受付の場所もあるわけですから、そこに入っていかれるんだろうと思うんですね。それを中国の発言によりますと、その中に入っている人がどういう人か分からないということで排除したという言い方になっておりますが、しかし他にも多くの人が中にお入りになっているんだろう、用のある人は門をくぐって中へお入りになって、ビザ等の問題を申請をするなり、何々してお見えになるんだろうというふうに思うんですね。ですから他の人たちに対しては何らそういうことを言わずに、あの亡命をしようとした人達だけに対してチェックをして、そして差し止めたということは少しそれはおかしいのではないかということを言ったわけです。まあ、厚生労働省の所管のことではございませんから、そういうことで外務省はしっかりやってもらいたい、こういう話です。
記者:
有事法制ですが、委員会審議2日間行われましたけれども、大臣はずっとご出席されててですね、ちょっと一部もう野党側から非常に定義も曖昧であって、法案の体をなしていないんじゃないかという批判も出ていますが、大臣は今、2日間の論議を、2日しか経ってませんけれども、今の時点でこの有事関連法案についてはどの様に受け止めていらっしゃるのでしょうか。
大臣:
何の質問もないのにじっと座っているというのも大変ですね、エコノミー症候群にならないように気を付けながら座っておりますが、中身をいろいろお聞きをしておりまして感じますことは、より具体的な問題をやはりどうするんだといった質問が多いわけでありますが、いわゆる米国に対して、米国軍がこれからどういう態度をとるか、また日本側がそれに対してどういう支援をするかといったようなことも含めて、具体的な問題はやはりこれから詰めなければならない点が非常に多いということはよく分かりますが、最初このいわゆる基本とするところの法律をまず作っておいて、具体的なものは今後詰めて、更にそれをご提案を申し上げるというのはひとつの方法論として私はそれは間違っていないというふうに思いますし、そういうことでご理解をいただく以外にないのではないかというふうに思ってます。地方自治体の皆さん方との間の話し合いも十分にこれはしなければなりませんし、かなり煮詰めなければならない問題が多いわけでありますから、いわゆる具体論につきましては今後いろいろの詰めをしていかないといけない。あまり急いでもこれはいけないことだというふうに思いますから、じっくり腰を落ち着けてやっていただくと、しかしその基本とするところ、有事の時に我々は立ち向かうという基本のところをまず決めておきませんとそういう話もこれから進まないわけでございますので、基本のところはまず決めておくというのが大事だというふうに思います。
記者:
ワールドカップが近づいてきているんですけれども、世界各国からたくさんの人がいらっしゃるということで、厚生労働省として改めてワールドカップについての対策と、これからやはり改めて心がけなくてはいけない、注意を喚起しなくてはいけないようなことというのは何かお考えになられるところがありますでしょうか。
大臣:
ワールドカップにつきましては我々が一番やらなければならないのはいわゆる救急医療だというふうに思いますから、その救急医療を含めましてどういうことをやったらいいのかということにつきましては、外国にも派遣をしまして、そして外国の状況等も聞いてきております。フランスだったというふうに思いますが、聞いてきております。そしてそれぞれの地方自治体に対しましてもどういうふうなことを気を付けていったらいいかということについての話し合いを行っております。それこそ手順でありますとか、その内容を出来るだけきめ細かく皆さん方にも理解をしていただくようにしてほしいということを今言っているところでございまして、既にスタートいたしておりまして、何回も会合を持っているところでございます。いよいよ近づいてまいりましたので、手抜かりの無いようにしていきたいというふうに思っております。

(了)