閣議後記者会見概要

H13.9.28(金)10:08~10:36 厚生労働記者会見場

広報室

会見の詳細

閣議について

大臣:
今日の閣議におきましては、総務大臣から労働力調査結果、消費者物価指数及び家計調査結果につきましてのご報告がありまして、8月の完全失業率は季節調整値で5.0%というふうにご報告がございました。消費者物価指数につきましては9月の東京都区部の速報値は前月に比べまして0.2%の下落、前年同月に比べまして1.2%の下落となりまして、25ヶ月連続で前年同月の水準を下回っていると、こういうご報告がございました。私の方からは有効求人倍率の報告を申し上げました。季節調整値で0.59倍、前月の0.60倍を0.01ポイント下回りました。季節調整値でございますが、有効求人は前月に比べまして2.6%の減少と、有効求職者これも季節調整値でございますが0.3%の減少となっておりますことを報告をしたところでございます。それから国家公務員の募集採用に当たっての年齢制限緩和に向けた対応につきましてこれも私の方からご報告を申し上げました。改正雇用対策法に基づきまして募集採用における年齢制限緩和の努力義務規定が10月1日から実施されることを踏まえまして、公的機関や主要企業への要請や広範な周知活動の展開が盛り込まれたところであります。国家公務員および地方公務員につきましては、この年齢制限緩和の努力義務規定は適用除外となっておりますけれども、公務員につきましても本改正の理念の具体化に向け適切な対応が図られるよう努めるべきであるとの国会決議がなされているところでございます。つきましては、各省におかれましても年齢に関わりなく均等な機会を与えるとの考え方に沿って選考採用が行われるよう適切に対応いただきますようお願い申し上げます。こういう内容のものでございます。それから共同募金運動につきます協力につきまして、今年で55回を迎えます赤い羽根共同募金運動は10月1日から年末にかけて全国に展開されます。ご協力をお願いをしたいと、このことを私の方から申し上げた次第でございます。その他、年齢制限につきまして総務大臣の方からも同趣旨の発言がございました。後になりましたけれども、総理大臣から司法制度改革推進法案につきまして閣議決定の運びとなりました。引き続き法務大臣にお願いをすることといたしますが、早期成立に向けて各閣僚におかれましてもご協力いただきますようお願いを申し上げます。こういう発言でございました。法務大臣からも引き続き努力をしますという発言がございました。それから総務大臣から平成12年度の郵政事業の損益計算につきまして100億円の欠損を計上いたしました。これは様々な経費の削減と効率的使用に努めたことにより、費用を前年度比2.0%減とできたものの、他方収益はおおむね前年度並となったことによるものであると、こういう発言がございました。それからこれも総理大臣からでございますが、平成11年9月に発生をいたしましたJCOウラン加工施設事故から2年になる。昨日内閣危機管理監を議長とする第4回の原子力災害危機管理関係省庁会議を開催いたしました。原子力防災対策の進捗状況の確認を行いますとともに、本年10月27日に北海道泊原子力発電所で原子力防災訓練を行うことが報告をされたところでございます。経済産業大臣からもこれに対しまして同趣旨のご発言がございました。今日の閣議におきましては大体以上でございます。

その他

大臣:
有効求人倍率が0.59とまた少し悪くなったわけでございますが、全国的に雇用情勢が悪化した場合に発動される緊急就職支援者雇用開発助成金、どうも名前が長く思えるのですけれども、緊急就職支援者雇用開発助成金につきまして本年10月1日から6ヶ月間の制度を適用することといたしました。この結果、45歳以上60歳未満の再就職援助計画の対象者を雇い入れる事業主の方々に本助成金を受給することができるようになります。事業主に使用されます助成額は雇い入れ後半年間に支払われる賃金に相当する額の4分の1、中小企業におきましては3分の1ということになっております。
こうしたことが行われることになりますし、昨日から事務方に言っておりますのは各全国のハローワークにおきましてもう少し求人の開拓をしてほしいということを言っております。先般も大阪のハローワークを訪問いたしましていろいろとお聞きをしましたところ、各企業のOB、お辞めになった方、そしてその中で例えば人事でありますとか、企業の中で就職等のことを担当をしてお見えになりました方々を臨時ではございますけれどもお雇いをして、その皆様方に新しい求人を開拓をしてもらって、大阪だけでもこの人達だけで昨年も1万人この新規の求人を開拓をしていただいということだそうでございます。非常に人脈もあるものですから、そういう人達の働きが非常に大きいというお話を聞きましたので、全国的にもう少し各ハローワークにおきまして、そういう方々をどういう名前でお呼びするかは別にしまして、求人を開拓をしていただく。それから職を求める求職者との間の問題、様々なミスマッチの理由はございますけれども、いろいろのお話し合いに乗って、そしてその調整をするような、そういうお仕事をできる人、そういう人を現在この雇用を求めてお見えになるような人の中からも選び出して是非、そういう仕事をしていただく方をもう少し増やしたらどうかということで、その準備と申しますか、検討と準備をやっていただいているところでございます。いろいろのことをやりながらそして求人あるいは求職者に対するミスマッチの解消それに努めていきたいと考えております。今日は私の方からは以上でございます。

質疑

記者:
先程、薬害エイズの裁判がありまして、こちらの元生物製剤課長の松村さんが有罪という判決内容でですね、執行猶予付の禁固一年、有罪判決が出たのですが、それについて、詳しいことはまだ入ってないんですけれども、有罪ということでどういうふうにお考えになるかということを。
大臣:
そうですか、私もまだ聞いておりませんが、もしそういうことであるといたしましたら、その結果は重く受け止めなければならないというふうに思いますし、厚生労働省の中でそうした事件が再び起こることの無いようにやはり私としては全力を上げなければならないと、そう思っております。大変残念なことと思います。
記者:
課長として義務があったかどうかという、この問題がかなり問われていると思うのですけれども、役所全体でなくてその立場にいた人、その刑事責任が問われた、そこで有罪が決まったという特殊性もあると思うんですけれども、その責任の問われ方、役職について責任と負担の重さとかですね、そのへんが他の省庁にいる立場の人達、今回の判決がかなり影響してくると思うんですけれども、そのへんは個人の責任が問われてしまったという今回の~なんですけれども。
大臣:
もうちょっと、内容を詳しく見てみないと、そこはどういうふうな判決なのかということなのか分かりませんから、それは内容を拝見をしてからお答えをしたいというふうに思いますが、一般的なことを申しますとそれはやはり役所があっての役職でありますから、もちろん個人として問われるということもあるかもしれませんけれども、それはやはり役所として全体でその責任は問うべきもの、そう私は思います。
記者:
常日頃科学的な根拠がはっきりする前の段階であっても、打つべき手は先に手を打つということを指示されていらっしゃいますけれども、それは予防原則とも言われる考え方で、これまで旧厚生省はあまり取っていなかった手法だと思うんですが、こうした判決を受けてこういう予防原則の考え方について今後どのように厚生労働省としてやっていく必要があるかについて何かお考えがあれば。
大臣:
予防原則というそういう立場で私は進めるべきだというふうに思っておりますし、これからもそういう考え方で決定したいというふうに思っています。現在狂牛病の問題が非常にクローズアップされているわけでありますし、現在のところは牛に限定をされたことでございますが、食物連鎖の関係から言いますならば、牛に多発をしているということになりますならば、それは人間に対する影響というのも当然のことながら考えていかなければならないわけであります。徹底してそこは考えていきたいというふうに思っております。今年の1月からというふうに記憶いたしておりますけれども、諸外国から輸入いたしますものにつきましても薬、その他医療器具等々、狂牛病が多発をいたしております国々からのものは禁止をいたしております。これからもそういうふうにしたいと思っています。化粧品につきましても、それも化粧品から感染するかどうかということは分からないわけでございますけれども、医学的な結論を待つというのではなくて、既にこれにつきましても一部1月から、一部のものにつきましては4月からだと思いますけれども完全に発生地からのものは禁止をしている、こういうことを今やっているわけであります。また献血にいたしましても発生をしておりますような地域に長く在住をした皆さん方には献血をご辞退をいただくと、こういうこともやっているわけであります。こうした考えられることは全て手を打ちまして、水際作戦と申しますか、国内に感染が拡がらないように徹底してやっていかなければならないというふうに思っております。牛の方も屠殺場以後のところは厚生労働省の仕事でございますからその後の処理につきましては徹底したいというふうに思っております。30ヶ月以上のものは全部検査をすることにいたしましたが、特に脳、脊髄、目、それからその他非常にリンパ腺の多いようなところ、そうしたものにつきましては廃棄処分にするということで、全国に徹底したいというふうに思っております。廃棄処理とは焼却処分にするということにしたいというふうに思っています。後、問題として残りますのは屠殺をいたします時にいわゆる背割りをすると言うんですかね、背骨を二つに割るわけですが、その中に脊髄が含まれているわけですから飛び散るではないかというご批判もあるわけでございます。そうした屠殺のやり方につきましても改善を加えなければならないだろうというふうに思っております。お聞きをするとヨーロッパの方では延髄や脊髄のところを先に抜き取って、そしてそれから背骨を折るという方法がとられているようで、それをやります時に、全国の屠殺場にそういう設備を配置しなければなりませんし、これがどれだけ掛かるものなのか、急にそれができるものなのか今早急に検討をしてもらっているところでございます。そうしたことも加えて、そして1日も早く安心をしていただける体制にしなければならないと思っております。
記者:
外国から輸入の件については医薬品、化粧品についてお話をいただいたんですが、国産の牛を使った医薬品、化粧品についても当然生じると思うんですが、今までやっている措置と、それからこれからどういうことをやっていかなければならいのかという考え方、それをお伺いしたいのですが。
大臣:
そうですね、国産のものにつきましてこれから多発をするというようになってくれば、それは当然のことながら国産におきます内臓を原料としたものというものに制限を加えていかなければならないというふうに思います。現在の段階でそれはどうするかという問題はあると思いますが、少なくとも脳だとか脊髄だとか目だとか、そういったようなところはこれは使用しないよう、これは廃棄処分にするわけですから、そこはそういうふうにせざるを得ない、当然のことながらそうなると思います。
記者:
役所全体で責任を負うべきものという先程の大臣の発言は、不作為について国家公務員が責任を負うべきではないということではなくて、役所全体として重く受け止めるということですか。
大臣:
そういうことですね。役所がなければそういうポジションの人間もいないわけですから、その役職にあるものが最大の責任を負うというのは当然のことでありますが、多くの上下の人達が存在をして役所というのは成り立っているわけでありますから、これはこういうふうにするべきだという上からの、あるいは同僚からの、あるいは下からのそうした忠告と申しますか、意見、そうしたものはやはり出し合わなければならない。そういうことを考えますと、やはり役所全体が緊張感を持ってことに当たらなければならないということになるだろうと私は思います。しかし法律でありますから、その中で主として誰が責任を負うかということは、当然起こってくるだろうというふうに思いますから、その中心になる人物が責任を負うべきということは当然だというふうに思います。やはりその時の責任者というものは責任を明確にするのは、それは当然というふうには思いますけれども、しかし役所は一人の人間で成り立っているわけではありませんから、そうしたみんなが意見をやはり出し合う、上司がいるからもうそれは言わないというのではいけない。やはり意見を出し合ってそして国民の生命を守るということを真剣にやっていかなければならない。そしてやはりもっと勉強しなければならないと思いますね。世界の動き、新しい知見、新しい研究結果、あるいは研究の方向性、そうしたものを常に認識をし、常にそうしたことを踏まえながら行政にあたるということでなければならないというふうに思います。
記者:
血液行政について絞り込んだ形でお話を伺いたいのですが、そういった責任論からすると、これまでの薬害に対する厚生労働省の再発防止策は十分だったとお考えなのかということと、では血液新法なども含めてこれからの血液行政でやはりこの再発防止のための課題としてはどういったものがあるんですかね。
大臣:
今のご質問の背景がどういうことを中心にしておっしゃっているのかちょっと明確にわからなかったわけですが、血液新法を作るということ、これは作らなければならないというふうに思っています。その血液新法を作りますときにその提供された血液を受ける国民の皆様と申しますか、患者の皆様方になんらかの悪影響を与えることがあってはならないわけでありまして、そうした意味でその輸血用の血液を製造する製造責任というのは非常に重大だというふうに思います。ですから現在考え得る全ての疾病に対して、その危険性が無いということを明確にしていかなければならない。その責任を明確にしたものにしないといけないというふうに思っております。過去のことにつきましてどうであったかということは、私は過去の全てを知っているわけでありませんから、その当時どうであったか、こうであったかということまでなかなか私には判断しにくい面がございますけれども、少なくともこれから先はそうした徹底した、やはり国民の生命の安全ということを中心にして当然血液にいたしましても、薬にいたしましても考えていかなければなりませんし、そしてそれがもし仮に悪影響を与える、副作用を与えるというようなことがあれば早く手を打つ、早く一時中止にするといったようなことをやらないといけないというふうに思っております。

(了)