閣議後記者会見概要

H13.8.07(火)9:34~10:01 厚生労働記者会見場

広報室

会見の詳細

閣議について

大臣:
今日閣議におきましては、大臣発言としましては、官房長官から寛仁親王殿下第一女子彬子女王殿下の英国に留学されるお話、それから国家公安委員会の委員長から平成13年度上半期の刑法犯の認知件数が約129万件と戦後最悪となって犯罪の発生に検挙が追いつかず、そのため全体の検挙率が低下しているという報告がございました。それから特殊法人等の個別事業見直しの考え方について行政改革担当大臣石原大臣の方から考え方が示されたところでございます。今までからも言われていたところでございますが、これに関連しまして総務大臣からも同様の発言があり財務大臣からもそれに対する予算付けの話があり、そして内閣総理大臣から「特殊法人等改革は21世紀の我が国の在り方を決める重要な改革である。行財政改革、行政改革担当大臣から事業見直しの考え方の報告について発言があったが閣議におかれても引きつづき行政改革担当大臣にご協力いただくとともに、所管の特殊法人等について廃止、民営化を前提としたゼロベースからの見直しに精力的に取り組んでいただきたい。可能なものから平成14年度予算においては可能なものから見直し結果を反映させていくべきと考える。」と、まだございますがということがございました。

閣僚懇について

大臣:
閣僚懇がございまして、閣僚懇のなかで私の方から発言を求めまして、経済財政諮問会議の大枠についての議論が今日されるということを聞いておりますが、各閣僚からの発言の機会をひとつ作ってもらいたいということを提案をいたしました。一例としまして、例えば我々の方の社会保障の問題につきましては、もし仮に社会保障全体の枠を抑制するというようなことになってくれば、それは保険料でありますとか自己負担でありますとかそうした国民生活に直結してくる問題になり、そのことは当然のことながらこれは経済に影響し消費支出にも大きな影響を与えることになる。そのへんの全体の大枠の考え方を明確にすべきであってそのへんのところを曖昧にしたままで、ただ抑制をするだけというだけではそれは後でいったいどうかということになってくるのではないだろうか、後でそんなはずはなかったと、まずいということになるのではないか、その後のことも十分念頭に置いてこの予算編成というものはされるべきであるというふうに私は思います。そうしたことをひとつ議論をする場を作ってもらいたい、ということを申し上げたわけであります。年金にいたしましても医療にいたしましても介護にいたしましても、これは高齢化と共に増大をいたしますし、高齢者が増加をするということになりますと当然これらの費用は増大をしていくということになるわけでありますから、これらの高齢者の増大の問題と合わせてもどうするかといったようなことを議論してもらわなければならないというふうに思っております。これは全て法律事項でありまして、法律を変えなければなりません。当然のことながら与党の皆様方ともご相談を申し上げなければなりませんし、国会の決議を必要とするわけでありますから、ただ予算額を抑制をするというだけではすまない問題ばかりでございますので、それらの点につきましても、十分念頭に置いた上で議論を進めてもらいたいということを申し上げたわけでございます。経済財政諮問会議にもし出席をさせていただくのなら、そこで出席して我々の意見を言う機会を与えてもらいたい、ということも昨日から申し上げたわけでございますが、それはかなわないということでございますので、それならば我々の意見の開陳をする場を作ってもらいたいということを今日は申し上げたわけでございます。今日夕方閣僚懇を開くということにしていただきました。そこで意見を凝縮ということでございます。そこで意見を言わせていただきたいと思っておりますが、だからそれが言えるように、言える状況にしておいて欲しい。それまでに決めてしまってから言うのではいけませんので、閣僚懇の意見が十分尊重されるようにして欲しいということでございます。私からは以上でございます。

質疑

記者:
大臣の閣僚懇の発言に対しまして、他の大臣から、あるいは総理から何かございましたでしょうか。
大臣:
ございませんでした。国土交通大臣から特殊法人の関係もその時でよろしいかという発言がございました。骨太に関係するものであえばそれはその時に承りますという官房長官からの話がございました。
記者:
大臣の意見を申し述べる場を求められた根拠のところで大枠の考え方が曖昧にしたままで、かたをつけていいのかということをおっしゃった訳ですが、その大枠の考え方は今のものだと曖昧なままだという認識があるのでしょうか。
大臣:
曖昧かどうかというのは、そういうのは分からないわけですね。どういう全体でトータルで絵が描かれていてそして社会保障も抑制をするというふうになっているのか、そこのところが我々には聞こえてこないわけですから、だからそこを明確にして欲しいということを言ったわけで、経済財政諮問会議のところではあるいは、明確にしてお見えになるのかもしれません、しかしそこが我々には聞こえてこないものですから、我々としては聞こえてこないままでその社会保障の抑制と言われてもそれは受けられない。そこはもう少しその全体としてどういう考え方のもとにこれを進めていくのかということが明らかになったうえで、納得できる形で、それでは我々も協力しますということになるのだろうと思います。
記者:
トータルというのは国民生活の変更ということなんでしょうか。
大臣:
もちろんそうだと。
記者:
今日夕方に閣僚懇を開くということになったのは、大臣が発言を述べて官房長官がおっしゃったのですか。
大臣:
はい。
記者:
骨太に関する話ということで、特殊法人改革も含めて。
大臣:
含めてもらっても結構だというご発言でしたから、そうなるんだろうと思います。
記者:
先程法律事項を変えなければいけないとおっしゃってましたが、それは経済財政諮問会議に閣僚が出るということに関してということですか。
大臣:
法律を変えなければならないというふうに申しましたのは、例えば医療にしましても、年金にしましても、介護の問題にしましても、その他の福祉の問題にしましても全て法律事項になっておりますから。
記者:
諮問会議に出席して意見を言わせてもらいたいと言ったけど、それがかなわないというふうにおっしゃりましたけど、それは誰に対してそういうことを言って、誰がそんなだめだとおっしゃたのですか。
大臣:
そこまで言うのはどうかというふうに思いますけれど、厚生労働大臣だけ許して、他の人を許さないというわけにはいけない。だから厚生労働大臣の出席を許すのであれば他の大臣の出席もそれは許さなければならない。そうすると閣議をやっているような形になってしまうということだと。だからそれは別途作りますとこういうことだと、それはそれで結構でございますが、今日の経済財政諮問会議で先にがんじがらめにして、こういうふうに決まりましたではなかなか集まる意味がありませんから、我々の発言が各省庁を代表しての閣僚の発言が生かされる道を考えてくださいということを申し上げた。
記者:
夕方の閣僚懇では大臣はどういった発言を。
大臣:
ですから主に今申し上げましたようなことを申し上げたいと思っております。
あまりそこで具体的に医療制度をどうするかとか、あるいは年金をどうするかというような話の中身の具体的な話はなかなかできないだろうというふうに思います。そこでは従って全体としてそれがマクロ経済にどういう影響を与えるのかとか、そうしたことを全体で議論をした上で決めないといけない話になるんだろうというふうに思いますので、そうした立場からこの骨太のところの議論をしたいと思っております。
記者:
場所は決まってるんでしょうか、閣僚懇の。
大臣:
場所はまだ決まっておりませんが、だいたい5時半をメドにという話でございましたけれども、まだ正式の時間はもう一度連絡をするということでございました。
記者:
靖国神社の参拝について今朝改めて閣僚の方々にお伺いしているのですが、小泉総理の現在の実行するというお考えについてどのようにお考えかということと、あわせて、坂口大臣ご自身がどのように8月15日されるのかということなのですが。
大臣:
総理は熟慮に熟慮を重ねているというふうに言ってお見えになるわけでありますから、熟慮して、そして誤り無きように決定をしていただきたい、そう思っております。
記者:
8月15日は坂口大臣ご自身は参拝についてはどのように。
大臣:
私はいたしません。小泉総理がおっしゃいますように、戦争でお亡くなりになりました皆様方に対して、心からの哀悼の意を表し、この皆様方に対する思いを新たにし、国のために一命を捧げられた皆様に対しての思いを国民全体で共有をしていきたいと、そういうお気持ちは私も同様でございます。私も兄を亡くしておりますので、個人的に申しましてもそうした問題はそのとおりというふうに思っております。ただ、それだけで政治家としていいのだろうか、やはり戦前、戦中いわゆる信教の自由というものを奪いましてそして神道を強制をしたと。そのことが結果として多くの若い兵士たちを戦場に駆り立てる結果に結びついた、それだけではないというふうに思いますけれども、しかし結果としては、それが結びついているということでありますから、そうしたことに十分反省をし、そうしたことのないようにしていくというのが政治家に課せられた使命ではないかというふうに思っております。ですから、亡くなられた皆様方に対する哀悼の意、国のために一命を捧げられた皆様方に対する思い、そういうことと同時になぜ、その皆さんに、そうさせたかというそこのところにやはり思いをはせるというのが、政治家としての使命ではないかと私個人は考えております。
記者:
触法精神障害者の問題についてですけれども、今後の見通しについて。
大臣:
今日皆様方の紙面を見せていただきますと与党の方が10月を目途にというふうに言ってお見えになるということが出ておりますが、政府の方の話はかなり前進をいたしまして、だいたい法務省とそして厚生労働省との間の話はまとまりつつございます。これは官房副長官にも仲立ちをしていただきましたり、皆様方のお手伝いをいただきまして、まとまってきたものでございますが、現在のところ私の聞いております範囲で申し上げますと、地方裁判所の中の主な地方裁判所、地方裁判所全体でいきますと50カ所くらいはあるそうでございますから、それに付属していちいち全部作ったら大変でございますので、その中の主なところ、それが9カ所なのか10カ所なのか分かりませんけれども、それぐらいの範囲の主なところのそうしたところにこれは名前もこれから決めるわけでございますけれども、司法精神、精神審判所といいますか精神障害者審判所と申しますか、司法精神審判所といったようなものをそこに併設をということにして、そしてそこに医療関係者あるいは精神保健福祉の関係者、そうした人達もそこに参加をしていただいて、もちろんそこには裁判官もお入りをいただいくことになるんだろうというふうに思いますが、犯罪を犯した精神障害者の皆さん方の問題をどうするかというのは、それはこの人はいわゆる家庭に帰してそしてみんなでよくこの人の状況というものを把握をする、みんなでその人の更正に手を貸すといふうにするのか、それとも病院、それも一般の病院ではなくて重い犯罪を犯した人に対しましては特別の精神病棟を作って、治療とそして矯正を行うというふうにするのか。あるいは一般病棟でいいというふうにするのか、そうしたことの、まあ言葉は悪いですけれどもふるい分けをそこでしていただく。また退院の時にもこの人を今後どうするのかということについてそこで協議をするといったようなことがそこで行われるようになるものと私は認識をしております。その考え方で与党の方で受けられるかどうかということがございますから、与党の考え方も十分お聞きをして、そしてそれらを法務省、厚生労働省が考えておりますことといっぺん付け合わせて、最終結論を出すということになるだろうと思います。
記者:
靖国神社の参拝問題に関連しまして、国立墓苑の新設論とかA級戦犯分祀論などが出ているんですけれども、こうした議論についてはどのようにお考えになりますか。
大臣:
千鳥ヶ淵にいわゆる戦没者の皆さん方をお祀りした立派な場所があるわけでございますし、ここがなかなか完備されていなかったものでございますから、現在もう少しここを完備をしたいというので、いろいろ今遺族の皆さん方とお話し合いをさせていただいているところでございます。そしてできればここをもう少し現在の状況よりも立派なものにできればというふうに思っている次第でございますが、そうしたことで済む問題なのか、それとも全く別途新しく何らかのことを考えるべきなのか、その辺の総論としての議論を現在しているわけではありませんし、それはまた別途そういう議論もあるんだろうというふうに思っておりますが、私の考え方といたしましては現在千鳥ヶ淵にあります戦没者墓苑を更に充実をさせるということでどうだろうかというふうに思っております。
記者:
国内で60歳の女性の方がアメリカで卵子の提供を受けられ、体外受精で出産されたことについて、生殖医療の絡みで大臣のお考え、ご意見を伺いたいのですが。
大臣:
詳しく聞いておりませんので現実がどういうことであったかということを十分にわかりません。また個人のプライバシーの問題にも関わる話でございましょうから、ひとつの例をもってそれでどうこうというふうに厚生労働大臣として言うことは差し控えさせていただきたいというふうに思いますけれども、生殖医療というものは全体として今整理をされている途上にあるわけでございますので、よく整理をしてそして聞きたいというふうに思っております。国民の皆さん方の要求度というものもございますから、そうしたものもしかし無視はできない。やはりそうした皆さん方の思いというものを加味しながら、しかし全体として生殖医療にはやはり倫理面から申しましても限界というものもあるというふうに思ってる次第でございます。
記者:
先程国立墓苑の話に戻っちゃうんですが、千鳥ヶ淵にある戦没者墓苑を充実させることでどうだろうというお話でしたが、千鳥ヶ淵戦没者墓苑を国立墓苑にというお気持ちではなくて、別の墓苑にすると。
大臣:
そうですね、大上段に振りかぶってどこどこにまた新しく作るというのではなくて、自然な形で千鳥ヶ淵の墓苑が充実をされて、そして自然な形で皆さん方がそこにお参りをいただけるという形になっていけば、それが何年か先には国民の感情の中にも定着をしていくのではないかという気がいたします。国民の信仰心、亡くなられた皆さん方に対する想い、そうしたものを無視して作るということは控えなければならないというふうに私個人は考えております。
記者:
いずれは千鳥ヶ淵が国立墓苑に、自然になればいいなと。
大臣:
私の気持ちとしては。

(了)