閣議後記者会見概要

H13.7.06(金)10:48~11:07 厚生労働省記者会見場

広報室

会見の詳細

公害対策会議について

大臣:
今日は閣議の前に第一回の公害対策会議がございまして、公害防止計画策定の基本方針の概要、それから公害防止計画策定の基本方針が新たに出されまして、そして了解をしたところでございます。

閣議について

大臣:
閣議の方は、こちらとも関係ございますが、仕事と子育ての両立支援策の方針について、これは総理からもご発言がございました。先般の男女共同参画会議の結論を踏まえまして、そして閣議決定をしようという総理のご発言がございました。総理からの発言は「仕事と子育ての両立支援策の方針について申し上げます。6月19日の男女共同参画会議において仕事と子育ての両立支援策の方針に関する意見が決定されました。本件は同意見を受け、内閣として仕事と子育ての両立支援策の方針を決定するものであります。この方針では待機児童ゼロ作戦、必要な地域全てに放課後児童対策を、などの五本の柱を立て、具体的な数値目標と達成時期を明確にしております。関係閣僚各位におかれましては、本方針にもとづき仕事と子育ての両立支援に積極的に取り組まれますようお願い申し上げます」こういう内容でございました。私の方からも、それにお答えをする形で決意を述べ、それから文部科学大臣からも発言があったところでございます。今日はこれらのことの他に国土交通大臣の方から新総合物流施策大綱というのが発表になっております。また防衛庁長官からは、平成13年度日本の防衛、いわゆる防衛白書についてのご報告がございました。
それから私の方からは平成13年版の労働経済の分析について発表いたしております。これは今までの労働白書と言われておりましたものございますが、今回は情報通信技術革新が雇用に対して与える影響について取り上げておりますが、主な点につきまして三点申し上げました。一つは情報通信技術革新の雇用量への影響を推計いたしますと、1990年代を通して200万人以上の雇用創出効果があったとみられるというのが一つ、もう一つは中高年も時間をかければ、情報通信技術を活用する能力を身につけることができるということが2番目、3番目は情報通信技術革新の進展に対応するために、企業において教育訓練や配置転換を柔軟に行うことができるように、円滑な労働移動を図っていくことが重要であるとこういったことを述べているところでございます。
それから沖縄に所在する米軍に係る事件・事故への対応について尾身大臣から発言がございました。それから外務大臣からは小泉内閣総理大臣の米国、英国及びフランスの訪問について報告がございました。環境大臣から気候変動に関する非公式閣僚会合の結果について報告がございました。それから尾身大臣からもう一つ、関西地域における産学官の各種研究機関の視察についてのご発言がございました。だいたい以上主だった閣僚からの発言でございます。今日の閣議、閣僚懇につきましてのことは以上でございます。

質疑

記者:
年金福祉事業団ですけれども、今日2時からの発表なんですけれどもね、資料を見ると1兆7千億も結局利差損が累積で溜まったという結果になっているんですが、どういうふうに評価されますか。
大臣:
まあ、あまり評価はできないわけで、皆様方からお預かりをしております年金でありますから、少しでもこれを運用して運用益を上げなければならないわけでございますが、いわゆる株式の分野におきましてこの平成12年ですかね、平成12年度は大きく全体として落ち込んだということもございまして、その影響を受けたということでございます。しかし関係者は非常に努力はしていただいておりますけれども、しかしこれは年金の資金という国民にとってかけがえのない資金でありますから、いかなる経済状態になったとしても、それを極力守っていくというのが我々の立場であります。ひとつ一層今後誤り無きように努力をしてもらいたいということを申し上げたところでございます。株式等でございますから、短期の期間だけで全てを評価するということはできないだろうというふうに思います。少し長い目で見れば、それはプラスになると担当者は確信をもっておりますので、それを早く実現をして欲しいと、そしてそのいわゆる年金資金の運用を委ねる先についても十分な検討をしてもらいたい。大きなマイナスを生じせしめたようなところについては排除をしていくといったようなことを、今やるところでございます。
記者:
長い期間でとおっしゃいますけれども、結局これは15年間の累積の話なんですよね、これまでの運用を見ても時価でほとんどプラスなったことはないということがあるので、この結果を一時的なものだということは理解しにくいのですけれども。
大臣:
11年はプラスになっております。ですからそこはもう少し検討しなければならないというふうに思いますが、あまりこういうことが続くということであれば、やはり運用先の内容についてもここは検討をしなければならないことになるだろうと思いますが、もう少し内容を検討したい。
記者:
介護保険制度の見直しについて、大臣の発言がいくつか報道されているんですけれども、制度の根幹に関わるような法的な改正を前倒しを行いたいというような考えが、大臣の中であるのでしょうか。
大臣:
高知で私が申しましたのは、これは現在の制度の中における改善策というものがですね、その改善もこれは3年先でなければならないというようなわけではない。だから今の制度の中でできるだけの改善策というのは、それはもう今年の10月であろうと何であろうと持っていきたいということを申し上げたわけでございます。そして昨日あたり出ております20歳からとかといったような、いわゆる根幹に関わるようなことを現在検討しているわけではございません。また現在の検討スケジュールにもございません。ただ将来の問題としてそういうこともあり得るかというご質問をいただきましたから、これはもう少しやってみないとわかりませんが、将来の財政運営等について非常に無理があるということであれば、それはその時に検討課題の一つになるかもしれませんということを申し上げたわけでございまして、現在検討してるとか、検討スケジュールの中に出てるというわけではございません。
記者:
2003年4月から20歳以上の人から保険料を貰うというような記事だったんですが、そういうことはないんですか。
大臣:
今のところありません。そうしたことは全体に関わることでありますから、よく検討をしてからでないと、それはできないことだと思います。
記者:
昨日提訴された無年金障害者の問題ですけれども、委員会の答弁なんかでももう少し大臣は踏み込んだ御答弁なさってる印象があるんですが、今後どのような対応をお考えでしょうか。
大臣:
無年金障害者いわゆる学生であった皆さん方の問題だろうというふうに思いますが、参議院の委員会におきましてもご質問がございまして、私はその時にやはり少し検討させてほしいと、検討するということをお約束を申し上げました。それはこのままでいいとは私は思っておりません。何らかの今後のことを検討をしなければならないだろうというふうに思っているわけでございます。それはいわゆる年金のなかでの問題なのか、それとももう少し広い福祉のなかでの問題なのか、いずれかでやはり考えていかなければならないというふうに思っている次第であります。少しあの時に局長答弁と私と少し温度差があったものですから、もう少しこの辺のところは詰めなければいけないと思っております。
記者:
ヤコブ病訴訟で大津地裁から和解勧告が出されましたけれども、大臣のこれに対するお考えはいかがでしょうか。
大臣:
東京の方が16日でしたかね、結審をするということでございまして、両方とも同じような裁判でございますから、その16日を一応待って我々もこの対応を考えたいと思っておりますが、いずれにいたしましてもこれもなかなか重い問題でございまして、私も自分の目でよく勉強をしながら結論を出したいというふうに思っております。過去のいわゆる第1例が発表になったときの論文でございますとか、そうしたものももう1度と申しますか自分自身でチェックを仕直しながら、そして実際問題としていったいどうであったのか、もう少し私自身も考えたいというふうに思ってるところでございます。
記者:
トヨタ自動車でサービス残業の実態があったということで、昨年の末に地元の名古屋の北労働基準監督署が是正勧告をして、指導して、未払い賃金が支払われたということが明らかになりまして、地元で大きく報道されているんですけれども、残業代を支払わない違法なサービス残業が、過労死にもつながるということで批判がでていることでもありますが、日本を代表する企業でそういう実態がまだあるというようなことについてのご感想と、指導する立場での今後のお考えを教えていただければ。
大臣:
感想と言われれば、日本を代表する産業でありますから、それはもう、そういうことがあってはならないわけでありまして、これからそういうことがないように会社の方も取り扱われるものと確信をいたしておりますが、しかし我々の方も会社の大きい小さいは別にいたしまして、よく現状を把握をして、そうしたことのないようにしていきたいというふうに思ってます。やはり今年の4月の初めでしたかね、全国にももう1度局長通達を出しまして、この何時から何時まで働いたかということを明確になるようにタイムカード等を明確にして、そうしていくようにということを通達を出したところでございまして、その徹底も図っているところでございます。大きい企業にいたしましては大変残念なことだと思います。
記者:
脳死下での臓器移植を親族に行うことについて、そうすべきでないという申し入れがあったと思いますが、それについて大臣は。
大臣:
法律そのものには、それほど明確に書かれていない。ただ法律を作ります時に、これは議員立法でございましたけれども、その当時そうした議論も実はなされておりまして、その時にお答えなっております方、桧田さんという方、衆議院議員の桧田さんが御答弁になっているわけでありますけれども、その時の御答弁としては親族の場合にはそれはまあ止むを得ないのではないかというご趣旨の答弁をされております。ですからそこはどこまで許容するかということになってくるというふうに思いますので、現在の法律におきましてはそこまで明確になっておりませんが、ここはもう少し明確にこれはしなければならないというふうに思いますから、法律の見直しを少ししなければならないというふうに考えております。

(了)