先輩からのメッセージ

薬系技官という職に関心を持ってくださった皆さん、ようこそ。皆さんは、技術系の国家公務員というと、どういうイメージを思い浮かべるでしょうか。白衣を着て、実験テーブルに向かっている姿を思い浮かべるかもしれません。残念（？）ながら、実際は、ほぼ100％がデスクワークで、日々の業務は、利害関係者の間の調整や、国会期間中は答弁作成に明け暮れることもあります。しかしながら、一見つまらない、苦しいと感じられる業務の中に、よりよい未来を築いていくヒントがあります。そして、この職場はまさに、よりよい未来を実現するのに一番近い場所です。

私たちは、法律や制度、通達を新しく作成したり、既存の制度に変更を加えたりすることで、そこにある課題を解決していきます。見つけた課題に対して、できるだけ俯瞰的に状況を把握し、世界の動向に加え、ステークホルダーの状況や様々な事情、少数の関係者の声にも丁寧に耳を傾けた上で、チームとしてあるべき姿を議論し、関係者との意見交換の過程で、実現時期や内容を調整しながら実現に導いていく過程は、何物にも代えられない醍醐味です。

一方で、その影響が重大であるだけに、その方針や内容は、弛みなく取得された最新の専門知識を踏まえつつも、霞ヶ関だけの独善になってはなりません。厚生労働省の施策は、国民の生活に密着した内容が多いだけに、必ずしも専門知識には詳しくない立場からの受け止めや理解にも適うものでなければなりません。ここは、様々な関係者の意見を真摯に受け止めることに加え、自身の業務外の経験や知識が生きる場面でもあります。

･･･とあれこれ書き連ねましたが、様々な熟慮を重ねた上で、最後は、思い切って行こう！です。準備に裏付けられた勇気と批判を受け止める謙虚さをもって、施策を進めて行きたいと考えています。

ここは決して楽ができる職場ではありませんが、頑張ったら頑張っただけの賜物が得られる場所です。そして、このような過程が苦しいだけでなく、だんだん楽しいと思える時期に必ずや到達することをお約束します。チャレンジすることで開けてくる未来を一緒にみてみませんか。