先輩からのメッセージ

MESSAGE #02

私が役人に求められる
能力として感じたこと

医薬局
医療機器審査管理課 課長

医薬局 医療機器審査管理課 課長

私もこの世界で30年近く働いてきました。様々な先輩、後輩と付き合い、それぞれの人の能力、個性と触れ合ってきました。この機会に、私なりにこれまでの厚生労働省での人生を振り返ってみて、役人に求められる能力として感じたことを個人的に整理してみたいと思います。

役所の仕事の醍醐味は社会の仕組みをより良くするために、政策を立案する機会を与えられていることだと思います。これを実行に移すことは容易なことではありません。立案しようとする政策にまつわる様々な事象(現行制度、これに関わる利害関係等)を俯瞰して、目指す方向を実現するために、どのような具体策を打ち出すのか、緻密かつ大胆な判断と説明力が必要となります。

もう一つは、組織をまとめ、組織の個人の能力を引き出すことにより、チームとしての力を最大限発揮させる能力です。チームの意見に耳を傾けつつ、最善の解決策を決断、実行することが必要です。そして、組織をまとめる人は部下の人事配置に対しても敏感で、2年、5年、10年先を見据えて、組織としての力を高めるため、どの人材をどこに配置して、能力を伸ばすのかもよく考えています。

こうした二つの能力を併せ持つ人は、私の厚労省での人生の中でも先輩、後輩の中に数は少ないですが実在し、私はそうした人たちを尊敬してきました。個人的な考えですが、こうした人材が多くなれば、組織としての力は非常に高まると思っています。薬系の組織もそうなれば良いと思っています。

これをお読みになる次世代の薬系職員を目指す方におかれては、入省されれば、まずは目の前の仕事に前向きに取り組んでいただくしかありません。担当する業務は、厚労省の中でも承認審査、研究開発振興、診療報酬など様々な領域だけでなく、内閣府などの他省庁、PMDA、AMEDなどの関係法人のほか、海外や地方自治体など、様々な機関の仕事がありますので、立場を変えて様々な業務を経験することにより、視野を拡げながら自らを成長させていくことが可能です。

大きな目標を常に意識しながら、幅広い視野で業務に取り組んでいただくことを期待しています。