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2011年11月29日 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会農薬・動物用医薬品部会議事録

○日時

平成23年11月29日(火)14:00~16:01


○場所

厚生労働省 専用第12会議室


○出席者

委員

大野委員(部会長)、尾崎委員、佐藤委員、高橋委員、永山委員、廣野委員、松田委員、宮井委員、山内委員、吉成委員、鰐渕委員

事務局

森口基準審査課長、茂野課長補佐、小川専門官

関係省庁

農林水産省消費・安全局畜水産安全管理課農薬対策室 池田専門官、薬事審査管理班 大森技官

○議事

○事務局 それでは、定刻となりましたので、ただいまから薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会農薬・動物用医薬品部会を開催させて頂きます。
 本日は、お忙しい中をお集まり頂き、ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 本日は、石井委員、斉藤委員、由田委員より御欠席なさる旨の御連絡をいただいておりますが、現時点におきまして農薬・動物用医薬品部会の委員14名中11名の御出席をいただいており、部会委員総数の過半数に達しておりますので、本日の部会が成立しておりますことを御報告いたします。
 それでは、以降の進行につきましては、大野部会長にお願いいたします。
○大野部会長 それでは、議事に入らせて頂きたいと思います。
 初めに、事務局から資料の説明をお願いいたします。
○事務局 資料の確認をさせて頂きます。
 本日お配りいたしました資料は、まず、議事次第が1枚、その裏に配付資料が記載してございます。
 2枚目に、委員名簿と関係省庁の出席者の名簿をつけてございます。
 その裏に座席表がございます。
 その後に、本日御審議頂きます9剤につきまして、それぞれ農薬・動物用医薬品部会報告書案と食品安全委員会における食品健康影響結果を1-1、1-2というようにセットで配付させていただいております。
 更に、委員の先生、事務局のみにお配りしております資料といたしまして、食品衛生分科会における確認事項の横1枚の紙がございます。
 不足している資料等がございましたら、事務局までお願いいたします。
○大野部会長 いかがでしょうか。よろしいですか。
 それでは、審議に入りたいと思います。本日は、農薬8剤と、動物用医薬品1剤について審議して頂くことになっております。今まで報告書作成に当たっては、皆さんにあらかじめお送りさせていただいて、チェックしていただいたところです。どうもありがとうございます。
 では、最初の議題に入りたいと思います。チジアズロンについて事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 それでは資料1-1を御覧下さい。チジアズロンですが、今回の残留基準の検討については、ポジティブリスト制度導入時に新たに設定された基準値、いわゆる暫定基準の見直しについて、御審議頂くものです。
 1.概要です。チジアズロンは、尿素系の植物成長調整剤です。化学名と構造式及び物性は記載のとおりでございます。
 2.適用の範囲及び使用方法でございます。本剤は、国内では農薬登録がされていません。海外での適用の範囲及び使用方法は、以下のとおりでございます。
 続きまして、3.作物残留試験です。チジアズロン、photo-チジアズロンを分析対象化合物としており、分析法は記載のとおりでございます。結果は、別紙1に記載のとおりでございます。
 4.畜産物への推定残留量です。チジアズロン、4-ヒドロキシチジアズロン、フェニルウレアを分析対象化合物としており、分析法は記載のとおりでございます。結果は、表1を御参照ください。なお、表1の括弧の数値ですけれども、代謝試験で認められた存在割合、総残留放射能を根拠に推定残留量として算出したものです。これらの試験の結果とアメリカにおけるMTDBから推定した各組織中の推定残留量は表2のとおりでございます。
 続きまして、食品安全委員会による5.ADIの評価でございます。イヌの慢性毒性試験の無毒性量一日体重1kg当たり3.93mgを根拠として、安全係数として100分の1を掛けて、一日体重1kg当たり0.039mgと設定しております。
 6.諸外国における状況ですが、JMPRにおける毒性評価はされておらず、国際基準も設定されていません。アメリカ、カナダ、EU、オーストラリア及びニュージーランドについて調査したところ、アメリカとオーストラリアにおいて綿実、畜産物等に基準値が設定されています。
 7.基準値案ですが、規制の対象をチジアズロン親化合物とする案といたしました。
 家畜残留試験において、チジアズロンと代謝物(M1及びM2)を分析対象として、アメリカにおいては規制対象としているんですけれども、代謝物M1は検出が乳、M2は腎臓に限定されること、また、いずれの代謝物ともMTDBを考慮した場合の畜産物中の推定残留量が定量限界未満と推定されることより、親化合物のみを規制対象と設定いたしました。
 また、食品安全委員会による食品健康影響評価においても、農産物中の暴露評価対象物質として、チジアズロン親化合物のみと設定しております。
 基準値案は別紙2のとおりでございます。別紙2ですけれども、畜産物では親化合物と代謝物M1、M2の合計に対する親化合物の係数、括弧内の数値をアメリカの基準値に乗じ、端数を切り上げて基準値案を策定いたしました。
 これらの基準値案により、暴露評価を行ったものが別紙3でございます。TMDI試算によりまして一番高い幼小児で2.8%のADI占有率となっています。
 最後のページが答申案です。
 事務局からの説明は以上です。御審議のほど、お願いいたします。
○大野部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、順番に審議して頂きたいと思います。まず、化学名、化学構造の辺りで吉成先生、いかがでしょうか。
○吉成委員 特にございません。
○大野部会長 ありがとうございます。薬理作用のところはいかがでしょうか。
○尾崎委員 よろしいと思います。
○大野部会長 ありがとうございます。代謝のところはいかがでしょうか。
○吉成委員 出てくる代謝物はM1、M2あるいはM1の抱合体ということで、特に問題となるようなものはないと思います。
○大野部会長 ありがとうございます。植物体内での代謝でも、綿しかやっていませんけれども、ほとんどが親化合物ということで分解代謝物は検出されないか少ないかというところで、綿については親化合物だけで結構だと思います。M1、M2が畜産物で出ていますけれども、それについては今、御説明がございましたが、実際に摂取することが予想される量よりも多い量、最大理論的飼料由来負荷(MTDB)に基づいて計算すると、推定残留値は乳牛で未検出であるというようなことですので、M1、M2の代謝物について、アメリカでは規制対象としていますけれども、日本では入れなくてもよろしいかなと思いました。
 今までのところで先生方、御意見ございますか。
 それでは、安全性のところで鰐淵先生、いかがでしょうか。
○鰐淵委員 この剤に関しては、特に問題となる発がん性や生殖発生毒性とかありませんし、遺伝毒性もありませんので、これで結構かと思います。
○大野部会長 ありがとうございます。それでは、分析法と分析結果の辺りでいかがでしょうか。
○永山委員 ちょっと修正といいますか、加えて頂きたいんですが、4.畜産物への推定残留量の2分析法の概要で、3行目に高速クロマトグラフとなっていますが、高速液体クロマトグラフとして頂きたいと思います。また、同じ言葉がそこから4行下にありますけれども、2か所、高速液体クロマトグラフと。ちょっと用語だけの修正で恐縮ですけれども、お願いいたします。
○事務局 修正いたします。
○大野部会長 ありがとうございます。それから、1つ気がついたんですが、表2ですけれども、乳牛中の脂肪が0.16となっていますが、この数値は上の表1の0.16を足したものですよね。脂肪の1.6ppmの値のチジアズロン親化合物が0.12で、代謝物M1が0.01以下、M2が0.05以下で、それを全部足すと0.18になるので、ほかはみんなそのように計算しているので、0.18以下ではないかと思います。細かいですが。
○事務局 訂正いたします。ありがとうございます。
○大野部会長 松田先生、お願いします。
○松田委員 3ページの畜産物の分析法ですが、最初に、試料からアセトニトリル、とありますけれども、第2パラグラフを見ると、腎臓及び肝臓、と書いてありますので、上半分は筋肉と脂肪のことかと思います。筋肉と脂肪からは、アセトニトリル又はメタノールで抽出して、更に脂肪の場合は水酸化ナトリウム溶液を加えるということかと思いますので、ちょっと分かりにくいので、前半の方を、筋肉と脂肪は、という形にしていただければと思います。
○事務局 追記させて頂きます。
○松田委員 それから(2)乳牛における残留試験は、分析法が書かれておりませんけれどもなぜでしょうか。
○事務局 乳牛における残留試験の方法が、2.分析法の概要になっているんですが。
○松田委員 そうすると、乳の場合が必要ではないかと思います。
○事務局 確認いたします。書いてあるものと、ないものとありましたので、ある場合は追記させて頂きます。
○大野部会長 ありがとうございます。今、松田先生がおっしゃったのは、筋肉と脂肪というのは2分析法の概要の一番先頭に。
○松田委員 そうですね。2パラ目に腎臓及び肝臓はと書かれているので、そうすると1パラ目は腎臓、肝臓以外ということで、筋肉と脂肪ということかと思います。
○大野部会長 その抽出し、の後に。
○松田委員 筋肉はこれをしないで、脂肪だけはこれをするということかなと思いますけれども、若干分かりにくい表現ですので、少し整理していただいた方がいいと思います。
○大野部会長 よろしくお願いいたします。
 そのほかございますか。
○佐藤委員 ちょっとバックしてよろしいですか。先ほどの大野先生の指摘なんですけれども、表2は表1の値がそのまま来るわけではなくて、MTDBを考慮して投与群の残留値からMTDB相当量を計算していますので、この表の値でよろしいのではないかと思います。
○大野部会長 あれだとMTDBは1.3ppmですね。これは1.6ppmで、若干合計量も少なくなると思ったんです。例えば、筋肉のところが0.053になっていますね。筋肉のところは1.6ppmを全部足した値になっているんです。ほかのところもそういうふうになっているので、それ以下ということでは間違いないかなと思っていたんですが。
○事務局 説明させて頂きます。佐藤先生のおっしゃるとおりで、私はちょっと勘違いしておりましたけれども、0.49と1.6の投与群で検量線を引いて算出した値でございますので、0.16未満となります。
○大野部会長 0.49のところが0.53なんですね。では、私の勘違いですね。わかりました。では、元のままということで、ありがとうございました。
○佐藤委員 筋肉では0.49と1.6の値が同じなんで、計算上も同じになってしまうと。
○大野部会長 そうですね、ありがとうございます。
 ほかにございますか。
 それでは、基準値と国際的整合性の辺りはいかがでしょうか。特に問題ございませんでしょうか。
 それでは、分析法について修正がございましたけれども、それを修正して頂くということで。
○松田委員 よろしいでしょうか。残留規制対象の代謝物M2の検出は腎臓に限定されると5ページの7の(1)に書かれているんですけれども、4ページの表1で、例えば、肝臓では代謝物M2が0.1以下ということになっています。分析法の検出限界が大変高いので、例えば、腎臓では0.11出ていますけれども、肝臓でこれが非常に低いとは言えないんじゃないかと。0.09とかそれぐらい出ているという可能性もあるので、必ずしもこのデータから腎臓に限られていると言うことはできないのではないかと思います。
○大野部会長 腎臓でも0.1。
○松田委員 代謝物M2に限って検出限界が0.1で高いんですね。そのために、多いんだか、少ないんだか分からないという状態になっていますので、ここで腎臓に限られていると書くのが適切かどうか御審議を頂きたいと思います。
○大野部会長 ありがとうございます。その辺はいかがでしょうか。0.1というのは一般的な分析から考えると、検出感度が低過ぎるということですね。
○松田委員 そう考えます。乳ではすごくよくて0.001まで測れているんですけれども、妨害とかがあったのかと思いますが、これを根拠にM2はないというのは行き過ぎかなと思います。
○大野部会長 吉成先生、何か御意見ございますか。
○吉成委員 今の残留量という観点からは、確かに肝臓にないというのは私も賛成なんですけれども、M2に関しては、構造的に親化合物の薬理活性を完全に消失していると思われますので、そういう観点からの記載に書き換えてもよいのではないかと思います。
○大野部会長 いかがでしょうか。鰐淵先生、何か御意見ございますか。そのように書いてよろしいかどうかですね。毒性が少ないと思われるからと。フェニルウレアのチェックはしていないですね。これは何かで調べれば、きちんとデータがあると思います。
○鰐淵委員 評価書を見てみますと、これは畜産動物では認められているんですけれども、ラットではM2並びにM3というのは認められていないという書き方を、7ページの一番下にされているんですが。
○大野部会長 そうなると、余計安全性評価がされていないということになりますね。このM2の毒性は何かで調べれば出てくると思いますので、それを確認してからということでどうでしょうか。もし、M2の毒性が少ないというデータが確認できれば外すと。それと検出されなかったということを併せてM2を対象外とするということでいかがでしょうか。
 吉成先生、そういうことでよろしいですか。私も、なかなかそれだけでいいと言い切れないので。
 では、これについては、その部分を確認するということでよろしいでしょうか。
○事務局 このM2についてなんですが、フェニルウレアという化合物がそもそも単純な化合物であるので、規制対象に入れない方がよいのではないかと判断して案を作成したわけでして、毒性が少ないことの確認は、どのようにすればよろしいでしょうか。
○大野部会長 私の方で毒性のデータベースがありますので、それでチェックすれば大体毒性がどのくらいあるかは分かると思います。
○事務局 ありがとうございます。では、後で教えていただければと思います。では、M2の毒性について調べてから、また作成いたします。
○大野部会長 これが単純な化合物だからというのは、ほかの農薬といったものの代謝物としても出てきてしまう可能性があるから、組み込むのは難しいということですか。
○事務局 はい。ですが、一応、農産物とほかの農薬からはフェニルウレアは検出されないであろうことは確認いたしました。
○大野部会長 では、とりあえず、そういうことで毒性について確認させていただいてから、また皆さんに連絡して最終決定をしたいと思います。
 吉成先生、お願いします。
○吉成委員 別のところなんですけれども、別紙1なんですが、事前に多分、私が指摘したところかもしれないですが、チジアズロン親化合物の代謝物の量がスラッシュで分かれて書かれているんですけれども、検出限界以下が0.05で、NDというのがもう一つありまして、これは測定していないということを意味するのかなと思ったんですけれども、その注釈が何もなかったんですが。
○事務局 注釈を入れます。
○大野部会長 そうですね。NDは測定していないということではないですね。親化合物でもNDと書いてありますからね。ノンディテクトのようですね。そういう意味だと0.05以下とか、そういう表示になるべきですね。では、それも確認してもらえますでしょうか。
○事務局 はい、確認いたします。
○大野部会長 それでは、今の別紙1のNDの意味と、代謝物M2の問題について確認したいと思います。それ以外のところは、今まで御指摘されたところの修正でよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○大野部会長 ありがとうございます。それでは、また皆さんに連絡して確認させて頂きたいと思います。
 次にいってよろしいですか。それでは、次の農薬、ピリダベンについて事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、資料2-1を御覧下さい。ピリダベンについて御説明いたします。
 ピリダベンは、適用拡大申請に伴う基準値設定とポジティブリスト制度導入時に新たに設定された基準値、いわゆる暫定基準の見直しをこの部会において御審議頂くものです。
 1.概要です。ピリダベンは、ピリダジノン骨格を有する殺虫剤です。化学名と構造式、物性は記載のとおりでございます。
 2.適用の範囲及び使用方法でございます。本剤の適用の範囲及び使用方法は、ごらんのとおりです。今回、適用拡大申請がなされた場所について四角で囲んで示しています。
 3.作物残留試験です。ピリダベンを分析対象化合物として、分析法の概要は記載のとおりでございます。結果は別紙1-1と1-2にあるとおりでございます。
 4.畜産物への推定残留量でございます。分析対象をピリダベンと代謝物E、代謝物Fとしており、結果については表1にまとめてあるとおりでございます。これら試験の結果とアメリカのMTDBから推定した推定残留量が表2でございます。
 食品安全委員会による5.ADIの評価です。イヌの慢性毒性試験の無毒性量一日体重1kg当たり0.5mgを根拠として、安全係数として100分の1を掛けて、ADIは一日体重1kg当たり0.005mgとしております。
 6.諸外国における状況です。JMPRにおける毒性評価はされておらず、国際基準も設定されていません。アメリカ、カナダ、EU、オーストラリア、ニュージーランドについて調査したところ、アメリカにおいてトマト、畜産物など、カナダにおいてキュウリ、イチゴなど、オーストラリアにおいてバナナ、核果類など、EUにおいてブドウ、唐辛子等に基準値が設定されています。
 これらを踏まえた7.基準値案といたしまして、ピリダベン親化合物のみを規制対象とするとしております。
 家畜残留試験において、ピリダベン及び代謝物EとFを分析対象としてアメリカは規制対象としておりますが、代謝物Fは検出されておらず、また、Eは検出が肝臓のみに限定されること、いずれの代謝物ともMTDBを考慮した場合の畜産物中の推定残留量が定量未満と推定されることより、親化合物のみを規制対象として設定いたしました。
 食品安全委員会による食品健康影響評価においても、農産物と畜産物中の暴露評価対象物質としてピリダベンを設定しています。
 基準値案でございますが、別紙2のとおりでございます。登録のない作物の本基準を大分削除したのは、EDIの暴露評価で80%を超えてしまうためでございます。
 これらの基準値案により暴露評価を行ったものが、別紙3です。EDI試算によりまして、一番高い幼小児で71.4%のADI占有率となっています。
 最後のページが答申案です。
 事務局からの説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○大野部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、化学名、化学構造のところで吉成先生、いかがでしょうか。
○吉成委員 問題ありません。
○大野部会長 ありがとうございます。では、薬理作用のところはいかがでしょうか。
○尾崎委員 問題ありません。
○大野部会長 宮井先生もよろしいですか。
○宮井委員 問題ありません。
○大野部会長 ありがとうございます。体内動態のところではいかがでしょうか。
○吉成委員 ピリダベンですが、植物ではほとんど代謝されずに親化合物が残るということで、規制対象も親化合物ということで問題ないと思います。
 動物ですが、最初に代謝物Fができて、それが更に酸化されてEになりますので、Fはほとんど検出されないということで問題ないと思います。
 代謝物Eなんですが、このカルボン酸体は恐らくグルクロン酸抱合を受けて腸管循環するということで、比較的体内には残るので肝臓で検出されていると思うんですが、先ほど説明がありましたように、できてくる量が親化合物に比べて物すごく少ないということで、また、物性的にも水溶性が増して、問題ない代謝物であると考えられますので、規制対象からこの2つを除くということは問題ないと思っています。
○大野部会長 ありがとうございます。
 私も、植物体内での代謝は、今、吉成先生がおっしゃってくださったように、代謝物は非常にわずかで親化合物が中心ですので、よろしいかと思います。畜産動物でも代謝物E、Fについては検出されていませんし、松田先生が見られると違うところがあるかもしれませんけれども、ここから見ると0.05という検出限界になっていますので、特に入れなくてもよろしいかなと思いました。
 今までのところでいかがでしょうか。よろしいですか。
 では、安全性の面で鰐淵先生、いかがでしょうか。
○鰐淵委員 この剤は、特に問題となるような遺伝毒性等を含めてありませんので、このままで結構です。
○大野部会長 ありがとうございます。よろしいでしょうか。
 それでは、分析法と分析結果の辺りについてはいかがでしょうか。
○永山委員 分析法ですけれども、これは多分、前の形だと思うんです。新しい形といいますか、ほかの形と同じ、例えば、磨砕というのは今は省略していますので、試料に硝酸銀水溶液を加え、アセトン又はメタノールで抽出する。エスクトレリュートは商品名に近いので、多孔性ケイソウ土カラムとか、たしか大くくりしていたと思うので、ちょっと御確認いただけますでしょうか。
○事務局 確認いたします。
○大野部会長 永山先生、どうもありがとうございました。
 ほかにございますか。それでは、今のところの確認をお願いいたします。
 それでは、基準値と国際的整合性の辺りについて、いかがでしょうか。特にございませんか。
 それでは、今、御指摘いただいたところを確認して、必要に応じて修正するということで、この答申案をこの部会の報告とさせていただいてよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○大野部会長 ありがとうございます。それでは、そのようにさせて頂きます。
 引き続きまして、農薬ピリダリルについての説明をよろしくお願いいたします。
○事務局 それでは、農薬3剤目ピリダリルでございます。
 本剤のこれまでの経緯といたしまして、本部会ではこれまで4回御審議をいただいております。平成16年に新規の登録申請について、また、平成17年、平成19年、平成22年と作物の基準値の追加について御審議を頂きました。
 資料3-1を御覧下さい。今回の残留基準の検討につきましては、農林水産省から魚介類への基準値設定について依頼がなされたことによるものでございます。
 本剤は、鱗翅目、総翅目害虫などの防除に使用される殺虫剤でございます。
 作用機序、化学名、構造式等については記載のとおりでございます。
 2.適用の範囲及び使用方法についてですが、国内での使用方法を記載してございます。
 3.作物残留試験は、前回までに御審議いただいたときと変更はございません。
 4.魚介類への推定残留量でございます。ここが今回の追加部分となってございます。
 本剤が、非水田においてのみ使用されることから、非水田PECtire2は0.0012ppb。魚類濃縮性試験の結果からBCFが26,858といたしまして、魚介類における推定残留量を0.16ppmと算出いたしました。
 食品安全委員会における5.ADIの評価でございます。
 ADIは0.028mg/kg体重/dayという評価となっております。これは、前回までに本部会で御審議いただいたときから変更はございません。なお、生体にとって問題となる遺伝毒性はないと結論されております。
 6.諸外国における状況でございます。JMPRにおける評価はなされておらず、国際基準は設定されておりません。また、諸外国においては記載のとおりでございます。
 これらを踏まえました7.基準値案といたしまして、本剤につきましては、残留の規制対象をピリダリル親化合物と設定する案としております。
 食品安全委員会におきましても、農産物及び魚介類中の暴露評価対象物質をピリダリル親化合物のみと設定されております。
 基準値案でございますが、9ページの別紙2を御覧下さい。今回、申請がございました魚介類について基準値案の0.2ppmを追加いたしました。
 これらの基準値案により暴露評価を行いましたものが、10ページの別紙3でございます。TMDI試算によりまして一番高い幼小児で61.2%のADI占有率となっております。
 最後のページが答申案となります。
 事務局からの説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○大野部会長 ありがとうございます。
 これについては今御説明がございましたように、何度もこの部会で審議していただいたところでございますので、よろしければ今回は修正があったところを中心に審議して頂きたいと思いますけれども、いかがでしょうか。もし、ほかのところでも気がついたところがあったら言っていただけるとありがたいです。
 それでは、魚介類への推定残留量の設定の考え方、計算結果ですけれども、この辺について御意見ございますか。
 ADIの設定で説明文が新たに加わったんですね。
○事務局 5ページの5.ADIの評価になりますが、下の「なお」以下が新たに追加した部分になります。
○鰐淵委員 的確に記載されておりますので、これで結構です。
○大野部会長 ありがとうございます。
 それでは、それ以外のところも含めて御意見ございますか。
○鰐淵委員 ちょっとだけ教えて頂きたいんですが、農林水産省の方にお聞きしたいんですけれども、今回新たに魚介類への影響を見るということですが、どういう理由からこの剤だけになったんでしょうか。いろいろな剤があると思うんですけれども、すべてやっていないですね。ところどころこういう形で出てくるという、その依頼する根拠を教えていただけたらと思います。
○農林水産省 平成18年に、都道府県でシジミについて農薬のモニタリング検査を実施したところ、一律基準を超える農薬が検出され、そのシジミが販売できなくなったということで、当時かなり大きな問題になりました、このため、4ページにございます厚生労働省の補助金による研究で、魚介類の基準値の決め方を決めて頂き、魚介類で一律基準を超えるような農薬については基準値の設定を現在お願いしているところです。今回はピリダリルですけれども、これ以外についても現在、順番に食品安全委員会で評価していただいていますので、こういった農薬をまた審議して頂くことになりますので、よろしくお願いいたします。
○大野部会長 ありがとうございます。
 私も、ぽつぽつと出てくるので、どうしてかなと思っていたんですけれども、本当は全部一遍にやりたいところだけれども。
○農林水産省 一遍に審議して頂きたいところですけれども、食品安全委員会において順番で評価していただいておりますので、終わり次第こちらでまた審議して頂きたいと思います。全部一遍にということではないですが、よろしくお願いいたします。
○大野部会長 ありがとうございました。
 そのほか先生方から御意見・御質問ございますか。よろしいでしょうか。
 それでは、これは原案どおり、この部会の報告とさせていただいてよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○大野部会長 ありがとうございます。それでは、そのようにさせて頂きます。
 次の品目でございますけれども、プリミスルフロンメチルについて説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、農薬4剤目プリミスルフロンメチルでございます。資料4-1を御覧下さい。
 今般の残留基準の検討につきましては、暫定基準の見直しについて御審議を頂くものでございます。
 本剤は、スルホニルウレア系の除草剤です。分枝鎖アミノ酸生合成に関与する植物に特有のアセトラクテート合成酵素の働きを阻害することにより、植物の生育を阻止するものと考えられています。
 化学名、構造式等につきましては、記載のとおりでございます。
 2.適用の範囲及び使用方法でございます。本剤は、国内では農薬登録がなされておりません。米国における使用方法について記載しております。
 3.作物残留試験でございます。分析対象の化合物として、プリミスルフロンメチルについて分析が行われています。分析の方法については記載のとおりでございます。また、結果については別紙1にまとめて記載してございます。
 食品安全委員会における4.ADIの評価でございます。ウサギの発生毒性試験の無毒性量10mg/kg体重/dayを根拠とし、安全係数100で除しまして、ADIは0.1mg/kg体重/dayとなってございます。また、発がん性試験については、閾値を設定することが可能と考えられたとされてございます。
 5.諸外国における状況でございます。JMPRにおける評価はなされておらず、国際基準も設定されておりません。また、諸外国においては記載のとおりでございます。
 これらを踏まえました6.基準値案といたしまして、プリミスルフロンメチルについは残留の規制対象をプリミスルフロンメチルの親化合物のみと設定する案としております。
 食品安全委員会におきましても、農産物中の暴露評価対象物質をプリミスルフロンメチル親化合物のみと設定されております。
 基準値案でございますが、8ページの別紙2を御覧下さい。暫定基準の見直しを行いまして、トウモロコシのみに基準値を設定する案といたしました。
 これらの基準値案によりまして、暴露評価を行いましたものが9ページの別紙3でございます。TMDI試算によりまして一番高い幼小児でも0.005%のADI占有率となっております。四捨五入しておりまして非常に小さい値ですので、表記上は0.0となっています。
 最後のページが答申案となります。
 事務局からの説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○大野部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、これについて化学名、構造、その辺りでいかがでしょうか。
○吉成委員 問題ないと思います。
○大野部会長 ありがとうございます。
 では、薬理作用のところはいかがでしょうか。
○尾崎委員 よろしいと思います。
○宮井委員 よろしいと思います。
○大野部会長 ありがとうございます。
 それでは、体内動態、代謝のところはいかがでしょうか。
○吉成委員 動植物とも幾つかマイナーな代謝物ができますが、代謝物、親化合物とも残留性が低いですし、できてくる代謝物にも問題となるようなものはないと思いますので、規制対象も親化合物ということで特に問題ないと思います。
○大野部会長 ありがとうございます。
 私も同様で、トウモロコシで測っていますけれども、残留量が穀類の中では少ないということ。動物体内でも、ヤギでの主要代謝物は親化合物であること。あと、ニワトリでは水酸化体ができていますけれども、それで特に毒性が強くなるとは思えないので、親化合物だけでよろしいかなと思いました。
 この辺りまでで御意見ございますか。
 それでは、安全性の面からいかがでしょうか。
○鰐淵委員 この剤は、遺伝毒性は一応幾つかのものではプラスなんですけれども、in vivoでの変異原性がネガティブということ、あと、発がん性試験でマウスで肝に発がん性があるんですけれども、非常に高用量ですし、遺伝毒性がないということなので、閾値が設定できるという説明で大丈夫だと思います。
○大野部会長 ありがとうございます。
 食品安全委員会のデータを見てみると、設定根拠がウサギの発生毒性試験ですね。10mg/kgと低いんですけれども、その上の用量が300mg/kgで、すごく用量比があるんですね。ほかのところでも用量比が10倍ぐらいあるのが結構ありましたね。相当古い毒性実験なんでしょうか。
○鰐淵委員 かなり安全なものです。
○大野部会長 そういうことで、よろしいかなと思います。アメリカの方は発生毒性はとらなくて、イヌでの毒性をとっていますね、25と。この辺の用量比が大きいからとったんですかね。
○鰐淵委員 アメリカは比が余りにも大き過ぎるので、高い方でとったんだと思います。
○大野部会長 ありがとうございました。
 安全性の面で先生方、御意見ございますか。
 それでは、分析方法、分析結果の辺りについていかがでしょうか。よろしいですか。
 それでは、基準値、国際的整合性のところではいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、特に修正にかかわるコメントはございませんでしたけれども、プリミスルフロンメチルについての答申案を、この部会の報告とさせていただいてよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○大野部会長 ありがとうございます。では、そのようにさせて頂きます。
 それでは、次の品目でございますけれども、カルボキシンについて説明を事務局からお願いいたします。
○事務局 それでは、農薬5剤目、カルボキシンでございます。資料5-1を御覧下さい。
 今般の残留基準の変更につきましては、暫定基準の見直しについてでございます。
 本剤の用途につきましては、宮井先生からの御指摘を踏まえまして、修正したものを記載しております。
 小麦等の穀物、豆類、タマネギ等の種子消毒に使用される浸透性殺菌剤です。
 化学名、構造式等につきましては、記載のとおりでございます。
 2.適用の範囲及び使用方法でございます。米国で穀類等に適用がございます。
 3.作物残留試験でございます。分析対象の化合物として、農薬カルボキシン及びスルホキシド体について分析が行われております。分析の方法については記載のとおりでございます。結果については、別紙1に記載してございます。
 4.畜産物への推定残留量でございます。4ページの上にありますとおり、畜産物の残留試験の結果とMTDBより推定残留量を算出しております。
 食品安全委員会における5.ADIの評価でございます。ラットの慢性毒性試験/発がん性併合試験の無毒性量0.8mg/kg体重/dayを根拠とし、安全係数100で除しまして、ADIは0.008mg/kg体重/dayとなってございます。なお、生体にとって問題となる遺伝毒性はないと結論されております。
 6.諸外国における状況でございます。JMPRでの評価はなされておらず、国際基準もございません。また、諸外国については記載のとおりでございます。
 これらを踏まえました7.基準値案といたしまして、残留の規制対象を農薬カルボキシン及びスルホキシド体とする案を設定しております。
 食品安全委員会におきましても、食品中の暴露評価対象物質を農薬カルボキシンとスルホキシド体と設定しております。
 基準値案でございますが、7ページの別紙2を御覧下さい。作物残留試験が確認できた食品について基準値を設定しております。
 これらの基準値案により暴露評価を行いましたものが、8ページの別紙3でございます。TMDI試算によりまして、一番高い幼小児で29.1%のADI占有率となっております。
 最後のページが答申案となります。
 事務局からの説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○大野部会長 どうもありがとうございました。それでは、化学名、構造式、この辺りでいかがでしょうか。
○吉成委員 問題ないと思います。
○大野部会長 ありがとうございます。
 薬理作用については、宮井先生の御指摘で修正していただいたということですけれども、尾崎先生から何かございますか。
○尾崎委員 特にありません。
○大野部会長 ありがとうございます。代謝のところではいかがでしょうか。
○吉成委員 規制対象にスルホキシド体が入っているんですが、このものは恐らく先ほど御説明があったとおり、スルホキシド体が非常によくできまして、それを含めることと、また、スルホキシド体の残留性が比較的高いということから、それを規制対象に入れるということはそれでよいかと思います。
 ほかの代謝物は、アミノ構造のところが切れたものが幾つか出るんですが、そちらは化学構造から考えても特に問題となるようなものではないと思いますので、現在の案の親化合物とスルホキシド体を入れるということでよいのではないかと思います。
○大野部会長 ありがとうございました。
 私も見ましたけれども、この場合にはEPAの報告に基づいて食品安全委員会の報告がつくられたようで、あまり詳しい、代謝物がどのくらい残ったとか、そういうことは書いていないんですね。ただ、EPAの報告の中ではスルホキシドがメジャーだということで、ほかのものは少ないという記述だったと思います。そういうことで、若干元のデータが当たっていないというところで、ちょっと残念なところがございますけれども、EPAの評価と食品安全委員会の判断を合わせれば、私も、親化合物とスルホキシドを分析対象物質としてするということでよろしいかと思いました。
 この辺り、先生方いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、安全性の面で鰐淵先生、いかがでしょうか。
○鰐淵委員 遺伝毒性試験では一部陽性なんですが、腹腔内投与というちょっと変わったやり方でやっておりますし、経口投与では陰性であったということ、更には、発がん性試験でネガティブであったということから閾値を設定できるということで、この記載でいいかと思います。
○大野部会長 ありがとうございます。よろしいでしょうか。
 それでは、分析法と分析結果について御意見ございますか。
○吉成委員 先ほど代謝のところでもちょっと述べたんですが、スルホキシド体は植物とかでは更にスルホン体になるということが示されているんですけれども、3ページの2分析法の概要に書いてある方法ですと、構造の右側のアニリンの部分だけを定量するような方法になっています。スルホン体もこの方法でやると、もしかしたらアニリンが生成するのではないかと思ったんですが、そうすると、ここで定量しているのはカルボキシンとスルホキシド体とスルホン体になるのではないかと思ったんです。ただ、この抽出方法で本当にスルホン体がとれてくるのかどうかというところが私はよくわかりませんでしたので、先生方で御意見をいただければと思います。
○大野部会長 ありがとうございます。いかがでしょうか。
○永山委員 今、先生に御指摘いただいたとおり、一緒に測られている可能性はあると思うんですが、元の分析法、これでやりましたという中には、スルホキシド体までしか記載がなかったものですから、それを準用して書いてありますのがこの概要になっております。ですから、実際にどうかというのは、ちょっと把握しておりません。
○大野部会長 よろしいでしょうか。若干、不明確なところがございますけれども。
 それでは、基準値と国際的整合性のところではいかがでしょうか。
 では、全体を通して御意見ございますか。
 ちょっと細かいところで気がついたことがあるんですけれども、4ページの5.ADIの評価の毒性の説明で、in vivoの染色体異常試験にでは、の「に」は要らないですね。
○事務局 失礼しました、修正させて頂きます。
○永山委員 私も非常に細かいところですけれども、今の最後に、遺伝毒性ないもの、となっていますが、これも「は」が入った方がいいと思います。言葉だけですが。
○事務局 修正させて頂きます。
○大野部会長 ほかにございますか。それでは、非常にマイナーな修正がございましたけれども、その部分を修正するということで、このカルボキシンについての答申案を当部会の報告とさせていただいてよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○大野部会長 ありがとうございます。では、そのようにさせて頂きます。
 次は、シフルフェナミドでございます。これについて、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、農薬6剤目、シフルフェナミドでございます。資料6-1を御覧下さい。
 まず初めに、報告書の訂正をお願いします。1ページの1.概要の(2)用途で、宮井先生から御指摘がありまして、麦類、いちご、メロンの後に、もも、と追記して頂きますよう、よろしくお願いします。
 今般の残留基準の検討につきましては、その他のナス科野菜、スイカ、メロン類果実、もも、ぶどうについて、インポートトレランス申請がなされたことに伴う基準値設定でございます。なお、残留基準の見直しについては、平成22年3月の部会で審議が行われました。
 本剤の用途につきましては、尾崎先生からの御指摘を踏まえて修正したものを記載しております。アミドキシム骨格を有する殺菌剤でございます。化学名、構造式につきましては、記載のとおりでございます。
 2.適用の範囲及び使用方法でございます。3ページにありますとおり、韓国で記載のとおりの使用方法がございます。
 3.作物残留試験でございます。分析対象の化合物として、シフルフェナミドについて分析が行われております。分析のカラムにつきまして、永山委員の御指摘を踏まえ、メーカーに確認した内容を記載しております。方法の詳細につきましては記載のとおりでございます。結果については、別紙1に記載しております。
 食品安全委員会における4.ADIの評価でございます。ADIは前回と同様、0.041mg/kg体重/dayとなってございます。なお、生体にとって問題となる遺伝毒性はないと結論されております。
 5.諸外国における状況でございます。JMPRでの評価はなされておらず、国際基準もございません。また、諸外国においては記載のとおりでございます。
 これらを踏まえました6.基準値案、といたしまして、前回と同様、残留の規制対象をシフルフェナミドとする案としております。
 食品安全委員会におきましても前回と同様の結論でございます。
 基準値案でございますが、8ページの別紙2を御覧下さい。インポートトレランス申請があったその他のなす科野菜、ぶどうについて基準値案を設定する案でお示ししております。スイカ、メロン類果実、ももについてもインポートトレランス申請を受けましたが、韓国と日本で測定する検体の部位が異なるため、基準値を設定しませんでした。
 これらの基準値案により、暴露評価を行いましたものが9ページの別紙3でございます。TMDI試算によりまして、一番高い幼小児で11.2%のADI占有率となっております。
 最後のページが答申案となります。
 事務局からの説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○大野部会長 どうもありがとうございました。
 これはインポートトレランスに基づいて見直すということでございますけれども、いかがでしょうか。2回目ですので、もう一度ざっといきたいと思います。化学名、化学構造については前と同じですけれども、気がついたところはございますか。
○吉成委員 事前に1点修正していただいたんですけれども、それは直っていますのでいいと思います。
○大野部会長 ありがとうございます。
 薬理作用のところはチェックしていただいたということですけれども、尾崎先生よろしいでしょうか。
○尾崎委員 はい。
○大野部会長 ありがとうございます。
 代謝のところも特によろしいですか。私の方も前回、親化合物だけとさせて頂きましたけれども、見直したところでも親化合物が中心で代謝物は少ないので、よろしいかと思います。
 安全性の面はいかがでしょうか。
○鰐渕委員 この剤は遺伝毒性がないですので、発がん性で幾つか出ておりますけれども、遺伝毒性とは考えにくいという記載がありますので、結構かと思います。
○大野部会長 ありがとうございます。分析法、分析結果の辺りで何かございますか。
○松田委員 4ページの2分析法の概要、ですけれども、一番初めの段落に、バックドカラムと、あと、グラファイトカーボンカラム等々が書かれておりますけれども、このバックドカラムという部分は必要ないのではないかと思います。2段目は、転溶後はアミノプロピルシリル化シリカゲルカラム又はフロリジカルカラムという書き方になっていますけれども、同じようにしてはいかがかと思います。
○大野部会長 これは特別なものではなくて、グラファイトカーボンカラムが括弧の中に入っていますけれども、それだけで十分だということですか。
○松田委員 バックドカラム、と書く必要はないと思います。
○大野部会長 よろしいですか。
○永山委員 すみません、最初にバックドカラムとしか書いていなかったものですから、先ほど修正をお願いした次第なんですけれども、今、松田先生から御指摘頂きましたように、ここの部分はバックドカラムの後の括弧をとって、ヘキサンに転溶、グラファイトカーボンカラム云々、最後のところで、アミノプロピルシリル化シリカゲル(NH2)カラムを用いて、ということで、のみ、を削除していただければよろしいかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○事務局 御指摘のとおり修正させて頂きます。
○大野部会長 ありがとうございます。
 それでは、基準値、国際的整合性のところはいかがでしょうか。
 では、全体を通してほかに気がついたところはございますか。
○宮井委員 よろしいですか。非常に細かいところなんですけれども、3ページの一番下の希釈倍数が2,000倍となっていますが、「,」は入れないことにしていますので、とっていただければと思います。
○大野部会長 ほかは入っていませんね。
○事務局 御指摘のとおり修正させて頂きます。
○大野部会長 ほかにございますか。
○吉成委員 私も細かいところなんですけれども、4ページの先ほどのカラムのお話のあったところで、「または」、という表記が2行目は漢字ですけれども、下は平仮名になっていますので、修正をお願いいたします。
○事務局 下の平仮名を漢字に修正させて頂きます。
○大野部会長 ありがとうございます。「及び」とか「又は」というのは行政文書だと漢字になるんですね、たしか。
 ほかにございますか。それでは、幾つか修正を指摘して頂きましたけれども、その修正をしたものをこの部会の報告とさせていただいてよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○大野部会長 ありがとうございます。では、そのようにさせて頂きます。
 それでは、次のシエノピラフェンについて説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、農薬7剤目、シエノピラフェンでございます。資料7-1を御覧下さい。
 今般の残留基準の検討は、農薬取締法に基づく適用拡大申請がなされたことに伴う基準値設定でございます。なお、前回は平成22年6月の部会で審議が行われております。
 まず、1.概要です。本剤は、プロペンニトリル骨格を有する殺ダニ剤でございます。作用機序は、代謝生成物がミトコンドリア電子伝達系複合体IIに結合し、コハク酸からコエンザイムQへの電子の流れを阻害することにより作用すると考えられております。化学名及び構造式等については記載のとおりでございます。
 2.適用の範囲及び使用方法でございます。今回、適用拡大申請がなされたピーマン、きゅうり、その他のきく科野菜に分類される食用ギクについて四角で囲んで示しております。
 3.作物残留試験でございます。 今回、新たに提出されたピーマン、きゅうり、食用ギクにおける作物残留試験では、分析対象の化合物としてシエノピラフェンの分析が行われております。分析方法については記載のとおりでございます。結果については、7ページの別紙1に記載してございます。
 4.ADIの評価でございます。食品安全委員会による2つの毒性試験を根拠とし、ADI0.05mg/kg体重/dayという評価となってございます。なお、記載整備のためラットの2年間慢性毒性/発がん性併合試験における子宮腺がんの発生について記載しておりますけれども、こちらの評価及びADIの値は、前回の部会で御審議いただいたときと変更はございません。
 5.諸外国における状況でございますが、JMPRにおける評価はなされておらず、国際基準も設定されておりません。また、米国、カナダ、EU、オーストラリア及びニュージーランドのいずれにおいても基準値は設定されておりません。
 これらを踏まえまして6.基準値案でございます。まず、残留の規制対象についてですが、シエノピラフェン親化合物のみと設定する案としております。なお、食品安全委員会におきましても、食品中の暴露評価対象物質をシエノピラフェン親化合物のみと設定しております。
 次に、基準値案でございます。8ページの別紙2を御覧下さい。作物残留試験成績から、その他のきく科野菜に10ppm、ピーマンに1ppm、きゅうりに1ppmと設定する案としております。
 これらの基準値案により暴露評価を行いましたのが、9ページの別紙3でございます。TMDI試算によりまして、一番高い幼小児で26.5%のADI占有率となっております。
 最後のページが答申案となります。
 事務局からの説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○大野部会長 どうもありがとうございました。
 これも2回目ということですけれども、一応もう一度見直して頂きたいと思います。化学名、化学構造、物性について、いかがでしょうか。
○吉成委員 問題ないと思います。
○大野部会長 ありがとうございます。
 薬理作用のところはいかがでしょうか。よろしいですか。
○尾崎委員 はい。
○大野部会長 ありがとうございます。
 それでは、代謝、体内動態の辺りはいかがでしょうか。
○吉成委員 非常に構造が複雑で代謝物もたくさんできるんですけれども、主要な代謝物でエステルが切れたような、元の薬理活性を恐らく持っていないだろうというものができるということですので、現在のとおりの規制対象が親化合物だけということで問題ないかと思います。
○大野部会長 ありがとうございます。
 私も見直しましたけれども同様で、植物体内ではほとんど親化合物が中心でして、食品安全委員会の報告書の別紙3にB、E、C、Dの代謝物について測定した結果がございますけれども、ほとんど未検出という形で、先ほど説明がございましたが、非常に少ないということです。一部を除いて、いずれの代謝部分も親化合物と比べて十分に低いということで、親化合物だけという今までの考えを修正する必要はないと思いました。その辺りについて、いかがでしょうか。よろしいですか。
 それでは、安全性の面でいかがでしょうか。
○鰐渕委員 この剤、高用量で子宮に発がん性があるんですけれども、非常に詳しく説明書きを入れてあるので、詳し過ぎるかなと思いますが、結構かと思います。
○大野部会長 ありがとうございます。
 薬物代謝酵素によってエストラジオールの代謝が増えて、その結果として、がんが起きているんじゃないかというディスカッション、いいのかなと思いますけれども。
○鰐渕委員 食品安全委員会では、そのように判定しておるんですけれども、要は、直接的なホルモン作用ではなかったというデータと、4-水酸化が増えていて、これは発がん性が高いということから推測しているということなんですが、いずれにしても遺伝毒性試験がネガティブですので、いいかなとは思います。閾値が設定できるという意味で。
○大野部会長 ありがとうございました。この部分は、食品安全委員会の報告をそのまま引用したということで、よろしいかと思います。
 ほかに先生方から御意見ございますか。よろしいですか。
 それでは、分析法、分析結果についていかがでしょうか。
○永山委員 簡単に説明させて頂きますと、分析法の概要のシエノピラフェンの「又は」のところからが今回のピーマン、きゅうり、食用ギクにかかわる分析法になってございます。
○大野部会長 ありがとうございます。よろしいでしょうか。
 それでは、基準値と国際的整合性については、いかがでしょうか。よろしいですか。それでは、全体を通して御意見ございますか。それでは、特に修正にかかわるコメントはございませんでしたけれども、この部会の報告とさせていただいてよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○大野部会長 ありがとうございます。それでは、そのようにさせて頂きます。
 次の品目は、メタラキシル及びメフェノキサムについてでございます。では、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、農薬8剤目のメタラキシル及びメフェノキサムでございます。資料8-1を御覧下さい。
 今般の残留基準の検討につきましては、魚介類への基準値設定依頼及び関連企業からインポートトレランス設定要請がなされたことに伴う基準値の設定でございます。なお、前回は平成21年9月の部会で審議が行われております。
 まず1.概要でございます。
 メタラキシルはD体とL体の2つの鏡像異性体を1:1の割合で含有するラセミ体です。また、2つの鏡像異性体のうち殺菌活性を示すのは主にD体とされ、このD体がメタラキシルMと呼ばれております。メフェノキサムは、メタラキシルMの別名でございますけれども、メタラキシルMで統一させて頂きます。
 本剤は、酸アミド系の殺菌剤であり、菌糸伸長及び胞子形成を阻害することで、特に卵菌網ツユカビ目の糸状菌に対して防除効果を示すものと考えられております。
 化学名及び構造式等につきましては、記載のとおりでございます。
 2.適用の範囲及び使用方法でございます。
 今回、しゅんぎく、その他のきく科野菜、セロリ、やまいも及びにんじんについて、米国の基準と同じ基準を設定するようインポートトレランス申請がなされておりまして、これらの作物に対する米国での使用方法については、16ページに示してございまして、葉菜類、根菜・塊茎類として示しております。
 3.作物残留試験でございます。
 分析対象の化合物として、メタラキシル及びメタラキシルMについて分析が行われております。米国基準設定の根拠となったデータについては、34ページの別紙1-2に網かけをして示しております。
 4.魚介類への推定残留量でございます。
 本剤の水田PECtire2及び非水田PECtire1は記載のとおりでございまして、水田PECtire2の2.58ppbを採用しております。また、オクタノール/水分配係数から生物濃縮係数を7.59とし、推定残留量を0.098ppmと算出いたしました。
 5.畜産物への推定残留量については、前回の部会で御審議いただいたときと変更はございません。
 6.ADIの評価でございます。食品安全委員会によるADIは、メタラキシルとメタラキシルM合わせて0.022mg/kg体重/dayという評価となっております。これらの評価は、前回の部会で御審議いただいたときと変更はございません。
 7.諸外国における状況ですけれども、2002年にJMPRにおける毒性評価が行われ、ADIが設定されております。国際基準は、メタラキシルについてらっかせい、キャベツ等に設定されております。また、諸外国についても記載のとおり基準値が設定されております。なお、いずれの国及び地域についても、メタラキシルの基準値がメタラキシルMに適用されるものとなっております。
 これらを踏まえまして8.基準値案でございます。
 まず、今回、残留基準設定の要請がなされた魚介類と農作物の残留の規制対象についてですが、メタラキシル及びメタラキシルM親化合物のみと設定する案としております。
 なお、食品安全委員会におきましても、暴露評価対象物質を親化合物のみと設定されております。
 46ページの別紙2を御覧下さい。49ページの脚注にも記載させて頂きましたが、前回部会で御審議いただいた小豆類、いちご、ブルーベリー、アーモンドなどの農作物は、米国の基準値を参照しております。ただ、米国が代謝物を含む基準値として規制しているため、レタスやぶどう、ばれいしょなどの植物体内運命試験成績から親化合物の推定最大割合と推測される0.7を乗じ、一律基準を超える値について、下2桁目を切り上げて基準値を設定しております。なお、前回は、作物の種類に関係なく推定最大割合として0.7を乗じ、基準値としております。
 今回、基準値の設定要請がなされたしゅんぎく、その他のきく科野菜、セロリは、米国ではアブラナ属及びほうれんそうを除く葉菜類として5.0ppmの基準値が設けられております。その5.0ppmに推定最大割合0.7を乗じた4ppmを今回基準値として設定する案としております。また、やまいも及びにんじんは、根菜・塊茎類野菜として0.5ppmの基準が設けられておりまして、これに0.7を乗じた0.4ppmを設定する案としております。
 魚介類につきましては、推定残留量から0.1ppmとする案としております。
 乾燥させた唐辛子については、国際基準を参照して基準値を設定する案としております。
 畜産物における規制対象や基準値については、前回部会で御審議していただいたとおりとしております。
 基準値案により、暴露評価を行いましたのが50ページの別紙3でございます。TMDI試算によりまして、一番高い幼小児で68.3%のADI占有率となっております。
 最後のページが答申案となります。
 事務局からの説明は以上です。御審議のほど、お願いいたします。
○大野部会長 ありがとうございました。
 これも2回目ということだと思いますけれども、審議を一とおり行いたいと思います。化学名、化学構造について、いかがでしょうか。
○吉成委員 1点修正していただいたとおりになっていますので、特に問題ないと思います。最初、メチルとその後ろの間にスペースがなかったんですけれども、それだけ修正して頂きました。
○大野部会長 ありがとうございます。
 薬理作用のところはいかがでしょうか。
○宮井委員 文章の表現なんですけれども、用途のところ、最後は大体いつも「考えられている」としているので、これも「防除効果を有すると考えられている」とした方がよろしいですか。
○事務局 分かりました。御指摘のように修正させて頂きます。
○大野部会長 尾崎先生、よろしいですか。
○尾崎委員 はい。
○大野部会長 では、体内動態、代謝物のところはいかがでしょうか。
○吉成委員 既に審査されているとは思うんですけれども、非常に経路が複雑なんですが、出てくる代謝物の構造を見ますと、この中で言われているDというものがありますし、あと、M体あるいはE体というのが幾つか出てきているんですけれども、構造的には親化合物よりも残留性が低く、薬理作用も恐らく消失しているのではないかと考えられるような構造をしています。それから、異性体の代謝に差はないということも分かっていますので、原案のとおりでよろしいのではないかと思います。
○大野部会長 ありがとうございます。私も説明しようとすると、先ほど長く文章を書いてくださいましたけれども、非常に長い説明が必要で、畜産物でD体を入れることになっていますけれども、D体は特に毒性も弱いように思うんですけれども、実際は親化合物は畜産物の中で非常に少ないので、その代わりに測定するということでやむを得ないというのが現実的かなと思いました。
 25ページの8.基準値案の「畜産物については」から始まるカラムがありますね。その3行目で「腎臓で代謝物E」と書いてありますが、ヤギで代謝物Eと同じようなレベルがDでも検出されていますので、代謝物DとEにしていただけますでしょうか。表1のデータを見ると、腎臓では代謝物Dが0.335で、Eが0.363でほとんど同じような量ですので、追記をお願いいたします。
 そのほかは特にございません。農産物、魚介類についてはメタラキシル及びメタラキシルM、畜産物についてはそれにDを加えたものとするということでよろしいかと思います。
 今までのところで先生方から御意見ございますか。
○吉成委員 今、大野先生のお話のあったところと、49ページの別紙2の注釈にあるんですけれども、2,6-ジメチルアニリンのことなんですが、「DMA」と略で書かれているんですが、どこかに定義されているのかもしれませんけれども、それがなかなか見つけられなかったんです。特に別紙2のところは、注釈の中で作物残留試験の分析対象には「2,6-ジメチルアニリン」と書いてあるんですけれども、その後の外国基準値では今度は「2,6-DMA」と略されていますので、略さない方がいいのかなと思います。
○事務局 分かりました。略さないで記載するようにさせて頂きます。
○大野部会長 よろしいでしょうか。それでは、そのようにお願いいたします。
 今までのところで先生方から御意見ございますか。よろしいですか。
 では、安全性の面ではいかがでしょうか。
○鰐渕委員 特に問題ないです。
○大野部会長 ありがとうございます。
 それでは、分析法と分析結果の辺りでいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 今回加えたところで、魚介類への推定残留量でいかがでしょうか。
○廣野委員 今回は、もう決められた方法で設定されているのでよろしいかと思うんですけれども、今後ちょっと検討して頂きたいなと思うのは、魚介類と大きくとっていますけれども、魚類とシジミ、無脊椎動物と代謝系も全然違いますし、生態系も違いますので、その一くくりでいいのかなというのは、ここの委員会以外のところでも時々疑問に思うことがあるんですけれども、今後の検討していただいた方がいいんじゃないかなとは感じています。
○大野部会長 ありがとうございます。いかがでしょうか、検討したときの考え方があったかと思うんですけれども、その辺は事務局から何かお話はございますか。
○事務局 補足で説明させて頂きます。報告書の19ページを御覧下さい。そもそも農薬の場合は動物用医薬品などと違って、いわゆる魚であったり、それ以外の甲殻類であったりは非意図的な暴露を受けるものですので、特に基準値としては今のところ区別はしていません。ただ、基準値の設定に当たっては、4.(3)の計算式をごらんいただければと思うのですが、ここで代入している値以外に「×5」というのがありまして、これ自体は魚の種類の誤差といいますか、元の報告書が手元にないので詳細な説明は割愛させて頂きたいんですが、そういうばらつきを考慮して、魚介類という一つのまとまりとして基準値を設定していただいているという今までの御審議となっています。
○大野部会長 将来の問題として御指摘いただいたということでよろしいでしょうか。
○廣野委員 今回はこれで結構ですし、安全性の面からも全然問題ないと思いますので結構かと思います。ただ、先ほどの説明でちょっと違和感があったので、発言の機会があればと思って言わせていただいたのですけれども、シジミの件があったので申請をされたと。でも、先ほどのピリダリルの場合は実験されていましたね。実験のデータを使われての話だったので、それならいっそ、今後この計算式にのっとってのみした方が根拠としてはいいのかなとちょっと感じたものですから、シジミのことで魚の実験をして、その結果ですべて当てはめていくというのはちょっと違和感がありましたので、それならこの式だけで今後もいくという方がいいんじゃないかと思いますけれども。
○大野部会長 ありがとうございます。
 今の19ページの4.(2)の相関式で気がついたんですけれども「log10BCF=0.80 log10Pow-0.52」となっていますけれども、これは「×」を入れてもらえますでしょうか。
○事務局 わかりました、「×」を追記するようにいたします。
○大野部会長 ありがとうございます。
 今までのところで先生方から御意見ございますか。よろしいですか。
 それでは、基準値と国際的整合性について、いかがでしょうか。
 さっきのところで1つ、米国の基準にたしか0.7を掛けるということでしたね。ちょっと気付いたことがあったんですけれども、別紙2のにんじんのところで、アメリカの基準が0.5ですね、国際基準のところを見ていました。0.05がなぜ0.4かなと思ったんですけれども、結構です。
 先生方、気がついたことはほかにございますか。
 それでは、全体を通してほかに御意見ございますか。
○松田委員 54ページの答申案なんですが、表題として「メタラキシル及びメタラキシルM」とありまして、右側の注釈は「今回基準を設定するメタラキシル及びメフェノキサム」となっておりますので、ほかにも何個か出てくるんですけれども、「メフェノキサム」をすべて「メタラキシルM」とした方がよいと思います。
○大野部会長 では、修正をお願いいたします。
○事務局 答申案のところなんですけれども、項目の一番上に入れているのは「メタラキシルM」になっていて、注釈は「メフェノキサム」となっていまして、確かにずれがあるのでどちらかにそろえた方がいいかと思うんですけれども、そもそものこちらの剤はメフェノキサムということで今回部会で御審議いただいておりますので、「メタラキシルM」ではなく「メフェノキサム」という形で題名と注釈を記載した方がいいのかなと思ったのですが。
○大野部会長 答申のところですね。松田先生いかがですか。元々の名前はメフェノキサムということですが。
○松田委員 この剤に関しては、最初の表題は「メフェノキサム」が出てきて、その後この中では全部これを「メタラキシルM」と言うよということになってずっときて、答申案では「メフェノキサム」とあるので、メタラキシルMとメフェノキサムの関係がよく分からないので、もし「メフェノキサム」と残すのであれば、これはメタラキシルMのことですとか書かないと、答申案だけになってしまったときに分かりにくいと思います。
○大野部会長 答申のところで「メタラキシル及びメタラキシルM」となっていますけれども、答えるべきところはメフェノキサムについての答申案を作らなければいけないわけですね。では、表題も「メフェノキサム」として、1ページの統一というところを答申案以外ではとか、そのようにしたらどうでしょうか。
○事務局 分かりました、そのようにさせて頂きます。
○大野部会長 よろしいですか。それでやってみておかしいところがあったら、また考え直すということで、とりあえずそういうことでお願いいたします。
 それでは、幾つかの修正がありましたけれども、修正をされたものをこの部会の報告とさせていただいてよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○大野部会長 ありがとうございます。それでは、そのようにさせて頂きます。
 それでは、動物薬のセファロニウムについての説明をお願いいたします。
○事務局 動物用医薬品、セファロニウムでございます。資料9-1を御覧下さい。今回の残留基準値の検討につきましては、暫定基準の見直しについて御審議をお願いするものです。
 1.概要です。
 本剤は抗生物質です。人への適用はございません。グラム陽性菌及びグラム陰性菌の両方に活性のある広域抗菌スペクトルを持つ第一世代の半合成セファロスポリン系抗生物質です。本剤は、感受性菌の細胞壁にある1つ又は複数のペニシリン結合タンパク質と結合することによって細胞壁の合成を阻害し、高い細胞内浸透圧のために溶菌することで、抗菌力を発揮させます。日本では牛の乾乳期乳房炎、海外では眼感染症に対しても使用されています。
 化学名、構造式及び物性については、御覧のとおりです。
 続きまして、適用方法及び用量です。対象動物は牛です。下に記載があります、牛(乳)は、牛乳を搾乳するために飼養されている牛を対象とした適用方法です。使用方法は、ともに乾乳期初期に1分房当たり力価で250mgを乳房内に注入いたします。乾乳期は搾乳を行わない期間で、牛を休ませ、分娩をさせます。
 国ごとの休薬期間は御覧のとおりです。投与後、この期間は出荷されません。搾乳牛では、日本の休薬期間は0日になっていますが、分娩予定40日前からは本剤は使用できず、更に、乳等省令では分娩後5日以内の牛等から乳を搾取してはならないとされているため、実質、分娩後5日間は乳は出荷されません。
 ほかの国につきましては、例えば、英国などでは投与後54日以内に分娩した場合は、分娩後4日と記載されていますが、最短でも投与後54日プラス4日は休薬期間となる使用方法となっております。
 2.対象動物における残留試験でございます。
 分析対象の化合物はセファロニウムです。分析法の概要は記載のとおりです。
 乳牛における残留試験の結果でございますが、乾乳中の乳牛中の1分房ごとにセファロニウムとして250mgを含有する製剤を1頭当たり4分房に注入した試験の結果を記載しております。筋肉、脂肪、肝臓、腎臓、小腸では、注入後1日目に脂肪に若干残留が認められましたが、すべて検出限界以下でした。乳におきましては、分娩後5日以上では一部を除いて検出限界以下でした。
 3.ADIの評価でございます。
 毒性学的ADIは、ラットの亜急性毒性試験の無毒性量を用いまして0.004mg/kg体重/dayと評価されています。安全係数は、発がん性試験、慢性毒性試験を実施していないため、1,000が用いられております。なお、評価に供された遺伝毒性試験のin vitro試験の一部で陽性の結果が得られましたが、小核試験を初めin vivo試験ではすべて陰性の結果が得られたことにより、生体にとって問題となる遺伝毒性はないと結論されています。
 また、本剤は抗生物質であるため、VICHガイドラインにより微生物学的ADIが求められております。微生物学的ADIが0.0016mg/kg体重/dayと評価されています。そして、より低い微生物学的ADIの0.0016mg/kg体重/dayが、ADIとして設定されております。
 4.諸外国における状況等でございます。
 JECFAにおいて評価が行われておらず、EU及びオーストラリアで基準値が設定されております。
 5.基準値案でございます。
 残留の規制対象をセファロニウムとする案といたしております。
 基準値案は6ページの別紙1に示しております。乳におきましは、分娩後5日以降の個体で一部検出例が認められているため、0.03ppmと基準値を設定しております。また、牛の筋肉、脂肪、肝臓、腎臓につきましては0.01ppmとする基準値案といたしました。
 別紙2に暴露評価を示してございます。EUの評価書の代謝試験の結果、組織中の未変化体の総残留に占める割合が最も低かった腎臓で、未変化体の割合が5~8%、乳においては60%であったため、すべての残留がセファロニウムと仮定して過大に評価を実施しております。TMDI比で幼小児で46.5%となっております。
 最後のページが答申案となります。
 御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○大野部会長 ありがとうございました。
 それでは、御審議をお願いいたします。化学名、化学構造の辺りでいかがでしょうか。
○吉成委員 問題ないと思います。
○大野部会長 ありがとうございます。
 薬理作用はいかがでしょうか。
○宮井委員 先ほどと同じように文章表現なんですけれども、用途の4行目「抗菌力を発揮させる」となっているのを、「抗菌力を発揮すると考えられている」と直した方がよろしいでしょうか。
○事務局 そのように訂正させて頂きます。
○大野部会長 ありがとうございます。
 先ほどの説明で、海外では「眼感染症に対しても」と「も」を入れましたが、そのように修正されるわけですね。
○事務局 そのように訂正させて頂きます。
○大野部会長 今までのところはよろしいでしょうか。
 それでは、代謝のところは難しいですけれども、いかがでしょうか。
○吉成委員 データはほとんどないんですけれども、ラットでは少なくとも対象物が生じないということで問題ないんですが、牛での試験で8ページにも記述があるんですが、2.残留試験の「(1)残留試験(牛、組織)」に、腎臓中では未変化体は数パーセントしか出てこないということで、ほとんど代謝物のようなんですけれども、対象物がすべて未同定ということですが、実際には評価のところで過大にほとんど未変化体として計算していただいていますので、恐らく問題ないとは思います。
○大野部会長 ありがとうございます。私も異論はございません。
 では、安全性のところはいかがでしょうか。
○鰐渕委員 この剤に関しては、発がん性試験がされていないということが一つ大きな問題点で、遺伝毒性はないと結論してあるところは書かれているんですけれども、その後、発がん性試験をしていなくて、しかも大丈夫だという記載を食品安全委員会の17ページの「2.毒性学的ADIについて」の第1カラム目をそのまま丸ごと持ってきた方が、より詳しくなるんじゃないかという気がいたしました。それを入れていただいた方が、より親委員会で文句を言われないかなと思います。
○事務局 では、この食品安全委員会の記載をそのままここに追記したいと思います。
○大野部会長 ありがとうございます。今までのところはいかがでしょうか、よろしいでしょうか。
 それでは、分析法と基準値の辺りはいかがでしょうか。
○永山委員 3ページの(2)の残留試験の結果の表の上の表ですが、「LOD」という表記になっておりますけれども、ぱっと見た限りではLODがどれだけなのかというのが分からないので、数字を入れていただいた方がよろしいかと思います。
○事務局 検出限界0.01を入れさせて頂きたいと思います。
○大野部会長 ありがとうございます。ほかにございますか。
 それでは、基準値と国際的整合性ではいかがでしょうか。特にございませんか。
 それでは、全体を通していかがでしょうか。特にございませんか。
 それでは、幾つか修正がございましたけれども、修正したものをこの部会の報告とさせていただいてよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○大野部会長 ありがとうございます。それでは、そのようにさせて頂きます。
 本日予定しました農薬と動物用医薬品についての御審議はすべて終了しました。今後の食品衛生分科会での取扱いについて、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 平成22年3月3日に了解されました「食品衛生分科会における確認事項」に基づき、本日の部会で審議頂きました農薬8剤及び動物用医薬品1剤の食品衛生分科会での審議又は報告の取扱い案につきましては、僣越ながら事務局より原案を用意させて頂きました。
 農薬チジアズロン、ピリダベン、プリミスルフロンメチル及びカルボキシン並びに動物用医薬品セファロニウムにつきましては、いずれも暫定基準等の既に設定されている残留基準の一部改正で区分4又は5に該当しないことから、区分3として分科会での取扱いは報告でいかがでしょうか。いずれも「ただし、その用途、毒性等から見て慎重に審議する必要がある」ということではないと思われます。
 また、農薬ピリダリル、シフルフェナミド、シエノピラフェン並びにメタラキシル及びメフェノキサムにつきましては、いずれも食品安全委員会での評価の結果に変更がないことから、区分4として分科会での取扱いは文書配付による報告でいかがでしょうか。いずれも「ただし、その用途、毒性等から見て慎重に審議する必要がある」ということではないと思われます。
○大野部会長 ありがとうございました。ただ今説明していただいた分科会での取扱いの案について御意見ございますか。特にないようでしたら、この部会として、そのように扱わせていただいて、分科会長の承認を得たいと思います。よろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○大野部会長 ありがとうございます。
 それでは、事務局から今後の手続についての説明をお願いいたします。
○事務局 本日、御審議頂きました農薬8剤及び動物用医薬品1剤につきましては、食品安全委員会からの通知を受けていることから、一部修正の上、御確認を頂く事項はございますが、修正・確認をいただいた後、部会報告書とさせて頂きます。
 なお、今後の手続につきましては、パブリックコメント、WTO通報、消費者庁協議等の必要な手続を進める予定でおります。
○大野部会長 ありがとうございます。
 それでは、チジアズロンについては確認した上、また先生方にチェックして頂くことになると思いますけれども、よろしくお願いいたします。
 では、次回の予定について説明をお願いいたします。
○事務局 次回の本部会の開催日程につきましては、平成23年12月21日水曜日午後を予定しており、後日、委員の日程につきまして御確認させて頂きたいと存じます。詳細につきましては、追って御連絡申し上げます。
○大野部会長 ありがとうございます。年度末で押し迫っていますけれども、よろしくお願いいたします。
 ほかにございますか。
○事務局 ほかに議事はございません。
○大野部会長 先生方から何かございますか。
○佐藤委員 よろしいですか。先ほど魚介類の基準値の話が出まして、いっそのこと式でやってしまったらという廣野先生の御発言だったんですけれども、ちょっと個人的な意見を述べさせて頂きますと、式で基準値を設定するということは、規制対象の視点がすっぽり抜けてしまうんですね。ですから、個人的に思っているのは、現在は緊急を要する剤だけ魚介類の基準値を順番に決めておりますけれども、理想を言えば放射性化合物を使って魚類、貝類の両方をやって、親化合物と代謝物の規制対象になり得るような対象物のBCFを求めるということが一番じゃないか思います。これは当然、将来の課題でしょうけれども、個人的にはそう考えております。
○大野部会長 ありがとうございました。これに関連して、何か御意見ございますか。将来、特に必要になったときに更に検討する、変えるとすればきちんとした研究班とかそういうところで検討しないと修正できないと思うんですね。とりあえずは、今の方法でやっていただいて、個別のデータがあるものについてはそれに基づいてやる、ないものについては式を使ってやると。式そのものもPowだけで推定しているので、そこはかなりばらつきがありますから、とりあえず今のままでいきたいと思います。
 ほかにございますか。
 それでは、以上をもちまして、本日の部会を終了させて頂きます。どうも御協力ありがとうございました。


(了)
<照会先>

医薬食品局食品安全部基準審査課残留農薬係
(03-5253-1111 内線4281,2487)

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