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生産性向上の支援・促し役こんなときどうする?

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手順4 「改善活動に取り組もう」

Q. 職員のモチベーションを上げる一番の方法は?

プロジェクトリーダーや支援・促し役に実践してもらいたい最も大切なことは、小さな取組で成功体験を作りプロジェクトメンバー間で共有できる仕組みを作ることです。

Q. 失敗を見つけた。どうするの?

失敗の原因はいろいろあると思います。ただ感情的に「どうして失敗したの」と詰問しても過去には戻れません。一呼吸入れて、例えば「今後のフォローやケアを知りたい。どうしたらいいと思う?」など、前向きな発想で次の失敗に陥らない意見を出せる場づくりがとても大切です。言葉 1つで流れが変わってしまうので、ポジティブな表現を使うことがポイントです。相手の知識不足が原因とわかれば、伝わるように情報提供することになります。

Q. 試行錯誤って失敗の繰り返しのことでしょ? なんだか、いやだな。

自分たちで考えた解決策を自分たちの手で試しているから、本人たちは意外に試行錯誤を楽しんでいることもあります。同じうまく行かない体験でも、手ごたえや気づきの深さが違います。だから楽しいのです。

もちろん、同じ試行錯誤でも指示されたまま受け身的に繰り返していれば「やらされ感」の方が強まると思います。

Q. プロジェクトメンバーが自主的に考えて自分たちで実践できるような配慮が欠かせない。

経験が豊富な人は答えが見えていて「教えたい」かもしれません。でも、自主性を育むためにも、そこはグッと堪えましょう。

Q. でも、しんどい時もあるでしょう?我慢した方がいい?

業務の改善活動は楽ですという声は聞きません。本気になるほど、終盤に近付くほど集中するから、周りから見ると大変に見えることもあります。

実際に疲れたと思ったら、隠すことなく、疲れる、と誰かに愚痴をいってもいい。プロジェクトメンバーも同じように大変だから、むしろ共感が生まれて、業務の改善活動後でも結束力が高まることもあります。疲れや嫌々感は隠そうとしても周りには意外に分かってしまうものです。逆に気を遣わせるから。溜め込まずに上手に発散していきたいですね。職場がどんどん改善されていくと、仕事も楽しくなるはずです。

Q. 報告・連絡・相談はどのタイミングで行うの?

ひとつは、週1回の定例ミーティングのとき。でも、業務の改善活動は2日や3日の短期間で試行錯誤を繰り返していくから、定例ミーティングでの報連相だけでは間に合わない。活動のスピード感に合わせて、日ごろのコミュニケーションのなかで、軽やかに報連相できる関係とその環境を作りましょう。例えば、プロジェクトメンバー間ではいつでも手軽にコミュニケーションが取れるよう、例えば、チャットアプリを活用するなど、考えてみましょう。

SNSを使って活動中の気づきや報告をリアルタイムでアップしたり、リプライしている事業所もあります。

Q. 5Sの並び順には意味があるの?

環境整備の5Sは並び順にも意味があります。まずは「整理」。要るものと要らないものを決めて、要らないものを捨てる。要るものを「整頓」の考えで、三定や手元化で整え使いやすく工夫する。整えて使いやすくした状態が維持されているか点検するのが「清掃」。「整理→整頓→清掃」を維持できるルールや体制づくりをする。それが「清潔」。最後に、ルールや仕組みをうまく使えるように人材育成する機会が「躾」。ガイドライン(居/30)P.59に5Sシートがあるので参考にしてみて下さい。

Q. 良かれと思って役割を細かくして分担したところ、「これは私の仕事じゃない」と言う人が増えて困ったことがある。役割分担すると協力しない人が出るでは不安。

完璧に役割を振り分けたのに、むしろ進まないという…。細かく分けすぎて、担当者もよくわからなくなって自分のことで精いっぱいになると、人のことまで構っていられない気持ちもよくわかります。役割分担の細かさはバランスを見て、プロジェクトメンバーで決めていきたいところです。もちろん、プロジェクトリーダーや支援・促し役が素案を提示する方法も効率がいいしおすすめです。

プロジェクトチーム間でペアを作って担当を割り当てる方法もおすすめです。一人担当より二人の方が心強くなるし相談しやすくなります。

Q. いろんな職種が一緒に働いています。でも協力っていう雰囲気をなかなか作れません。だけど、多職種連携でチームケアは進めたいし。どのように進めたらいいのかな?

医療専門職も介護専門職もそれぞれに独自の役割と専門性、倫理観があって、専門教育、卒後研修、実地経験を積み重ねています。もし、「みんな同じ考えに」管理しようと考えているならば、その考えにムリがあります。お互いに大切にする考え方や指標を理解し合う努力をしつつ役割の違いも認めていく方がいいのではないでしょうか。

その上で、働きやすい職場にするため同じ「職員」という立場から、検討できること改善できることがあります。業務改善するときにそういうテーマから扱うのはどうでしょう。