第02話

公的年金と
貯蓄の違い

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どうして公的年金制度があるの?
誰にでもある「人生のリスク」に対応するためです

人生には、さまざまなリスクがあります。
高齢によって働くことができなくなる、思いがけない事故や病気で障害を負ってしまった、一家の大黒柱が亡くなってしまった……など、安定した収入を得られず生活できなくなるリスクは予測できません。

そうした「もしものとき」に備えるため、生命保険や医療保険などに入る方や貯蓄をする方もいらっしゃいます。

でも、その備えが「いつ」「どれだけ」「いつまで」必要なのかは、誰にも分かりません。誰にでも起こり得ることなのに、すべての人が、あらゆる事態を予測して、十分に備えることは困難なのです。

こうした「人生のリスク」にすべての人が備えられるよう、公的年金は国が公的制度として運営しています。

公的年金で対応できる人生のリスクって?

公的年金は、大きく「老齢」「障害」「死亡(遺族に対する保障)」というリスクに備えています。

公的年金の種類(基礎年金の場合)

老齢基礎年金 障害基礎年金 遺族基礎年金
65歳から終身給付を受けることができる年金。「年金」というとこの老齢年金を指す場合が多い 加入中、病気やけがなどで一定の障害を負った場合に支給される。また、20歳前の障害にも対応している 年金受給者や被保険者が亡くなったとき、原則18歳以下(※1)の子がいる配偶者(※2)か子が給付を受けられる
※1 18歳になった年度の3月31日まで
※2 夫が遺族基礎年金を受けられるのは、妻の死亡が2014(平成26)年4月1日以降の場合

※より詳しい支給要件、給付水準や厚生年金の内容については、日本年金機構のサイトでご確認ください
日本年金機構(外部サイト)

公的年金の特徴

公的年金は、一般的に老後の生活資金として考えられていますが、老後に備えて個人で貯蓄した場合と比べて、以下のような特徴があります。

1.生涯にわたって受給できる

誰でも、何歳まで生きるか分かりません。老後に備えて貯蓄をしていても、それを使い切ってしまう可能性もあります。逆に、老後への不安から現役時代に過度な貯蓄をしようとすると、若いときの消費が低くなってしまいます。

それに対して公的年金は、終身で(亡くなるまで)受給できる仕組みです。これによって現役時代に過剰な貯蓄を行う必要がなくなりますし、なによりも、長生きして生活資金がなくなるという事態に備えることができるのです。

何歳まで生きる?

老後にどれくらいお金がかかる?

2.物価変動や賃金上昇など、経済の変化に比較的強い

将来、急激なインフレや給与水準の上昇によって、貯蓄の価値がなくなってしまうかもしれません。また、緩やかな上昇であったとしても、次第に貯蓄の価値が低下してしまうことが起こり得ます。公的年金は生活を支えるために、その時々の経済状況に応じた実質的な価値が保障された給付を行っています(「実質的な価値」について詳しくは、マンガで読む公的年金制度 第5話をご覧ください)。

現在の公的年金制度は、経済の変動に比較的強い仕組みなのです。

将来の物価はどうなる?

将来の賃金はどうなる?

3.重度の障害を負った/一家の大黒柱が亡くなったときに対応できる

突然の事故や病気などで障害を負ってしまうかもしれません。また、家計の担い手が小さな子どもと配偶者を残して亡くなってしまう可能性もあります。

こうした事態に備えるため、公的年金は老後に対する備えだけでなく、障害を負った人や遺族への保障も行っています。

予測できないリスク

公的年金のメリットってなに?

公的年金は広義の保険であり、老齢・障害が残るようなけがや病気・死亡などに対してみんなで支えあう仕組みです。公的年金に加入して保険料を納めていくことで、生涯にわたって安心を得ることができます。

公的年金が皆さんに提供するもっとも大きな価値は、金額ではなくこの安心です。そのため、制度を維持し、皆さんがずっと安心して暮らしていけることが、公的年金の最大の意義ともいえます。

このように、経済的な損得ではなく、公的年金のメリットである生涯にわたる安心に、もっと目を向けてもいいのではないでしょうか。

ガイドたとえば、みんな国民健康保険、協会けんぽや組合健保の保険料を払っていると思うニャ。だけど、こうした公的医療保険は、けがをしたり、病気になったりしなければ給付は受けられないニャ。これを損だと思うかニャ?

ガイドいつ病気になるかはわからないし、万一のことを考えると安心できるから、病気にならなかったからといって損だとは思わないよね

ガイドそうニャ。公的年金も同じで、予測できない事態に備えて、『安心』を得られることが一番のメリットなんだニャ。安心というのはお金に換算できないものだニャ。でも、それこそが公的年金の最大の価値といえるから、金額の損得だけに着目すると、本質を見逃してしまう恐れがあるニャ

ガイドもともと、経済的に得をするための制度ではないってことよね

ガイドそうニャ、公的年金に限らず、社会保障制度はどれも社会全体で支えあい、みんなで『安心』を得るためのものだニャ

まとめ

  • 公的年金は、予測することができない人生のリスクに備え、すべての人が安心して暮らせるように国が制度化している
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2019(令和元)年財政検証結果