公的年金の役割
マンガで読む公的年金制度 第2話
公的年金って、なんのためにあるのでしょうか。老後のため? いいえ、それだけではありません。
長い人生では、いろいろと予測できない出来事が起こります。歳をとって働くのが難しくなるだけでなく、思いがけない事故や病気で重い障害を負ってしまった、小さい子どもを残して早く亡くなってしまった……など。
公的年金は、こういった「人生におけるリスク」に対して皆さんが安心して暮らせるように、国が行っている保険制度です。
公的年金の仕組み
マンガで読む公的年金制度 第4話
公的年金には、日本に住んでいる20歳から60歳までのすべての方が加入する「国民年金(基礎年金)」と、会社などで働く人が加入する「厚生年金」があります。
ポイント厚生年金は20歳になる前でも加入します
20歳になる前でも、会社でフルタイムで働いているなど、一定の条件を満たせば、原則として厚生年金に加入します。
また、会社員などは国民年金と厚生年金の両方に加入しますが、自営業者やアルバイト、学生(※)などは、国民年金のみへの加入となります。
※アルバイトや学生でも働き方によっては厚生年金に加入します。
20歳になったら国民年金
皆さんが20歳を迎える誕生日からおおむね2週間以内に、日本年金機構から国民年金に加入したことをお知らせします。
※1厚生年金に加入している方は除きます。また、第3号被保険者に該当する場合は配偶者の勤務先を経由しての届出が必要です。
※2日本年金機構からは次の書類が送られます。
- ・国民年金加入のお知らせ
・基礎年金番号通知書
・学生納付特例申請書
・返信用封筒 - ・国民年金の加入と保険料のご案内(パンフレット)
・国民年金保険料納付書
・国民年金保険料免除・納付猶予申請書
ポイント保険料を納めるには
保険料の納付は、スマートフォンアプリ(クレジット払い、Pay払い)や事前に登録いただく口座振替、クレジットカード納付をご利用ください。なお、納付書を使用した現金納付として金融機関や郵便局、コンビニエンスストア等もご利用いただけます。
詳しくは、日本年金機構のサイトや日本年金機構から郵送される納付書をご確認ください。
保険料を払えないときは
国民年金の保険料は、第1号被保険者であればすべての方が納めなければなりません。しかし、20歳ではまだ大学などに通っていたり、働いていても収入が少なかったりと、保険料を納めることが難しい人もたくさんいると思います。こうした方々のために、国民年金では
・学生の間は保険料の納付を先送りすることができる「学生納付特例制度」
・経済的に苦しい若い人のための「納付猶予制度」
などを用意しています。
どちらも手続きをすれば、国民年金保険料の支払いを先送りすることができます。
制度の利用には所得などの条件がありますので、お近くの年金事務所にご相談ください。
マンガでよむ公的年金制度 第4話 国民年金の納付猶予と免除制度
保険料を納めなかったらどうなる?
上記の制度を使わず、保険料を納めないままにしていると、なにかあったときに公的年金を受け取ることができません。
たとえば、大学にいる間、けがなどで重い障害を負ってしまい、その後、働くことが難しくなったとします。このとき、保険料を納付していたか、納付猶予の手続きをしていれば、障害基礎年金を受け取ることができます。しかし、なんの手続きもせず保険料を納めていないと、障害基礎年金は受け取れず、自分だけでなく支えてくれる家族なども含めてその後の人生に大きく影響してしまうのです。
もしもの事態は、このようにいつやってくるかわかりません。さまざまな事情で保険料の納付が難しい場合でも、ぜひこうした手続きをしておいてください。