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1 定年制等について

(1)定年制の導入状況
   定年制を定めている企業は、91.3%となっている。定年制を定めている企業の
  うち、一律定年制を定めている企業は97.8%となっている (付属統計表第1表)。 

(2)一律定年制における定年年齢の状況
   一律定年制を定めている企業について、その定年年齢をみると、60歳以上とす
  る企業は99.2%で、このうち60歳とする企業が91.6%と大部分で、次いで、65歳
  の5.6%となっている。
   定年年齢を61歳以上とする企業は、一律定年制を定めている企業のうち7.6%、
  これを規模別にみると、5,000人以上規模が1.3%であるのに対して30〜99人規模
  が8.8%、100〜299人規模が5.9%であるなどおおむね規模が小さいほど定年年齢
  が61歳以上である企業の割合が高くなっている。また、産業別にみると、定年年
  齢が61歳以上である企業の割合は不動産業(15.4%)、建設業(11.8%)、サービ
  ス業(10.6%)で高くなっている(第1図付属統計表第2表)。 

(3)定年年齢61歳以上とする企業割合の今後の変化
   現在、定年年齢が61歳以上であるか、今後61歳以上に改定することを決定又は
  予定している企業は12.2%となっている。これを規模別にみると、規模が小さい
  ほど割合は高く、30〜99人規模では14.1%となっている。(付属統計表第3表)。

(4)定年年齢を61歳以上とする理由
   定年年齢を61歳以上とする理由(複数回答)をみると、「経験、能力の活用」
  とする企業が55.7%と最も多く、次いで「社会的要請」34.7%、「年金支給開始
  年齢の引上げに向けての体制作り」32.0%となっている。これを規模別にみると、
  どの規模でも「経験、能力の活用」とする企業が最も多く、特に、5,000人以上
  規模で88.9%と多くなっている。また、「社会的要請」とする企業も、5,000人
  以上規模で77.8%と多くなっている。 
   産業別にみると、ほとんどの産業で「経験・能力の活用」とする企業が最も多
  くなっている(付属統計表第4表)。

(5)定年制を定めていない理由
   定年制を定めていない理由(複数回答)は、「高年齢者でも働ける職場である
  ため」とする企業が43.6%と最も多く、次いで「高年齢者の知識・経験を必要と
  しているため」31.0%、「高年齢者の就業機会を提供するため」25.4%となって
  いる(付属統計表第5表)。

(6)定年制を定めていない企業の退職年齢
   定年制を定めていない企業で、通常退職する年齢としては、「65〜69歳」とす
  る企業が32.3%と最も多く、次いで「61〜64歳」が26.9%となっている
  (付属統計表第6表)。


2 定年後の措置

(1)勤務延長制度及び再雇用制度の実施状況
   一律定年制を定めている企業における勤務延長制度及び再雇用制度の有無につ
  いてみると、少なくともどちらかの制度がある企業は67.0%となっており、勤務
  延長制度のみの企業が13.8%、再雇用制度のみの企業が46.0%、両制度併用の企
  業が7.2%となっている。
   これを規模別にみると、100人以上規模では、規模が小さくなるほど少なくと
  もどちらかの制度がある企業の割合が大きくなっている(第2図付属統計表第
  7表)。

(2)勤務延長制度及び再雇用制度の最高雇用年齢
   勤務延長制度や再雇用制度のある企業において、最高雇用年齢を定めている企
  業は、勤務延長制度のみの企業で36.0%、再雇用制度のみの企業で50.2%、両制
  度併用の企業で32.6%となっており、最高雇用年齢を定めていない企業が半数な
  いしそれ以上を占めている。
   最高雇用年齢を定めている企業における最高雇用年齢は、上記のいずれの場合
  でも65歳とする企業が大多数で、それぞれ74.5%、77.7%、82.2%となっている。
  これに66歳以上とする企業を加えて、最高雇用年齢を65歳以上とする企業割合を
  みると、それぞれ84.5%、87.6%、97.2%となっている。(付属統計表第8表)。

(3)勤務延長制度及び再雇用制度の適用対象者の範囲
   勤務延長制度や再雇用制度のある企業において、適用となる対象者の範囲をみ
  ると、勤務延長制度のある企業、再雇用制度のある企業とも「会社が特に必要と
  認めた者に限る」とする企業が最も多くそれぞれ44.1%、52.1%となっている。
  「原則として希望者全員」とする企業はそれぞれ26.3%、21.1%で、両制度とも
  おおむね規模が小さくなるほど「原則として希望者全員」とする企業の割合が高
  くなっている(第3図付属統計表第9表)。

(4)会社の定める勤務延長制度、再雇用制度の適用基準の内容
   勤務延長制度の適用基準を定めている企業についてその内容(複数回答)をみ
  ると、「健康」とする企業が73.7%と最も多く、次いで「能力」とする企業が
  72.5%、「専門的な資格、技術」が60.3%となっている。
   再雇用制度の適用基準は、「能力」とする企業が79.0%と最も多く、次いで
  「健康」とする企業が76.7%、「専門的な資格、技術」が53.2%となっている
  (付属統計表第10表)。

(5)適用対象者を限定した勤務延長制度、再雇用制度において、希望者に占める適
  用対象者の割合
   適用対象者を限定した勤務延長制度、再雇用制度(「会社の定める適用基準に
  適合する者」又は「会社が特に必要と認めた者」を適用対象者とする勤務延長制
  度、再雇用制度)のある企業において、希望者に占める適用対象者の割合をみる
  と、「30%未満」とする企業がそれぞれ38.6%、38.1%と最も多く、次いで「70
  %以上」とする企業がそれぞれ23.4%、23.6%となっている。
   適用対象者を限定した再雇用制度のある企業において、希望者に占める適用対
  象者の割合が「30%未満」とする企業の割合は、規模が大きくなるほど高くなっ
  ている(付属統計表第11表)。

(6)勤務延長後、再雇用後の雇用条件

 イ 雇用期間
   勤務延長制度、再雇用制度で雇用期間を定めている企業は、それぞれ43.9%、
  65.6%で、再雇用制度では、規模が大きくなるほどその割合が高くなっている。
  雇用期間は両制度ともにほとんどの企業が「1年」としている
  (付属統計表第12表)。

 ロ 勤務形態
   勤務延長後、再雇用後の勤務形態(複数回答)をみると、「定年前と同じ勤務日、
  勤務時間」とする企業がそれぞれ85.5%、86.5%で最も多く、次いで「定年前よ
  り勤務時間又は勤務日数のいずれか短い」でそれぞれ19.2%、21.0%となってい
  る。また、「フレックス勤務」はそれぞれ0.9%、2.8%で、「本人の希望による
  在宅勤務」はそれぞれ 0.5%、0.1%となっている。
   これを規模別にみると、おおむね規模が大きくなるほど「定年前より勤務時間
  又は勤務日数のいずれか短い」とする割合が高くなっており、特に再雇用制度に
  ついては、 5,000人以上規模で79.7%となっている(付属統計表第13表)。

 ハ 処遇の変化
   勤務延長後、再雇用後の役職、資格については、勤務延長後では、「変わらな
  い」とする企業がそれぞれ37.7%、43.9%と多いが、再雇用後では「変わる」と
  する企業がそれぞれ55.6%、 49.1%と多くなっている。また、仕事の内容につ
  いては、勤務延長後、再雇用後とも「変わらない」とする企業がそれぞれ72.4%、
  64.4%と多く、賃金(基準内)については、ともに「下がる」とする企業がそれぞ
  れ50.5%、72.9%と多くなっている(付属統計表第14表)。

 ニ 勤務延長後、再雇用後の賃金の減額率
   勤務延長後、再雇用後の賃金(基準内)の減額率では、「20%以上30%未満」
  が最も多くそれぞれ23.6%、25.0%となっている。また、減額率を「40%以上」
  とする企業を規模別にみると、大規模で割合が高くなっている
  (付属統計表第15表)。

(7)定年退職者に対する再就職あっせん制度について
   定年制を定めている企業のうち、定年退職者に対する再就職あっせん制度があ
  る企業の割合は、2.1%となっており、規模が大きいほどその割合が高く、5,000
  人以上規模では12.3%となっている。
   あっせん先(複数回答)をみると、「関連会社」が1.1%で最も多く、5,000人以
  上の企業では8.2%となっている(付属統計表第16表)。


3 その他の退職管理について

(1)その他の退職管理の諸制度について
   中高年労働者等の進路選択に関連する退職管理等の諸制度 (以下、「その他の
  退職管理諸制度」という。) についてみると、「関連会社等への転籍出向制度」
  がある企業は2.5%、「早期退職優遇制度」は6.8%で、「転職援助あっせん制度
  」は0.7%、「独立開業支援制度」は1.7%となっている。
   これを規模別にみると、それぞれの制度ともおおむね規模が大きくなるほど制
  度がある企業の割合は高くなっており、特に 5,000人以上規模、1,000〜4,999人
  規模では「関連会社等への転籍出向制度」がそれぞれ35.2%、16.6%、「早期退
  職優遇制度」が58.2%、43.0%、「転職援助あっせん制度」が26.4%、7.6%、
  「独立開業支援制度」が17.3%、7.6%となっている(第4図付属統計表第17表)。
   その他の退職管理諸制度それぞれについて適用開始年齢をみると、関連会社等
  への転籍出向制度及び独立開業支援制度では、「年齢条件はない」がそれぞれ
  49.0%、41.5%、早期退職優遇制度及び転職援助あっせん制度では「45歳以上50
  歳未満」がそれぞれ28.8%、31.3%と最も高くなっている。
   これを5,000人以上規模でみると、「転職出向制度」では55歳以上、「早期退
  職優遇制度」では50歳台前半、「転職援助あっせん制度」、「独立開業支援制
  度」では40歳台後半が最も多い(付属統計表第18表)。

 イ 転籍出向制度による出向者数及び早期退職優遇制度の利用者数
   平成11年における関連会社等への転籍出向制度による出向者数をみると、「10
  人未満」とする企業が39.5%と最も多く、次に「なし」が28.0%となっている。
   平成11年における早期退職優遇制度の利用者数をみると、「なし」とする企業
  が40.7%と最も多く、次に「10人未満」が39.1%となっている
  (付属統計表第19表)。

 ロ 転職援助あっせん制度の内容
   転職援助あっせん制度について、その内容(複数回答)をみると、「転職先のあ
  っせん」が37.9%と最も高く、次いで「援助金の支給」が31.4%となっている。
   5,000人以上規模については、「転職のための特別休暇の付与」が 51.2%と最
  も高く、次いで、「転職のための情報提供」45.2%、「援助金の支給」38.1%と
  なっている (付属統計表第20表)。

 ハ 独立開業支援制度の内容
   独立開業支援制度について、その内容(複数回答)をみると、「商品・経営ノウ
  ハウ等の情報提供」が49.1%と最も高く、次いで、「取引先のあっせん・紹介、
  製品購入等の協力」が44.3%、「資金援助」が42.0%となっている。
   5,000人以上規模については、「資金援助」が 63.6%と最も高く、次いで、
  「独立準備のための特別休暇の付与」が 45.5%、「商品・経営ノウハウ等の情
  報提供」が38.2%となっている(付属統計表第21表)。


4 今後の課題について

(1)60歳台前半層に雇用を延長する際の課題について
   60歳台前半層に雇用を延長する際の課題(複数回答)についてみると、 定年
  延長、勤務延長・再雇用ともに「賃金体系を別体系にする」とする企業がそれぞ
  れ36.5%、46.6%と最も多い。次いで、「健康面への配慮」がそれぞれ 28.8%、
  40.4%、「作業能率低下の防止」がそれぞれ23.1%、30.0%、「職務内容、作業
  環境の見直し」がそれぞれ 22.7%、29.8%となっている。また、5,000人以上規
  模では、定年延長の課題として「処遇、ポスト不足等人事管理面での問題」、
  「退職金制度の見直し」を挙げる企業が半数を超えている(第5図付属統計表
  第22表)。

(2)雇用慣行に関する現在の状況について
   雇用慣行に関する現在の状況は、「自社で定年まで大部分雇用しているが、定
  年後は関与していない」が管理職で37.6%、一般職で39.1%、「定年後もかなり
  の人数を継続雇用している」が管理職で24.8%、一般職が27.2%となっている。
   これを規模別にみると、特に 5,000人以上規模では他の規模に比べて「自社で
  は定年までほとんど雇用していないが、子会社・関連会社等で定年年齢後も(ま
  たは定年年齢まで)就労している」とする割合が高くなっている(第6図付属
  統計表第23表)。

(3)雇用慣行に関する今後の状況について
   雇用慣行に関する今後の状況についてみると、管理職、一般職とも「現在と変
  わらない」とする企業が最も多く、それぞれ65.1%、66.9%となっている。「現
  在と変わる」とする企業は管理職で11.4%、一般職で11.1%となっている。「現
  在と変わる」とする企業の内訳をみると、「定年後もかなりの人数を継続雇用す
  ることになる」が管理職で5.1%、一般職で5.0%と多くなっている
   (付属統計表第24表)。


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