ひと、くらし、みらいのために
活かそう、看護の力
厚生労働省看護系技官では、
一緒に働く仲間を募集しています。
看護系技官を希望の方はまずは説明会にご参加ください。
平成22年4月入省
健康局健康課保健指導室
保健指導室室長
臨床現場にいた際には、退院する子どもの地域での生活を支援する機会が多くありましたが、当時は在宅医療の体制が十分ではなく試行錯誤しながら地域のリソースと連携した仕組みづくりを行っていました。その後、10年以上、アフリカや東南アジア等における諸外国の保健政策に携わってきました。具体的には、乳児死亡率を削減するための乳児健診・予防接種の体制整備や、マラリア等の感染症を撲滅する計画の推進、保健医療人材の確保等の政策策定に関与してきました。国内外での経験を通じて、地域での暮らしと健康、特に社会システムと行動変容の関連に関心を持ち、公衆衛生分野の研究を続ける中で、諸外国との比較において日本の医療保健・社会保障の政策に関心を持ったことが契機となり入省に至りました。
入省してまず国際課に配属となり、特に国際協力としてWHO やASEANなどの国際枠組みの中で社会保障の分野を担当し、日本の知見をもとに国際的な基準を示すガイドラインの作成などに関わりました。日本は長寿大国のため高齢化に関する他国の関心も高く、国際的な枠組みを使って日本の知見を発信してきました。その後、社会局の福祉基盤課で外国人の介護人材に関わる新たな制度の構築に取り組みましたが、これは法律改正にも関わる事案してとても有益な経験となりました。また、コロナ対応の前身となる内閣官房の新型インフルエンザ等対策室では、感染初期に海外から戻られていた方々への対応や国民へメッセージを発信する業務を行い、看護教育を担当した際には、現代の看護職に求められているものは何かという視点で、国家試験の在り方などを取りまとめる業務に携わりました。
仕事を進める上で、関わる現場と十分にコミュニケーションをとりながら施策を進めていくことを心がけています。現在は、地域保健施策や自治体保健師活動を所管する室で勤務しています。着任してからは新型コロナウイルス感染症対策の保健所の体制強化や保健師人材確保にも関わっており、地域住民の生命を守るフロントランナーとして尽力する保健師の皆様とも現場をともにすることもあり、心から敬意を表します。危機時には、刻々と変わる状況に応じて施策を打ち出しますが、現場とのギャップが生じていないかなど葛藤しながらの毎日です。危機時における情報は重要で、情報を制する者は危機を制すといわれるほどです。そのためには適切なコミュニケーション、特に交渉力は非常に重要でそのベースには「聴く力」、状況に応じて情報を整理・判断する力が必須になります。
この仕事に興味をお持ちの方は、現在、臨床や教育、行政などさまざまな場面で働かれていると思います。さらに実践的なイメージをつかみたい方は、厚生労働省が開催している部会や検討会など政策の議論を傍聴する機会を活用していただき、事前に自分のスキルの得手不得手を把握しておくことは有用と思われます。
現場で培われた経験は必ずどこかで活かされますし、全てが整わないと仕事が始められないというものでもありません。不安に思うこともあると思いますが、私たち看護系技官も皆で支え合いながら仕事をしています。この仕事に関心のある方は、ぜひご応募いただきたいと思います。