概要情報
事件名 |
東日本旅客鉄道・日本貨物鉄道(神奈川不採用) |
事件番号 |
神奈川地労委昭和62年(不)第22号
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申立人 |
国鉄労働組合 |
申立人 |
国鉄労働組合東京地方本部 |
申立人 |
国鉄労働組合東京地方本部横浜支部 外1支部 |
被申立人 |
日本貨物鉄道 株式会社 |
被申立人 |
東日本旅客鉄道 株式会社 |
命令年月日 |
昭和63年12月16日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
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事件概要 |
国鉄の分割民営化により62年4月1日に発足した会社らが、組合員9名を採用しなかったことが争われた事件で、62年4月1日付けで上記9名を採用したものとして取扱い、本務相当職に就かせること、賃金相当額の支払い、就労問題についての組合との協議、誓約書の手交及び掲示を命じた。 |
命令主文 |
主 文 1 被申立人東日本旅客鉄道株式会社及び同日本貨物鉄道株式会社は別表2記載の組合員の第一希望に応じ、次の措置を含め、同人ら9名を昭和62年4月1日付けで各被申立人の社員として採用したものとして取り扱わなければならない。 (1) 同人らの旧日本国有鉄道において就労していた本務である職務に相当する職務に就かせること。 (2) 昭和62年4月1日以降就労させるまでの間、同人らが受けるはずであった賃金相当額(既に日本国有鉄道精算事業団から支払われた金額を除く)に年5パーセントの割合による金員を加算して同人らに支払うこと。 2 被申立人らは、本件組合員の上記職務就労に伴う諸問題についての協議に、誠意をもって応じなければならない。 3 被申立人東日本旅客鉄道株式会社は、本命令後速やかに、次の誓約書を申立人に対して手交するとともに、縦2メートル、横3メートルの白色木板に鮮明に墨書し、被申立人本社入口及び別表2記載の組合員のうちX5、X6、X7、X8及びX9が勤務すべき各職場の見やすい場所に、き損することなく、10日間掲示しなければならない。 誓 約 書 昭和62年4月1日に実施された日本国有鉄道の分割民営化に伴う承継法人の職員の採用に関し、当社が貴組合員であるX5、X6、X7、X8及びX9を採用しなかったことは、組合活動を理由とするものであり、神奈川県地方労働委員会が今般認定しましたとおり、労働組合法第7条第1号及び第3号に該当する不当労働行為でありました。よって、当社は、その責任を認め、原職相当職への就労など命令主文の措置をとることを誓約します。 昭和 年 月 日 国鉄労働組合 執行委員長 X1 殿 国鉄労働組合東京地方本部 執行委員長 X2 殿 国鉄労働組合東京地方本部横浜支部 執行委員長 X3 殿 国鉄労働組合東京地方本部国府津支部 執行委員長 X4 殿 東日本旅客鉄道株式会社 代表取締役 Y1 4 被申立人日本貨物鉄道株式会社は、本命令後速やかに、次の誓約書を申立人に対して手交するとともに、縦2メートル、横3メートルの白色木板に鮮明に墨書し、被申立人本社入口及び別表2記載の組合員のうちX10、X11、X12及びX13が勤務すべき各職場の見やすい場所に、き損することなく、10日間掲示しなければならない。 誓 約 書 昭和62年4月1日に実施された日本国有鉄道の分割民営化に伴う承継法人の職員の採用に関し、当社が貴組合員であるX10、X11、X12及びX13を採用しなかったことは、組合活動を理由とするものであり、神奈川県地方労働委員会が今般認定しましたとおり、労働組合法第7条第1号及び第3号に該当する不当労働行為でありました。よって、当社は、その責任を認め、原職相当職への就労など命令主文の措置をとることを誓約します。 昭和 年 月 日 国鉄労働組合 執行委員長 X1 殿 国鉄労働組合東京地方本部 執行委員長 X2 殿 国鉄労働組合東京地方本部横浜支部 執行委員長 X3 殿 日本貨物鉄道株式会社 代表取締役 Y2 |
判定の要旨 |
1500 不採用
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
被申立人各社が本件対象者らを採用しなかったことは、採用手続に藉口して新会社への採用から、国労組合員であること及び活発な組合活動をしたことを嫌悪してなした不当労働行為であるとされた例。
3900 「不利益の範囲」
新会社への本件不採用は実質的には解雇に匹敵するほどの不利益取扱いであるとされた例。
4403 解雇後の事情と原職復帰
4410 雇入拒否の場合
本件不採用の救済として、被申立人に対して、採用したものとしての取扱い及び旧国鉄時代における職務(本務)に相当する職務への就労等を命じた例。
4417 条件付命令・協議命令
本件不採用の原状回復措置としての職務に就労した場合の清算事業団職員としての身分との調整、その他勤務条件等の諸問題について、労使間の協議によって決するのが適切であるとされた例。
4911 解散事業における使用者
国鉄が行った新会社の職員となるべき者の選定行為に関し不当労働行為が存在した場合には当該承継法人としての新会社においてその責めを負うべきものとされた例。
5006 採用の請求
新会社発足に当たっての社員の採用は、対象者を広く募集をし、適格者を選抜し新規採用するものとはその性質を全く異にするので、労委が採用取扱いを命ずることは、採用自由の法理にもとるとはいえないとされた例。
5121 挙証・採証
被申立人らは、不採用自体について、主張、立証を行わなかった例。
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業種・規模 |
鉄道業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集84集546頁 |
評釈等情報 |
 
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