沖縄愛楽園将来構想
沖縄愛楽園入所者にとって充分な療養および良好な生活環境を確保するとともに、施設の地域への開放、入所者と地域住民との交流のあり方など、沖縄愛楽園の将来のあり方について、名護市の「沖縄愛楽園将来構想策定部会」において、平成21年3月に策定しました。
概要
将来ビジョン
愛楽園の将来を描くにあたって、第一義的に考えるべきは、園の歴史を風化させず、ハンセン病の患者であった者等の受けた被害の回復に努めるとともに、愛楽園入所者に対し、安心して豊かな生活を営むことができる環境を提供し続けること。
他方、入所者数が減少していくなかで、将来に向けては、入所者と地域住民との相互理解を深め、同じ屋我地地域に暮らす住民として将来を共有しながら、人々を癒し、そしてふれあい、学び、交流する場、ひいては地域振興にも資する施設として地域にあり続けることが重要。
こうした考えのもと、愛楽園将来構想の理念と基本目標は以下のとおり。
理念
時とともに地域にとけこみ、人々が癒され、ふれあう施設としてあり続ける。
基本目標
基本目標1 入所者等が安心して豊かに暮らし続けることができる環境を維持・向上する
今後とも愛楽園入所者に適切な医療・介護サービスを提供できる体制を維持・確保するとともに、ハンセン病に関する普及・啓発活動等を通した理解向上を図り、園入所者等が生涯にわたり安心して豊かに暮らし続けることができる環境を維持・向上する
基本目標2 地域開放の推進と、開放を通した交流を充実する
医療施設をはじめとした愛楽園施設・機能の地域開放を推進することにより、地域住民等の医療・福祉環境等の向上を図るとともに、それらを通した地域住民等との交流の充実、相互理解の向上を図る。
基本目標3 地域振興等にも資する施設利用・施設整備を図る
愛楽園の有する医療・介護機能、また、優れた環境・景観等の資源を活かしつつ、地域・市民ニーズ、ひいては国民・県民ニーズに対応するとともに、地域雇用の視点まで含めた、地域振興等に結びつく新たな施設の整備を図る。
基本方針
将来ビジョン(理念、基本目標)の実現に向けて、基本方針は大きく以下の4点
基本方針(1)医療・介護サービス水準の維持と医療施設の地域開放
- 入所者への医療・介護サービス提供体制の維持
- 外来診療の利用促進・拡充
- 入院制度の実現
基本方針(2)ハンセン病への理解向上・交流の充実
- ハンセン病に関する正しい知識等の普及・啓発活動の充実
- 園行事、入所者の活動等を通した交流の拡充
- 退所者への各種情報提供、相談体制の構築
- 人権教育・研修の場としての既存施設・機能の活用
- ハンセン病への理解向上・交流促進に資する新たな施設の整備
基本方針(3)愛楽園機能を活かし、地域振興等にも資する新たな施設整備
- 高齢者・障がい者施設の整備
- 入所者等の生きがいづくり等に資する新たな施設整備
基本方針(4)市レベルの振興にも結びつく新たな施設の整備検討
- 長期滞在型健康保養施設の整備検討
土地利用構想
基本方針を受けて、中長期的な土地利用としては、園内を5つのゾーンに区分し、施設・機能等の整備を図る。
愛楽園機能ゾーン
入所者の減少にあわせ、現愛楽園機能をスコアブランド公園以東に集約
憩い・交流ゾーン
既存施設等も活用しながら、入所者や福祉施設等利用者、地域住民などの憩いの場、また、それぞれの交流を促進する場
福祉施設整備ゾーン
既存施設の活用も視野に入れながら、高齢者・障がい者施設を整備
保養施設等整備検討ゾーン
自然海岸や運動施設、市民農園等の活用も考慮し、西側の未利用地を長期滞在型健康保養施設の整備を検討
自然緑地保全ゾーン
園南西側の緑地については、園内の快適で潤いのある環境を維持・確保
土地利用構想図
※平成31年3月、土地等利活用基本計画を策定し、愛楽園の土地利用を見直しました。