ひと、くらし、みらいのために
活かそう、看護の力
厚生労働省看護系技官では、
一緒に働く仲間を募集しています。
看護系技官を希望の方はまずは説明会にご参加ください。
令和3年4月入省
福岡県保健医療介護部がん感染症疾病対策課 感染症対策係
技術主査
看護師として長く病院で勤務し、その間に大学院で公衆衛生を学びました。看護系技官という仕事を知ったのは大学院を卒業する頃でした。
大学3年時の疾病に関する授業受講中に「病気になると大変だな、予防できることがあるならそれをした方がいいな。」と思いました。同時に3年も勉強して予防の大切さを実感したけれど、日頃から医療に関わることのない人たちが、なにかのきっかけがない状態で、どのようにそれを実感できるのだろうとも思いました。まだ起きていないことに対して行動するというのは難しいことです。疾病予防等の行動を取りやすい環境づくりの手法について、病院で働きながらも興味を持ち続けていたので、大学院で公衆衛生を学ぶことにしました。その学びをどこで表現できるのか考えていたころ、自治体の保健師さんから看護系技官という仕事があることを教えてもらいました。国で働くということは、環境づくりの土台部分から関わることになります。責任が大きいですが、その部分に関わってみたいと思い応募しました。
はじめの2年間は国民健康保険課で、国民健康保険に加入している方たちを主な対象とした保健事業に携わりました。私がメインで関わったのは、糖尿病性腎症重症化予防事業で、その事業の効果を検証する大規模実証事業を担当していました。研究者の先生方、自治体の保健師さんや事務職の方など多くの人と関わり、行政の仕事の仕方から保健事業の効果検証の難しさ、効果検証を可能とする保健事業設計の大切さなど多くを学び、とても印象に残っている事業です。国民健康保険課で自治体の方たちと関わり、実際の現場を知りたいと思い、福岡県で働く機会をいただきました。1年目は保健所で精神保健の業務をしました。精神疾患や障がいを抱える方やその家族を訪問したり、電話相談を受けたり、自傷他害の恐れのある具合の悪い方へ夜中に対応したり、精神科病院の審査をしたりしました。また、主担当事業である精神障がい者にも対応した地域包括ケアシステム(「にも包括」)構築では、保健所の管轄市の社会福祉課、健康増進課の方たちと協議をしながら管内の「にも包括」構築を進めていきました。現在は県庁で感染症に関する業務をしています。
行政で働くようになってまだ日が浅いですが、日々感じることは伝えることの大切さです。政策を実施してもらうためにはわかりやすく要点を押さえた、できるだけ簡潔な説明が必要です。国の通知や手引きは、時として何度も読まないと理解できなかったり、量が多かったりと、読んで理解するまでに時間を要することがあります。そのため、口頭での説明も実施していくのですが、このときに聞き手にとって理解しやすくなる工夫が必要です。この理解しやすくなる工夫は、看護系技官に求められるスキルのひとつだと思います。医療の知識、現場の看護職の動き、患者さんや住民さんの生活、これまでに関わった行政での政策がわかるからこそ、具体的で理解しやすい、いろいろな表現での説明が可能になリます。看護系技官はある程度現場を経験してから採用されます。入省までの現場経験、入省後の仕事経験を十分に活用できることは大事なスキルだと思っています。
9:00
12:30
13:30
18:00
看護系技官の仕事内容は、保健師を経験された方であれば想像しやすいとは思いますが、病院勤務だけでは想像しづらく、挑戦するハードルが高いのではないかと思います。実際は、看護系技官の方は病院勤務経験しかない方も少なくないですし、直接的に経験を活かす実感は得にくいかもしれませんが、疾患や治療に対する知識、患者さんのたどる経過を知っていること、さまざまなステージや社会的背景を持つ患者さんと関わった経験等、今まで積み重ねてきたことがどこかでつながります。行政で勤務された方であればこれまでの経験が直接生かされることが多いと思いますし、現場の動きや課題を知っていることも大きな強みになります。看護系技官の仕事に少しでも興味を持ってくださったのであれば、その気持ちを大切に、説明会の機会なども活用してもらい挑戦していただきたいなと思います。