世界で活躍する薬系技官
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- 世界で活躍する薬系技官
能力を活かし、薬系技官として海外で活躍するステージもあります。
日本を飛び出して、グローバルな視点から日本を見つめなおす、
世界の未来を考えるなど他ではできない仕事も多くあります。
海外勤務
日本で経験を培い、
WHOで薬事規制協力に取り組む

- 現在の主な業務
- 厚生労働省からの出向で、スイスのジュネーブにあるWHOに赴任し、世界の公衆衛生の向上のための業務に取り組んでいます。医薬品安全性監視(Pharmacovigilance)チームにおいて、副作用情報の世界的な収集・分析・発信システムの運営、加盟国の規制システムの強化・連携促進のための技術的支援に携わっています。ときにはWHOのチームでアジアやアフリカの国に出張して、現地の規制当局が運営する規制システムへの評価や助言を実施しています(写真はジンバブエ訪問より)。
- 海外での生活や仕事の1日の流れ
- スイスで生活するのは物価が高いことや、日本に頻繁には帰国できないなどハードルもありますが、生活環境は整っています。ヨーロッパ水準の労働環境のおかげで仕事を切り上げる時間が全体的に早く、業務後の時間を持つことができます。また、休暇には歴史的な街並みや豊かな自然を見に行くことができます。
- 海外勤務でのやりがいなど
- WHOに派遣される以前にも、ICH(医薬品規制調和国際会議)やインドとの協力など、国際的な薬事規制の協調に関する業務をいくつか担当しました。そのときの経験を元にWHOにも貢献できたことや、長年議論が継続している案件に別の立場から取り組んだこと、当時の知人にまた会う機会があったことから、厚生労働省での業務とWHOでの業務に連続性を感じました。
私は入省時には自分が国際機関で働くことは想像していませんでしたが、厚生労働省での業務や海外留学に派遣された経験を通じて、このポストの機会を得ました。医薬品の開発や規制、流通を国際的な観点から捉えることに関心のある方が薬系技官に来ていただけることを歓迎します。
海外勤務の苦労話や
思い出に残っているできごとなど
あるアフリカの国から薬剤投与後の重篤な有害事象が報告され、緊急に評価するための委員会の開催準備や現地事務所とのやり取りを行いました。同じ製品が複数の国で使用されているため、もし予期せぬ副作用や品質に問題があった際には他国に迅速に伝達する必要があります。この件では結果的に薬剤投与に起因する事象である蓋然性は低いと分かりましたが、安全性に関する情報の収集から分析、周知までのプロセスはいつでも速やかに作動する用意がいることを実感しました。米国の脱退意向で揺れるWHOですが、過去のサリドマイド禍を受けて開始された、このような基幹的な役割は変わらず意義を持ち続けると思います。
「重力」の壁を超えろ!
海外勤務で磨くキャリアと自分らしさ

- 現在の主な業務
- オーストリア・ウィーンで外交官として勤務しています。一般に外交官といえば、二国間関係を扱う大使館を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、代表部では多国間の国際機関が主な業務の場となります。私は、国連薬物・犯罪事務所(UNODC)の違法薬物に関する業務を担当しており、各国と連携しながら国際的な課題に取り組んでいます。
- 海外での生活や仕事の1日の流れ
- 主な業務は、①大小さまざまな国際会議への参加、②UNODCが実施するプロジェクト(例:違法薬物に関する捜査機関や税関の能力向上など)への財政支援、③関係機関からの情報収集などです。違法薬物は世界共通の課題ですが、各国の違法薬物乱用状況、その対策は国によって様々である点が興味深いです。例えば、欧米諸国は厳格な取締りよりも、治療や有害影響の低減に力を入れています。
オーストリアはヨーロッパの中央に位置しており、多くの国を旅行する機会に恵まれています。特に、東ヨーロッパの国々の歴史に関心を持っています。また後述しますが、ウィーンは音楽も有名です。 - 海外勤務でのやりがいなど
- 10代の頃、ドラゴンボールという漫画が好きでした。特に、重力装置で修行しパワーアップするシーンが印象に残っています。海外勤務は、英語でのコミュニケーション、日本とは異なる文化や多様な意見の中での業務遂行など、日本とは異なる「重力下」での挑戦のように感じます。当初は会議や打ち合わせで意図が伝わらず、落ち込むこともありましたが、その「重力」のおかげで少しずつ自信を持ち、柔軟な仕事の進め方を身につけることができました。こうした挑戦を通じて得た成長は、公私ともに日本でも活かせると感じており、私の人生をより豊かなものにしてくれています。
海外勤務の苦労話や
思い出に残っているできごとなど
仕事面では、イランやパキスタンへの出張で関係者と意見交換を行い、有意義な時間を過ごしました(なかなか行く機会のない国なので。)。
プライベートでは、音楽の都ウィーンらしく、縁のなかったクラシック音楽に触れるようにしています。2024年はベートーベンの第九初演から200周年を迎え、歴史ある音楽文化を肌で感じました。また、ウィーン名物の舞踏会にも挑戦中です。仲間とダンスレッスンを受け、本番を心待ちにしています。
プライベートでは、音楽の都ウィーンらしく、縁のなかったクラシック音楽に触れるようにしています。2024年はベートーベンの第九初演から200周年を迎え、歴史ある音楽文化を肌で感じました。また、ウィーン名物の舞踏会にも挑戦中です。仲間とダンスレッスンを受け、本番を心待ちにしています。
海外留学
国際的な見識を高め、移りゆく世界情勢に対応できる能力を身に着けるため、人事院のプログラムで海外の大学院(修士課程又は博士課程)に長期(2年間)・短期(半年~1年間)留学できる制度があります。入省後の業務の状況や語学力を踏まえた選考がありますが、留学先や専攻分野は自ら選ぶことができます。薬系技官の場合、直近では、公衆衛生学修士(MPH)などの学位を取得するべく、米国やスウェーデン等へ留学しています。
医療費高騰や高齢化社会など、日本のみならず世界各国で共通して抱えている課題も多くあります。世界中の様々なバックグラウンドを持つ学生や研究者との交流を通じて、新たな知見・能力を培い、日本の抱える諸問題の解決に向けて取り組むことができるのも国家公務員の魅力です。
