概要情報
事件名 |
商大自動車教習所 |
事件番号 |
中労委昭和47年(不再)第30号
中労委昭和47年(不再)第31号
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再審査申立人 |
総評全国一般労組全自動車教習所労働組合 |
再審査申立人 |
株式会社 商大自動車教習所 |
再審査被申立人 |
株式会社 商大自動車教習所 |
再審査被申立人 |
総評全国一般労組全自動車教習所労働組合 |
命令年月日 |
昭和49年 7月17日 |
命令区分 |
一部変更(初審命令を一部取消し) |
重要度 |
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事件概要 |
①会社が時間内組合活動に対する賃金カットの取扱いを変更したこと、②一方的に二部制の勤務体制を実施したこと、および③組合が二部制に反対していることを理由として組合員の時間外就労を拒否したことをめぐる事件で、①、②の点については申立を棄却した初審命令を支持し、③については初審救済命令中時間外手当相当額支払いの部分につきその算定方法を修正した。 |
命令主文 |
1 初審命令主文第1項(2)、第2項(2)を次のとおり変更する。 1(2)昭和45年6月16日以降検定業務に従事させる日まで、両名の過去の検定の業務を勘案して計算した検定手当相当額を支払うこと。 2(2)昭和45年6月16日以降時間外勤務に従事させる日まで、分会員の過去の時間外勤務の業務を勘案して計算した時間外勤務手当相当額を支払うこと。 2 その余の本件各再審査申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
1302 就業上の差別
2901 組合無視
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
社長と組合委員長との会談の結果、分会員の処遇については、暫定的とは言え二部制の遅出組に入れることで合意しているのであり、二部制を前提としなければ分会とは36協定の締結に応じられないとして、分会員に時間外勤務および時間外に行なわれる検定業務をさせない会社の態度には、合理的理由を認め難く、このような会社の措置は不当労働行為である。
1201 支払い遅延・給付差別
分会員と労組員との間に、時間外勤務手当額の算出に差があっても、それは適用される賃金体系の差によるものであり、分会員が分会員以上の従業員より特に不利に扱われているという事実は認められないから、これを不当労働行為ということはできない。
2800 各種便宜供与の廃止・拒否
2901 組合無視
時間内組合活動に対する賃金カットの取扱いの変更に際しての会社の態度に非難を免れない点があったとしても、変更した取扱基準の内容自体が妥当なものと認められ、別組合についての取扱いも同じであるから、これをもって不当労働行為とすることはできない。
3103 労働協約締結をめぐる行為
分会は、暫定的に二部制の遅出勤務に従事することで会社と合意した経緯などからみて、会社が分会と充分な協議をつくさず二部制を実施したことについての批判はあるとしても、そのことは協定違反であるという非難をこえて不当労働行為であるとまでは言えない。
4407 バックペイの支払い方法
会社が分会との36協定締結を拒否し、時間外勤務および検定業務をさせなかったことは不当労働行為であるとした初審判断は相当であるが、本件では初審命令主文の救済内容を主文のように具体化するのが相当と認める。
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業種・規模 |
教育(自動車教習所を含む) |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集54集699頁 |
評釈等情報 |
中央労働時報 昭和49年10月10日 563号 17頁 
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