労働委員会関係裁判例データベース

[判例一覧に戻る]  [顛末情報]
概要情報
事件名  明輝製作所 
事件番号  東京高裁昭和60年(行コ)第33号 
控訴人  株式会社明輝製作所 
被控訴人  中央労働委員会 
被控訴人参加人  総評全国一般労働組合神奈川地方本部 
判決年月日  昭和61年12月11日 
判決区分  控訴の棄却 
重要度   
事件概要  本件は、会社が、申立人組合の分会が公然化した直後から、同組合を中傷・誹謗したり、非組合員の範囲に関する一方的見解を個々の従業員に押しつけたりしたこと等が不当労働行為であるとして申立てがあった事件で、初審神奈川地労委は、脱退工作の禁止及びポスト・ノーティスを命じ、損害金の請求を棄却し、中労委もこの一部救済命令を支持して労使の各再審査申立てを棄却したところ、会社は、これを不服として行政訴訟を提起した。東京地裁は、横浜分会あてのポスト・ノーティスを命じた部分について、すでに同分会は消滅しているとして、その部分に限って取り消し、その余の請求を棄却したため、会社は、さらに東京高裁に控訴していたが、同高裁は、会社の控訴を棄却した。 
判決主文  1本件控訴を棄却する。
2控訴費用は控訴人の負担とする。 
判決の要旨  6355 その他
掲示を命じられた誓約書中に表示されている分会長は既に分会を脱退しているので命令を取り消すべきであるとの会社主張につき、分会の表示に誤りがない限り分会長の表示に誤りがあっても命令の効力に何らの影響はないとした原判決は相当である。

1601 福利厚生上の差別
2501 親睦団体の利用
2625 非組合員化の言動
親睦会主催の3工場合同サッカー大会の開催に際し、未だ組合が組織されていないT工場の職制らが、会社の意を体して同工場の従業員を参加させなかったことは、他工場の従業員と接触することにより組合の組織化を働きかけることを避けようとした支配介入であるとした原判決は相当である。

2610 職制上の地位にある者の言動
2621 個別的示唆・説得・非難等
Y1部長のX1分会長の母親に対する電話での発言は、分会及びその上部団体に対する誹謗、中傷を通じて組合からの脱退を慫慂した支配介入であるとした原判決は相当である。

2610 職制上の地位にある者の言動
2621 個別的示唆・説得・非難等
3410 職制上の地位にある者の言動
工場長ら管理職のグループ長に対する発言は、その発言内容が取引先の担当者の発言をそのまま伝えたものであるとしても、会社の意を体して分会からの脱退を暗に求めた支配介入であるとした原判決は相当である。

2610 職制上の地位にある者の言動
2621 個別的示唆・説得・非難等
3410 職制上の地位にある者の言動
Y2及びY3の両係長が分会員の脱退届をまとめて分会あて郵送したことなどの言動は、会社の意を体した支配介入であるとした原判決は相当である。

業種・規模  一般機械器具製造業 
掲載文献  労働委員会関係裁判例集21集491頁 
評釈等情報  労働関係民事裁判例集 37巻6号 580頁 

[先頭に戻る]

顛末情報
行訴番号/事件番号 判決区分/命令区分 判決年月日/命令年月日
神奈川地労委昭和51年(不)第28号-1 全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない)  昭和52年 1月21日 決定 
中労委昭和52年(不再)第9号 再審査棄却(初審命令をそのまま維持)  昭和52年10月19日 決定 
神奈川地労委昭和51年(不)第28号-2 一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む)  昭和54年 2月15日 決定 
東京地裁昭和52年(行ウ)第353号 請求の棄却  昭和55年 4月11日 判決 
東京高裁昭和55年(行コ)第36号 控訴の却下  昭和56年 5月27日 判決 
中労委昭和54年(不再)第14号/他 再審査棄却(初審命令をそのまま維持)  昭和56年 7月 1日 決定 
中労委昭和54年(不再)第13号/他 再審査棄却(初審命令をそのまま維持)  昭和56年 7月 1日 決定 
東京地裁昭和56年(行ウ)第98号 救済命令の一部取消し  昭和60年 5月 9日 判決 
最高裁昭和56年(行ツ)第162号 控訴審への差戻し  昭和60年 7月19日 判決 
東京高裁昭和60年(行コ)第62号 控訴の棄却  昭和61年 9月29日 判決 
東京高裁昭和61年(行サ)第110号 上告の却下  昭和62年 3月12日 判決