概要情報
事件名 |
エッソ石油外2社等 |
事件番号 |
東京地裁平成 1年(行ウ)第123号
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原告 |
X1 |
原告 |
スタンダード・ヴァキューム石油自主労働組合エッソ大阪支部 |
被告 |
中央労働委員会 |
被告参加人 |
エッソ石油 株式会社 |
判決年月日 |
平成 5年 4月15日 |
判決区分 |
救済申立棄却命令の一部取消し |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、会社が(1)組合役員であるX1を昇格等について不利益に取り扱ったこと、(2)同人を業務命令拒否を理由として出勤停止及び懲戒解雇に付したこと、(3)同人の解雇に伴い住宅ローンの償還を困難にし、会社らが、その所有権を失わせたこと等が不当労働行為であるとして申立てのあった事件で、初審大阪地労委は、会社に、(1)52年4月1日付けでX1をセールスマンIの職能等級に昇格させたものとして取り扱うこと、(2)出勤停止及び懲戒解雇がなかったものとして取り扱うこと、(3)これに伴うバックペイ、及び(4)X1の住宅所有権を失わせたことについての文書掲示等を命じたが、中労委は、初審命令の救済部分を取り消し、組合の救済申立てを棄却又は却下したところ、組合外1名は、行政訴訟を提起したが、東京地裁は、組合の請求のうち、中労委が申立期間が徒過しているとして組合の救済申立てを却下した部分(X1の51年度の昇格についての救済申立て)を取り消したほかは、請求を棄却した。 |
判決主文 |
1 被告が、昭和57年(不再)第33号、同第34号各不当労働行為再審査申立事件について平成元年2 月15日付けでした命令のうち、原告スタンダード・ヴァキューム石油自主労働組合エッソ大阪支部の原告X1の昭和51年の昇格についての救済申立てを却下した部分を取り消す。 2 原告らのその余の請求をいずれも棄却する。 3 訴訟費用は、補助参加により生じたものを含め、これを六分し、その一を被告及び被告補助参加人の、その余を原告らの各負担とする。 |
判決の要旨 |
5200 除斥期間
5201 継続する行為
6341 事実認定の誤り
昇格に基づく賃金の支払いが翌年3月まで継続しているなかでは、組合活動を理由とする昇格差別と、翌年3月までの賃金支払とは一体として一個の不当労働行為を構成するとみるのが相当であって、昭和53年2月25日になされた同51年4月以降の賃金差別是正を求める救済申立てを却下した労委命令は違法であるとされた例。
1200 降格・不昇格
全体として、申立組合員に対する不当差別の傾向はなく、また、X1の勤務状況、違法な組合活動による減給処分等を考慮すると、会社が同人を昭和52年に昇格させなかったことは不当労働行為に当たらないとされた例。
1400 制裁処分
機構改革の目的、内容などからみて、会社のX1に対する業務命令は不当でなく、当該業務命令違反を理由とする懲戒処分、その後の出勤停止、懲戒解雇も過重な処分とはいえないとして、いずれも不当労働行為に該当しないとされた例。
4916 企業に影響力を持つ者
訴外会社及び訴外銀行は、X1との間に金融上の契約関係が存するのみであり、同人らと何ら労使関係を有しないから、労組法7条の使用者に該当しないとされた例。
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業種・規模 |
石油製品・石炭製品製造業 |
掲載文献 |
労働委員会関係裁判例集28集177頁 |
評釈等情報 |
判例時報 1460号 143 頁 
労働判例 631 号 28頁 
労経連 1498号 3 頁 
中央労働時報 859 号 54頁 
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