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競争的研究資金制度の評価


平成15年7月23日

総合科学技術会議




競争的研究資金制度の評価 【概要】

評価目的
競争的研究資金の倍増を目指す(科学技術基本計画)中で、
個別制度の成果等の検討を通じて、有効性や問題点等を明らかにし、
国民に向けて説明するとともに、結果を政府予算案編成等に反映。

評価対象
各府省の代表的な競争的研究資金制度
(6省7制度)
評価方法
◎配分機関(府省・法人)で行われた評価を検討
◎評価項目は (1)課題採択・資金配分(適切か)
 (2)研究成果及びその他の効果(十分か)

評価結論
1.課題採択・資金配分は各制度とも概ね適切
2.有効な成果・効果が得られていることを概ね確認
3.競争的研究資金は、優れた発想を汲み上げ成果を得るという極めて大きな意義
4.共通及び個別制度の問題点については府省の対応を求める
5.資金全体の拡充に向けた取組と、戦略的・効率的な運用が必要


要検討事項・改善点
《共通事項》


1. 制度目的に即した資金配分
的確な評価者(研究者)の選定が必要
制度によっては適切な行政の関与が必要

2. 効率的な資金配分単位
資金配分の徒な細分化を防止すべき
過度な重複受領や大規模グループを避けるべき

3. 機動性・世界水準の確保
先見性のある分野設定、機敏な計画見直しが必要
世界水準に照らした評価が重要
内外動向の調査・分析機能を整備すべき
4. 他の制度との戦略的連携
競争的研究資金は最も効果を発揮する場面で積極的に活用
プロジェクト研究等との役割分担と連携を進めるべき

5. 成果の説明・社会還元
事後・追跡評価で成果を把握、制度改善にも活用すべき
国民への解り易い説明、制度目的に応じた社会還元が重要

6. 資金量
全般に資金量が不足(配分単位が小さい、採択率が低い、間接経費が不足)
基本計画に則り、資金量の拡充に向けた取組みが必要


要検討事項・改善点
《個別制度》


A. 科学研究費補助金 (文部科学省 1,765億円)
新しい研究分野等にも積極的な対応が必要
申請が多いため、提案内容重視の審査の実現策を検討すべき
調査分析機能を高め、成果をわかりやすく説明すべき
制度改革を実施しつつ、投入資源の拡充が必要

B. 戦略的創造研究推進事業 (文部科学省 447億円)
対象領域の選定を透明化すべき
トップダウンの手法は有効、成果や社会還元の追跡調査が必要
拡充すべき領域を具体的に調査分析の上、制度の充実を図るべき

C. 厚生労働科学研究費補助金 (厚生労働省 380億円)
政策指向の研究開発は、科学技術指向と区別した運営が必要
科学技術指向の研究に戦略的配分を行う独立機関創設が望ましい
生命科学へのニーズ増大により、本制度の役割はますます増加

D. 産業技術研究助成事業 (経済産業省 53億円)
産業技術向け競争的研究資金の割合が低く、拡充の検討が必要
本制度も含めて、特許権等の取得・活用への支援を検討すべき
新しい制度であり、今後の成果を期待
E. 新技術・新分野創出のための基礎研究推進事業
(農林水産省 40億円)
産業的視点を持つ評価者等、制度目的に即した「目利き」が必要
より幅広い研究者を対象とした小型研究資金も検討の価値あり
最近の予算縮小を上回る拡充が望まれる

F. 地球環境研究総合推進費 (環境省 30億円)
我が国の地球環境研究全体の調整という機能の向上を図るべき
政策支援的研究の成果が研究者業績として認知されることが重要
政策ニーズの増大と多様化に対応した予算規模の拡充が望まれる

G. 戦略的情報通信研究開発推進制度 (総務省 22億円)
本制度を拡充する中で、国としての戦略的対応が必要
実用化という最終目的を踏まえた追跡評価が重要
新しい制度であり、今後の成果を期待


(数字は平成15年度予算額)



−目次−

I.
評価目的・対象・方法
 1.評価目的
 2.評価対象
 3.評価方法
   1)評価項目・基準
   2)評価時期及び体制
II.評価結果
 《総合評価》
 《個別評価》
 A. 科学研究費補助金
 B. 戦略的創造研究推進事業
 C. 厚生労働科学研究費補助金
 D. 産業技術研究助成事業
 E. 新技術・新分野創出のための基礎研究推進事業
 F. 地球環境研究総合推進費
 G. 戦略的情報通信研究開発推進制度
III.代表的な成果の具体例
IV.参考資料
 《審議経過》
 《評価専門調査会名簿》
 《追加質問項目》
 《論点案》
 《評価コメント・主要意見》
 科学技術関係経費に占める競争的研究資金の割合
 総合科学技術会議が実施する 競争的研究資金制度の評価について
 競争的研究資金制度の評価の進め方について


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