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政策統括官付政策統括室 政策企画官
(以下、Aさん)
(2026年執筆当時)平成16年入省。
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年金局年金課 企画官
(以下、Bさん)
(2026年執筆当時)平成17年入省。
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保険局総務課 医療保険制度改革推進官
(以下、Cさん)
(2026年執筆当時)平成18年入省。
全世代型社会保障とは
そもそも全世代型社会保障とは何ですか?
全世代型社会保障とは、誰もが安心して暮らせる社会を支える仕組みです。
従来の社会保障は、現役世代が高齢世代を支える構造が中心でしたが、近年、核家族化や非正規雇用が増え、高齢化も想定以上に進んでいる中で、どのように社会保障制度を持続可能なものに再構築していくのかということで提唱されたものであり、いまだ道半ばです。
この考えが出てきたのは、2010年代に議論が進められた社会保障と税の一体改革からです。当時、消費税の引上げだけでなく、社会保障施策全体についても改革が行われました。具体的には、高齢者を中心とした給付に加え、例えば、少子化や貧困といった現役世代が抱える課題に対する支援を強化し、全ての人がより受益を実感できる「全世代対応型」の社会保障制度を構築することを目指していました。
この考え方は、常に変わらない理念であると思いますが、その内容や施策は、進化し、発展し続けていると思います。
全世代型社会保障を実現する上で、社会保険料などの負担の在り方を見直していくことも論点としてあると思いますが、それについてはどうですか。
大事な視点だと思います。例えば、65歳以上の方の体力テストに関するデータを見ると、20年ほど前に比べて点数が高いなど、「若返り」が見られる、と言われています。
一括りに「65歳以上」=「高齢者」=「支えられる側」と考えるのではなく、まだまだ活躍したいと考えている方の希望をかなえる社会にするとともに、そうした方々には「支え手の側」に回っていただくことも必要ではないでしようか。
医療について、傾向としては高齢になるにつれて受診回数が多くなりますが、個人により状況の違いは大きいです。また、高齢者の方ばかりが医療保険を利用しているという印象を持たれている方もいるかもしれませんが、現役世代でも高額の医療が必要な方がいます。
医療保険制度は、年齢に関わらずあらゆる方の病気等のリスクに備え、もしものときには利用できるようにすることを目指して設計されてきました。全世代型社会保障という概念が今のように提唱される前から、全世代の健康へのリスクをカバーするものになっていたと思います。
一方で、標準的な出産費用の無償化や現役世代の保険料負担といったことが、重要な論点としてより注目されるようになっている一因になっていると思います。
これからの全世代型社会保障の構築に向けて
全世代型社会保障の構築に向けて、これからどのような検討が進められるのでしようか?
年齢ではなく能力に応じて負担し、支え合う社会保障に転換していく事が大事です。例えは、医療や介護における窓口負担についても、こうした方向性で引き続き検討が行われています。
また、地域ごとの高齢化の進展の差も考慮する必要があります。都市部と地方部で必要とされる社会保障の在り方も変わってくることから、それぞれの地域ごとの視点から検討することが求められます。
年金制度は、昨年法改正が行われ、その中心課題の1つとして、社会保険の適用拡大があります。短時間労働の方は、社会保険に加入することで、報酬比例の年金を受給することができる、傷病手当金や出産手当金も受けることができる、といったメリットがあります。全世代型社会保障の構築に向けて、被用者にとってふさわしく、働き方に中立的な制度を提供することが必要です。
今後10年かけて施行しますが、被用者だけでなく事業者に対しても制度の趣旨や仕組み、メリットをわかりやすく丁寧に説明し、保険料負担に少しでもご理解いただけるように進めていきます。
医療保険に関しては、審議会での議論などを踏まえて、OTC類似薬の薬剤給付の見直しや出産の標準的な費用の負担をなくすなどの改正法案の検討をしています(2026年2月現在)が、全世代型社会保障という観点からも、多くの方が納得感・公平性を感じられるようなものにしていく事が大事だと思っています。
医療保険制度の見直しは一度で終わることはなく、様々な環境の変化に応じて、不断の見直しを図っていく必要があります。そのため、短期・中長期の両方の視点を持ちながら、課題の解決に向けて考えることを心がけています。
これまでのキャリアを振り返って
最後に、これまでのキャリアを振り返りながら、皆さんにとって厚生労働省とはどんな職場なのか教えてください。
仕事で取り扱う課題が自分ごとであるのが魅力だと思っています。現在担当している医療保険で言えば、自分の家族や友人が病気になったことがありますし、自分もいつ大きな病気になるか分からないです。そういった、自分ごとになるものを考えられることは、やりがいが感じやすい点だと思います。
自分の身近に関わりのある社会課題を考えることが面白いと感じられる方であれば、それを仕事にできることは幸せなのではないかと思います。
また、海外勤務など学生時代の自分が考えていなかったような機会もあり得ることが魅力だと思います。
働き方も大きく変わりましたね。私はまだ子どもが小さいこともあり、テレワークの活用や出勤時間の調整といった制度を活用しています。
私は、個人の可能性を最大限発揮できるような社会作りに携わりたい、との思いをもち、厚生労働省を志望しましたが、その基盤作りに責任をもって関わることができていることが、一番の魅力であると感じています。
国民生活と最も関係の深い厚生労働省は、社会を良くしたいという思いなど、自分の信じるところに正直に従って働ける職場だと思います。
そういう最も公務員らしい仕事ができるところが魅力だと思います。
