■厚生労働省の営繕技官とは
厚生労働省では、医療、健康、福祉、労働などの行政サービスを円滑に提供するために、庁舎や宿舎など多くの施設を有しています。
営繕技官(技術系国家公務員)は、それら施設の設計・積算、工事監督、検査等を担うため、建築・電気設備・機械設備の専門分野ごとに、各所に配置されています。
近年では、建物の長寿命化、工事の品質確保、木材利用の促進、環境保全対策等、様々な施策に取り組んでいます。
■営繕技官の配属部署と業務内容
厚生労働省 大臣官房会計課
中央合同庁舎5号館(東京都千代田区)、日本社会事業大学(東京都清瀬市)、昭和館(東京都千代田区)、心身障害児総合医療療育センター(東京都板橋区)、国際障害者交流センター(大阪府堺市)、海外慰霊碑(インドネシア他)、職員宿舎(東京都目黒区他)、国立ハンセン病療養所(東京都清瀬市他)などの厚生労働省所有の施設について、設計・積算、工事監督、検査等に関する業務を行います。
厚生労働省 国立ハンセン病療養所
国立ハンセン病療養所において、その施設の設計・積算、工事監督、検査等に関する業務を行います。全国13施設のうち、3施設に営繕技官が配置されています。
環境省 大臣官房会計課、自然環境局・地方環境事務所
大臣官房会計課では、主に中央合同庁舎5号館(東京都千代田区)の庁舎管理に関する業務を行います。
自然環境局及び地方環境事務所では、国立公園における工事の設計・積算、工事監督、検査等に関する業務を行います。全国12か所の地方環境事務所のうち、2か所に営繕技官が出向しています。
国立研究開発法人 国立高度専門医療研究センター
国立高度専門医療研究センターにおいて、施設の設計・積算、工事監督、検査等に関する業務を行います。全国6施設のうち、4施設に営繕技官が配置されています。
国立研究開発法人 国立環境研究所
国立環境研究所(茨城県つくば市)において、施設の設計・積算、工事監督、検査等に関する業務を行います。
独立行政法人 国立病院機構
機構本部(東京都目黒区)において、全国の国立病院及び療養所の設計・積算、工事監督、検査等に関する業務を行います。同機構には施設整備の専門職が多数在籍しており、厚生労働省営繕技官との人事交流を定期的に行っています。
独立行政法人 国立重度知的障害者総合施設のぞみの園
のぞみの園(群馬県高崎市)において、施設の設計・積算、工事監督、検査等に関する業務を行います。
国家公務員共済組合連合会
本部(東京都千代田区)において、全国の共済病院等の設計・積算、工事監督、検査等に関する業務を行います。
日本年金機構
本部(東京都杉並区)において、全国の年金事務所の整備工事の設計審査に関する業務を行います。
■事例紹介
■キャリアパス(中途採用者向け)
営繕技官として採用後、おおむね2~4年ごとに異動があります。異動先は厚生労働省の他に、環境省などの他省庁や、国立研究開発法人などへの出向もあり、営繕業務に必要な経験や知識を身につけていきます。
昇格は、採用前の経験年数も加味されます。
なお、建築系の資格の取得を奨励し、営繕技官としての資質の向上を図っています。
係長、主査など → 室長補佐、専門官など
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他省庁や法人などの出向先 他省庁や法人などの出向先
■ワークライフバランス
厚生労働省では、職員の働き方改革やワークライフバランスの実現に向けて様々な制度を設けています。
- テレワーク
- ICT(情報通信技術)を用いて、時間や場所を有効に活用した柔軟な働き方をすることができます。
- 早出遅出勤務
- 始業、終業時間を繰り上げ又は繰り下げて勤務できます。
- 産前・産後休業
- 出産予定日の6週間前から、出産の翌日から8週間、休暇を取得できます。
- 配偶者の出産休暇
- 配偶者の出産のために必要と認められる入院の付き添い等のための休暇を取得することができます。
- 育児休業
- 育児のために休業をすることができます。
- 育児短時間勤務
- 小学校就学前の子供を養育する場合に、短時間勤務を活用できます。
■先輩技官からのメッセージ
■厚生労働省大臣官房会計課厚生管理室 営繕専門官
秋吉 茂男(機械設備担当、平成19年採用)
●営繕技官となったきっかけ
厚生労働省に採用される前は、建築以外の仕事をしておりましたが、以前から建築の仕事に興味があり、厚生労働省にて営繕技官の採用があることを知り応募しました。
●仕事のやりがい
担当する整備案件では、機械設備(空調・衛生)に関する設計、積算、監督などを行っており、施設担当者、設計事務所、施工業者などの関係者と調整して整備を進めています。整備に係わる関係者とスムーズに調整することができ、実際に工事が完成した時にやりがいを感じます。また、整備工事は、建物毎に条件が異なり、技術も日々進化しているので、様々な経験ができるのも興味深いです。
●メッセージ
営繕技官は、建築に関する専門知識も必要ですが、整備案件以外に他省庁と係わる業務もあり、業務を円滑に進めるにはコミューション力も重要です。今までの経験や専門知識を生かし、いろいろな人と力を合わせて一緒に仕事ができる方をお待ちしております。
■厚生労働省大臣官房会計課厚生管理室 営繕企画係長
福井 通仁(建築担当、平成18年採用)
●営繕技官となったきっかけ
出向先も含めて多様な施設の整備に携わることができる点に魅力を感じ応募を決めました。
●仕事のやりがい
担当する工事に設計から積算、契約、工事まで一貫して関与できるほか、整備に関する基準づくり、他省庁との意見交換など業務内容が多彩で、建築に関する知識だけでなく国の会計制度や各種法令、通達、基準など幅広い知識が求められます。覚えることが多く大変ですが様々な経験を積むことができる点にはやりがいを感じます。
●採用希望者へのメッセージ
近年、ICT技術の普及や働き方改革の推進などで建設業界は大きく変わりつつあります。公共工事の発注者にも変革が求められる中、みなさんの知識や経験が我々にとっても新たな刺激をもたらしてくれることを期待しています。
お問い合わせ先
営繕技官の採用等に関する質問や相談は、下記で受付けています。
お気軽にお問い合わせください。
厚生労働省大臣官房会計課厚生管理室営繕班
電話 03-5253-1111(内線7973)、03-3595-2162(直通)
メール eizen-saiyo@mhlw.go.jp