来て見て聞いてみて

一般職(労働行政)

職業安定局高齢者雇用対策課
課長補佐

平成11年入省

現在の業務内容

人口の減少が進む中において、個々の高年齢者のニーズや状況に応じた活躍の場をどう整備するか、年齢にかかわりなく活躍し続けることができる「生涯現役社会」の実現に向けてどのような手段を講じていくか、ということを考えて実行するのが私の所属する高齢者雇用対策課の使命です。

私はこの使命を担う一員として、課内事業における予算の確保や全国1300箇所のシルバー人材センターの制度運営などを主に担当しています。厚生労働省は裾野の広い役所だと思いますが、当課においても労働政策的なアプローチにとどまらず、福祉政策的な観点が必要ですし、都道府県労働局・ハローワークはもちろん、地方公共団体をはじめとした地域との関わりもあり、ある意味厚労省の縮図的な部分があるかもしれません。

厚生労働省を志望した理由

当時、公的な業務に何となく関心があったのは間違いないのですが、最初に内定が出たこともあって入省を決めた記憶があります。そして入省してからはや20年。入省当時から振り返れば、大きな話題になるような話、新聞の一面に掲載されるような記事に関わることもあったりなどそれなりに忙しい日々もありましたが、今となっては貴重な思い出です。そして職場の環境もだいぶ変わりました。いわゆるテレワークの存在や毎月1回以上の年次有給休暇取得、夏期休暇も連続1週間以上の取得を勧奨されるなど隔世の感があります。

学生生活から定年まで約40年、もしくはそれ以上、そして人の平均寿命の約半分が職業人生であり、人が働くということについてどう関わっていくか、仕事を通じて人が得られるものは数多くあると思いますが、人の人生に関わるということへの興味は尽きません。

仕事をする上で心がけていること

役所に限りませんが、仕事を進める以上、ステークホルダーは多かれ少なかれ存在します。新しい仕組みを作るとか、既存の制度を変えるとか、そういう場合にステークホルダー間で利害衝突が発生した場合、行政の立ち位置としていかに落としどころを探るか、中庸はどこか、という場面に遭遇します。担当としてあらゆる場面、上司や幹部はもちろん、役所外の人に説明し、説得することが仕事の位置付けの中で大きなウェイトを占めるのですが、未だに人を説得するのは得意ではありません。だからというわけではないのですが、同僚や上司を巻き込んで分散型で仕事を進める、周囲を巻き込む能力は非常に重要だと思っています。都道府県労働局で管理者として仕事をしましたが、思い返せばこの「周囲を巻き込む」、そしてさらに「周囲を盛り上げ」仕事を進めていくということの大切さを改めて実感しました。

皆さんへのメッセージ

就職活動中の皆さんは、選ばれるという立場を意識して官庁訪問に挑まれる方が少なくないかもしれませんが、どうかフラットな気持ちで、選ぶ立場であることを気持ちの半分は持って、官庁訪問をしてほしいと思います。できるだけ多くの役所を、厚生労働省も含め訪問して、話を聞いて、その上で就職先の一つとして選択されるなら嬉しく思います。