「これだ」と思える仕事を

一般職(労働行政)

労働基準局総務課石綿対策室
係長

平成19年入省

現在の業務内容

石綿(アスベスト)というものをご存じでしょうか。とても細い繊維質の鉱物で、熱や摩擦などの耐久性にとても優れているという特徴があり、昔は建材などの材料として多く使用されていました。しかし、この石綿は、吸い込むことで、数十年の時を経て呼吸器系の病気にかかってしまう原因となりうる、負の側面を持つものでした。

工場などで、こうした石綿含有製品の製造に携わったことにより、病気にかかってしまった労働者の方々を救済するため、賠償金をお支払いする制度があります。私は、この制度の迅速な手続きと周知を担当しています。

これまでの仕事で心に残っているエピソード

省の名前のとおり、働く方々と密接に関わるのが労働行政です。私は、3年ほど前に、大阪にある出先機関「労働基準監督署」で、相談に来られる労働者や事業主の方々と直接やりとりする窓口業務を経験しました。自分で言うのも何ですが、役所の仕事は、はた目には分かりやすいとは言いがたく、それをいかに国民の皆さまに「分かりやすく」伝えられるかが肝であり、私が仕事をする上で特に気をつけている事の一つです。監督署の窓口は、その最前線になります。

「相談したのが兄ちゃんで良かったわ、ありがとう。」と、気さくに言われたことは、月並みではありますが、数年たった今でも記憶に残っています。

最も印象深い業務

最近、「働き方改革」という言葉をテレビのニュースや新聞で目にすることが増えているかと思います。「働き過ぎ」と言われる社会の現状を打破し、健康を損なうような働き方を是正するため、「働き方改革関連法案」を先の国会で審議していました。当時私は、国会業務の窓口を担当しており、局内外の連絡調整に奔走していました。

連日の嵐のような対応の末に、法案が成立したのを見届け、それがすぐに報道などで取り上げられる様子をみていると、自分が関わっていた業務に対する世間の関心の高さと、厚生労働省が担う使命や役割の重さを再認識しました。

皆さんへのメッセージ

「私はこれがやりたい。」なんて、目標が明確に決まっている人はそんなに多くないと思います。ただ、漠然としたイメージは持ちつつも、「本当にやりたいことって何だろう?」と模索し、時に悩んだりしながら、この記事を読んでいる人もいるかと思います。私もその一人でした。

厚生労働省のキャッチフレーズである、「ひと、くらし、みらいのために」が表すとおり、ここには色々な業務が山のようにあります。その山の中に、皆さんが「これだ!」と思うような仕事があるかもしれません。それがもし、労働行政の分野であったのなら、とても嬉しく思います。これを読んだ皆さん、近い将来、一緒に働けることを楽しみにしています。