責任とやりがいと

一般職(労働行政)

労働基準局補償課
中央職業病認定調査官

平成9年入省

現在の業務内容

労働者の方々が仕事中にケガをしたり、病気になったり、亡くなられた場合に、ご本人やそのご遺族のために必要な補償を行う制度が労災保険制度です。労働基準局補償課では、この制度に基づき、労災認定基準などを策定し、都道府県労働局とその管内の労働基準監督署で保険給付の決定などを行っています。

私は、そのうち、石綿(アスベスト)や化学物質などによる疾病の労災認定に関して、基準の策定や、判断の難しい事案に係る本省協議への対応、検討会の運営、全国の労働局に対する指導などの業務を担当しています。

職場の雰囲気

活気があり、チームワークの良い職場です。労災認定は、国の行政としての決定であり、公正な判断が求められることから、緊張感を伴いますが、上司・同僚等に報告・相談しやすい雰囲気があり、部下が困った時は親切に相談に応じるなど、皆で助け合いながら仕事をしています。

また、忙しい中でも、ワークライフバランスの取りやすい環境にあり、子育てと両立しながら活躍している女性職員も多くいます。私自身も、別の部署に在籍していた4年前に子どもが生まれた時、短い期間ではありましたが、周りの方々の配慮で、男性の育児休業を取得することができました。

最も印象深い業務

平成18年の石綿健康被害救済法の施行です。その前年、関西の大手機械メーカーの工場の元従業員らに中皮腫や肺がんなどの疾患が多発していると公表されたことを契機に、同様の被害が全国各地で生じていることが判明し、社会的に大きな注目を受けました。

これらの被災労働者のご遺族の多くは労災請求権が時効消滅していたことから、救済できるよう、翌年、新たな法律が国会で成立しました。その後、運用通達の策定、国会対応など、課のメンバー全員で連日作業を進め、無事、施行に至った時は、感慨深いものがありました。また、新聞やニュースでも大きく取り上げられ、自分が携わった業務に対する国民の関心の高さ、成し遂げた仕事の重みを実感しました。

皆さんへのメッセージ

労働行政は、国民生活に密接に関わる分野を扱っており、実にさまざまな施策を展開しています。どのような部署に就いても、そこでの業務は、何らかの形で、働く人々がよりよい環境で安心して働けることをサポートすることにつながっています。

いずれも国民の方々の期待や関心が高く、社会的に注目を受けることから、責任も大きいですが、やりがいを得られるとともに、自分を成長させてくれることでしょう。

皆さんと一緒に仕事ができることを楽しみにしています。