「教職」から「厚生労働省」へ

総合職(人間科学系)

職業安定局需給調整事業課
調整係長

平成27年入省

志望理由

大学卒業後に公立小学校教員として働く中で、障害のある児童の保護者と関わる機会が多くありました。大学で初等教育を専攻していた私はとにかく児童の学力を向上させたいと考えていましたが、「将来しっかりと就職して自立できるようなキャリア教育を行って欲しい」という想いを持っている保護者が多く、「学校から職業への移行」の重要性に気付かされました。

学力向上に主眼を置く学校の教員としてではなく、別の立場から「学校から職業への移行」を支援できる仕事がないかと調べたところ、国家公務員に人間科学職があることを知りました。大学では教育行政学を専攻しており、マクロな視点から制度を設計することにも関心があったため、教職を辞して厚生労働省を志望しました。

現在の職務内容

需給調整事業課では民間が行う労働者派遣事業や職業紹介事業を所管しており、他部局や国会議員等との連絡調整、厚生労働省の諮問機関の1つである労働政策審議会(労働力需給制度部会)の運営に当たっています。議論がなかなかまとまらない場合、その着地点を探る必要があるため、他部局の所掌範囲であっても日々勉強するように努めています。

昨今では、正社員と派遣労働者等の不合理な待遇差を解消することを目指す「同一労働同一賃金」や、外国人労働者の就職あっせんに際して不当な金銭を要求する「悪質ブローカー」への対応が世間的に注目されており、マスコミで取り上げられた事案に対して(時には取り上げられる前でも取材があった時点で)、迅速に対応することを心がけています。

職場の雰囲気

同世代の若手職員も多い職場で、互いに協力し合いながら日々の業務に当たっています。自分一人で出来ることは限られているので、他部局の職員から情報を得たり、逆に他部局の職員に当課の業務内容を教えたりと、部局の垣根を超えて業務に当たることが多々あります。自分で考えても分からない問題に対しては、上司に相談すると的確なアドバイスをいただけることも多く、一人で抱え込まずに業務に当たることが出来る体制が整っていると感じます。

また、月1回は有休を取得する「マンスリー休暇」や自宅から業務に当たる「テレワーク」などに取り組むことが推奨されており、育児で出勤時間や退勤時間をずらす男性職員もいることから、ワークライフバランスの取れた職場だと感じています。

受験生に向けてのメッセージ

朝起きてから夜寝るまでに、様々な「仕事」に従事している人々に出会っていると思いますが、その「仕事」についてどこまで見えているでしょうか。霞が関での仕事は机上のパソコンで完結してしまうこともありますが、霞が関からは直接見えない「仕事」に従事する方に想いを馳せながら、日々の業務に当たることが大切だと思っています。人間科学職は多様なバックグラウンドをもった職員がおり、一人ひとり異なったアプローチで「仕事」に従事する方のことを考えながら業務に取り組んでいます。これを読んでくださっているあなたなりのアプローチで、「仕事」に向き合ってみませんか。