「心の通った」社会保障制度であり続けるために

総合職(事務系)

職業安定局雇用保険課
課長補佐

平成19年入省

大船渡市での経験

入省8年目、東日本大震災の被災地大船渡市で勤務する機会をいただきました。そこで出会ったのは、それぞれに被災体験を抱えながらも力強く現場で活躍する人々でした。24時間オンコール体制で、求めがあれば数十km離れた隣町にも駆けつける在宅医、その医師と連携する他職種のメンバー、立ち上げたばかりの生活困窮者自立支援事業で、ひきこもりだった方の「兄貴分」として、愛をこめて叱咤激励する社協職員、「60代なんてまだまだ高齢者の中では若者よ!いつか自分もお世話になるのだし」と言って様々な活動を繰り広げる女性――。

また、震災から5年以上経過していた当時、仮設住宅からは「取り残され感」も聞かれ、退去プランを立てられないでいる世帯の支援が課題となっていました。そこで、仮設住宅に常駐する支援員や市職員、福祉関係団体とで多角的に各世帯の状況を把握した上で支援プランを作成、各世帯が一番信頼を寄せている支援者から相談を進めるなど、住民に寄り添った対応ができるよう、心を砕きました。

心の通った支援は、現場の方の工夫や熱意によって生み出されているのだと痛感する日々でした。

社会保障に通じる様々な視点

他府省庁への出向も経験しました。財務省では国際社会の信認を維持するための海外の財政運営調査、内閣官房ではICTの利活用を通じた国民利便性の向上や行政運営の効率化に取り組みました。これらもすべて、社会保障が持続可能であること、現場職員の負担を軽減して心の通った支援を行うことにつながっています。

厚生労働省で働く楽しさ、頼もしさ

家族形態や就業形態も多様化する中、現場で起きている課題は多種多様です。一つの制度で問題が完結することはほぼありません。そんなとき、関係制度に精通した同僚と、お互いの知識・想像力を総動員しながら最適解を模索する、そんな厚生労働省での仕事はとても楽しく、頼もしい職場だと日々感じています。

厚生労働省の持つフィールドは本当に幅広く、経験を積むほどにやりたいことが増えてきて尽きることを知りません。次代を担う皆さんと、一緒に働ける日を楽しみにしています。