1億2700万の人生を想う

総合職(事務系)

大臣官房総務課長

平成2年入省

人生を諦めずに生きぬくことを支える社会保障

現実の人生は、自分や家族の病気、障害、失業など、順風満帆な時ばかりではありません。そのような人生の荒波の時期も、一度きりの人生を諦めずに生きぬくことを支えるのが社会保障です。歴史に学べば、個々人を大切にし、社会の活力を向上させる社会保障は、いわば文化・文明の到達点です。

社会保障の存在感

我が国に住んでいる1億2700万人は、程度の差こそあれ、社会保障と直接関わりながら暮らしています。社会保障がニュースに出ない日はありません。それが故に、国民の代表が集う国会をはじめ、マスコミ、関係者は、強い関心を寄せ、時に強い批判があります。国の予算の中で一般歳出の50%以上を占める社会保障の存在感は巨大です。

社会保障政策には「納得感」が重要

その社会保障は、給付を受ける人・時期と負担する人・時期がずれることから、政策を進めるに当たっては、「そういうことならわかった」と国民に言ってもらえる「納得感」が重要です。

とりわけ、自分もいずれは社会保障を利用するから「お互い様」という感覚、医療・福祉サービス等の十分な質の確保、政策の優先順位や効率性が正しくwise spendingになっていること、今を生きる人だけでなく将来世代への優しい眼差しなどが、国民に共有されることが大切なのです。

自分と他者の一度きりの人生を大切にする

私は、厚生労働省の担当する行政分野はどれ一つとっても簡単ではないからこそ、自分の人生をかけるに値すると信じ、同僚とともに真剣に取り組んできました。

実際、政治という利害調整のプロセスの中で、多くの当事者、国会議員、現場関係者、マスコミと信頼関係を築いてきました。また、行政官として、様々な立場の人の意見を聴き、より広く合意が得られる「中庸」な政策を「想像力」と「創造力」をもって作り上げる能力が鍛えられました。それらは、自分の家族、友人とともに、かけがえのない人生の宝だと思っています。

自分の人生と他者の人生をともに大切にしたい人に、是非、厚生労働省の門をたたいてほしい、そう願っています。