難治性疾患の克服に向けて

医系技官

健康局難病対策課
主査

平成30年入省

健康局難病対策課における医系技官の仕事

法律において難病とは希少、原因不明、治療法が未確立、長期の療養が必要な疾患とされており、多くの領域の幅広い疾患が対象となります。現在、指定難病として指定されている疾患だけでも333疾病あり、類縁疾患を含めると数千の疾患が対象となります。平成27年に法律が施行され、医療費助成等の福祉の充実、医療提供体制の整備や研究の推進等に向けて基本方針がまとめられました。当課における医系技官の仕事は、多種多様な難病の医療提供体制の在り方について臨床現場の実態を把握し実現可能な形を有識者とともに考え実現していくことです。また、難病の治療開発や疾患の克服に向けた研究の動向を確認し支援していくことも重要な役割です。

難病におけるゲノム医療に向けた検討

難病は遺伝的要因が深く関与している疾患が多く、ゲノム医療の実現に向け様々な検討が行われています。特に令和元年度には大きく2つの検討を行いました。1つは「ヒト受精胚に遺伝情報改変技術等を用いる研究に関する倫理指針」の改訂です。ヒト受精胚(余剰胚)に対して遺伝性・先天性疾患の基礎的研究を目的としてゲノム編集を用いることが容認されたことを受け、指針の改訂に向け検討を行いました。

もう1つは、難病の全ゲノム解析に関する検討です。政府の方針においてゲノム医療推進に向けた実行計画を策定することとされ、有識者の先生方と意見交換をしながら、難病ゲノム医療の数値目標・人材育成・体制整備について検討を行いました。これらの検討が、難病の病態解明や治療法の開発等に資する研究や医療提供体制の構築の推進に寄与し、難病患者さんに還元できることを期待しております。

医系技官の魅力・やりがい

多くの関係者や有識者から話を聞き、最適解を見つけ、物事を進めていくことにやりがいがあると思います。特に、日本のためにという大きな観点で物事を進められることは非常に魅力的だと思います。

医系技官になるきっかけ・動機

研修医2年目の夏頃までは臨床医になるつもりで目の前の患者さんのために出来ることを探していましたが、もっと広い視野で日本の医療や患者さんのために何かできないかと思ったのがきっかけで、医系技官という仕事に興味を持ちました。