「引き出し」を増やしてみませんか?

総合職(技術系)

労働基準局安全衛生部化学物質対策課
課長

昭和60年入省

厚生労働省・技術系職員を志望した理由について

大学入学時は研究職志望でしたが、同じ学科から通産省に入省した先輩の話を聞いて、「理系から行政官」という選択肢がインプットされました。「研究職に女はいらん」という風潮がまかり通っていた時代でもあり、選択肢を広げるべく大学院の受験勉強のついでに国家公務員試験を受けましたが、官庁訪問で有害化学物質の管理の話を聞いた際には、思わず研究室の様子と引き比べてしまい、行政との距離が一気に縮まったような気がしました。

公務員に目を向けるきっかけを作ってくれた先輩には、今でも感謝しています。

仕事のやりがいについて

国民との距離が非常に近い行政です。労働者を取り巻く環境が大きく変化する中で、緻密で慎重な対応とスピード感の両方が求められ、プレッシャーも大きいので、精神的なタフネスさが欠かせませんが、やり遂げた時の達成感は格別です。

守備範囲が極めて広いので、学生時代の専門分野にとどまらない、幅広い経験ができます。部署を異動すると、専門用語から覚え直しになることも多々ありますが、新しい部署を経験するたびに「引き出し」が増えていくことが実感でき、一つの道を究めるのとは違った面白さがあります。

業務上心がけていることについて

皆さんは、自分の卒業研究や修士論文の内容を、高校時代の文系の同級生にも理解できるように説明できますか?研究の成果が、将来どのように世の中の役に立つ可能性があるか、ビジョンが描けるでしょうか?
専門分野の難解な言葉や仕組みを「翻訳」して施策に昇華させるのは、技術系職員の醍醐味ですが、施策を着実に浸透させるには、経営層など専門外の方にもその必要性を理解してもらうことが大前提ですし、現場との乖離を招かないよう、現状をきちんと押さえておくことも必要です。
こちらの意図を分かりやすく発信するだけでなく、いろいろなチャネルから情報を集め、物事を俯瞰できる目を養えるよう心がけています。

入省してよかったことについて

入省2年目に男女雇用機会均等法が施行されました。様々な企業の女性総合職第1号が脚光を浴びながらも、多くの壁にぶつかりながら道なき道を懸命に切り開く時代でしたが、旧労働省は中央官庁の中でもダントツに女性幹部の数が多く、ロールモデルが豊富だったので、「女性だから無理かも」などと変に委縮することもなく、いろいろなことにチャレンジできました。

最近は「リケジョ」の言葉も浸透し、女性技術系総合職の採用も増えています。多くの経験を経た先輩の層が厚くなり、自然体でいろいろな相談をしあえる環境がどんどん整っています。

学生へのメッセージ

世の中に多くの職場がある中で、理系の枠に囚われて自ら選択肢を狭めるのは勿体ないことです。溢れる情報からこのページに辿り着いたのも何かのご縁。ぜひ一度、職員の生の声を聴いてみませんか?中央官庁の印象が変わるかもしれません。
厚生労働省は、チャレンジ精神旺盛な皆さんとの出会いを心待ちにしています!!