専門性とコミュニケーション力で大きな課題に挑む

栄養系技官

老健局老人保健課
介護予防栄養調整官

平成23年入省

入省前の経験や入省の経緯

食品企業勤務を経て、青年海外協力隊栄養士隊員として、インドネシアの小さな村で2年間、5歳未満児の栄養改善活動を行った際、公衆栄養の大切さや奥深さと、自分の力不足を痛感しました。帰国後、大学院に進学し、食品企業における食育をテーマに研究を行いました。その後、中食企業に勤務し、健康づくりに、企業を一層巻き込んだポピュレーションアプローチが必要と思っていたところ、栄養系技官の公募を知り、応募しました。

全てのライフステージに関わる栄養施策

入省後の4年間は、栄養指導室の係長として、国民健康・栄養調査や食事摂取基準の改定、管理栄養士国家試験や栄養士法、調理師法に関する業務などを担当するとともに、老人保健課の併任業務として、平成27年度介護報酬改定にも携わりました。その後の2年間は、母子保健課で乳幼児や妊産婦の栄養管理に関する業務を担当しました。
平成29年度から2年間は、食育について政府の取りまとめを行う農林水産省で、食育白書の企画・作成・公表や第3次食育推進基本計画の普及・啓発等を担当しました。
食育は大学院での研究テーマでもあったため、農林水産省での業務は自らの専門性を活かせるとともに研究・実践・政策をつなぐことができるという点で、とても充実感がありました。
乳幼児から高齢者まで、様々な世代の課題や施策のつながりを考え、人々の栄養・食生活をより良くし、健康を支えるための仕事は、やりがいを感じられると思います。

地域包括ケアシステムの構築に向けて

高齢者の栄養・食生活支援の重要性の高まりも踏まえ、平成31年4月から、老人保健課に介護予防栄養調整官という新しいポストができ、着任しました。栄養系技官は、栄養関係の介護報酬改定に加え、介護予防に関する幅広い業務にも携わっています。令和2年度からは、新たに栄養系技官の係員が1人加わり、更に体制が充実しています。
老人保健課には、医系技官、看護系技官、薬学系職員、事務官など様々な職種の職員がいます。2025年を目途に、要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、医療・介護・予防・住まい・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築を実現するために、それぞれの専門性を活かし、業務を進めています。
そのような中、日々の暮らしを支える食事を、高齢者の方々が人生の最後まで楽しみ、自分らしく過ごせるよう、栄養系技官の専門性をどのように発揮し、貢献できるかを探求しながら業務と向き合っています。

希望者へのメッセージ

栄養系技官は、関係省庁や地方公共団体、事業者等多くの方と仕事をしており、栄養に関する専門性とともに、コミュニケーション力も大事です。様々な立場の方と力を合わせ、健康づくりの未来を支えたい方、お待ちしています。