多彩な業務で経験を積んでいく

栄養系技官

健康局健康課栄養指導室
室長補佐

平成23年入省

入省前の経験や入省の経緯

文系学部卒業後、食品企業に4年間勤務する中で栄養に興味を持ち、栄養学を基礎から学ぶため、大学の栄養系学科に社会人入学しました。最終的には医学系大学院の博士課程まで進み、博士課程在籍時は研究生活の傍ら、管理栄養士として病院勤務も経験しました。大学院修了後は博士課程で在籍していた教室の助教となり、その後、栄養系技官として入省しました。
入省後は消費者庁に出向し、3年半の間、食品表示法の制定と併せて、栄養成分表示の義務化や機能性表示食品制度の創設等を担当しました。

医療・介護領域での栄養管理の推進に向けて

団塊の世代が75歳以上となる2025年に向けて、地域包括ケアシステムの構築が喫緊の課題となる中、平成27年10月からは保険局医療課で、平成28年度診療報酬改定として、栄養食事指導の拡充等に向けた業務に取り組みました。またその後は、保険局と老健局の両方に在籍する立場として、平成30年度診療報酬・介護報酬同時改定を担当し、多職種連携による重点的な栄養管理や他施設との切れ目のない栄養管理の連携を推進するための仕組みづくりを行いました。
報酬改定に向けては、栄養管理の効果等に関する国内外の学術論文を精査したり、現場の専門職の方々の意見を伺ったりするほか、先駆的な栄養管理の効果検証等を目的とした研究事業を企画し、第一線の先生方に取りまとめていただいた成果を報酬改定の議論に活かしていくといったことも行います。大学院等で修得した研究スキルや病院等での実務経験を大いに活かせる業務だと思います。

様々な視点で今後の栄養政策の在り方を考える

平成30年4月からは栄養指導室の室長補佐として、新たな政策づくりに向けた研究事業の企画を含め、栄養政策全般に関わる業務を担当しています。この業務では、現行の栄養政策や栄養課題はもとより、栄養とはあまり関係がないように見える領域の知見や動向も時に複合的に掛け合わせながら、新たな栄養政策を考えていきます。
栄養指導室の業務の中には、国際案件もあります。例えば、東京で開催予定の栄養サミットに向けて、我が国の栄養政策の取組や成果を世界にいかに発信し、他国への貢献に効果的につなげていくかについて検討しています。平成31年4月からは、外務省にも席を置き、外務省の立場としても栄養サミットに向けた業務を担当しています。外務省の業務では、地球規模の栄養課題の解決に向けて、諸外国、国際機関等と連携し栄養に対する国際的機運を高めていく視点に加え、その過程の中で我が国の存在感を高めていく視点が求められます。栄養系技官として我が国の栄養政策の更なる展開を考える上でも、こうした視点をぜひ活かしていきたいと思っています。

希望者へのメッセージ

栄養系技官の業務にはルーティンなものもありますが、栄養を通じた健康づくりの重要性が増す中、誰も取り組んだことのない創造的業務も多数あります。こうした業務では、確実に結果を出すことへのこだわりと、どんな難局でも柔軟な思考で軌道修正を重ね、壁を突破していく逆境力が特に求められます。開拓精神旺盛で、心身ともにタフな方、是非一緒に働いてみませんか!!