管理者との対話を積極的に行い、
自発性を重視した医療・介護人材のキャリア形成支援
●キャリア形成支援の取組をして良かったこと
事業所内コミュニケーションが活性化され、職員から「仕事に対して前向きに取り組めるようになった」との声が聞かれました。
●キャリア形成支援の取組で苦労したこと
プレイングマネージャーが多い現場において、面談時間を確保するなど管理者(所属長)への理解と協力が必要だったことが苦労しました。
現場の管理者は職員一人ひとりの仕事への意欲の向上を図るとともに、価値観に応じた内発的動機を促す面談をリアルタイムに対話方式で実施します。必要なときに機敏に目標達成のための支援をすることを原則とするため、管理者と職員の1対1の対話が継続的に実施されることになります。主役はあくまでも職員本人であるため、職員自身が自発的に面談を設定することも可能です。
リアルタイムでアシストしていれば、自ずと未来に向けての成長課題に重点をおくことが可能となります。短期的な課題だけでなく、仕事を通じて将来的にどのような姿を目指したいか、どのような活躍をしたいか、といった中長期的なキャリアビジョンについても対話するなどキャリア開発を支援していきます。
また、資格取得の目標達成を支援する取組として、介護職員初任者研修、介護職員実務者研修、准看護師、認定看護師の資格取得を経済的に支援しています。
面談を続けることで、学ぶ目的がより明確化され、「やらされる研修」から「自ら学ぶ研修」へと変容してきました。「上司との会話が増えた」「仕事に対して前向きになった」などコミュニケーションの活性化も図れています。また、複数ある事業所を横断しておこなうプロジェクトや委員会活動、人事異動などは以前に比べスムーズに実行されています。資格取得支援については、4名の職員(介護職・受付事務)が看護資格の取得に挑戦し、資格取得後には看護職員として活躍するなど、医療と介護の切れ目のない連携が促進されています。
この仕組みを成熟させるためには、面談の質を高めていくことが必要です。職員一人ひとりの価値観や置かれている立場を把握し、どのようなアシストをしていくべきかを経験を通じて身につけてもらいたいと考えています。そして、個々のキャリア開発を支援し続けることが組織全体の成長と発展に繋がり、患者、利用者をはじめ地域社会に新たな価値を提供し、貢献できる法人であり続けることを目指していきます。
上司として部下との面談を重ねる中で、自らが学びレベルアップしなければ他者に対して内発的動機を喚起させる支援ができないことに気付かされたことがきっかけです。
恵正会が実施している、次世代リーダー育成研修(2年間)に参加したことで、リーダーとしての軸ができました。現在は、重要プロジェクトのリーダーを任され法人運営にも携わっています。
自分の成長とともに、職員一人ひとりのキャリア形成を支援していきたいと考えています。また、恵正会の職員がイキイキと働ける職場環境を作るため、組織開発にも携わっていきたいと考えています。
訪問介護員として在宅ケアに携わっていたとき、訪問看護師が利用者・家族から頼りにされている姿を見て看護職員への憧れを覚え、看護の資格取得へチャレンジしたいと考えました。
上司との面談で、看護の資格を取得したいという想いを伝えられたことが、資格取得支援制度の活用につながりました。経済的支援を受け、働きながら准看護師養成校へ通うことができました。
介護福祉士・准看護師の両視点でケアができるよう心がけていきたいです。そして、国家資格である看護師の資格を取得し、将来は訪問看護師として在宅療養を支えていきたいと考えています。