自然毒のリスクプロファイル:ベニテングタケ(Amanita muscarina) テングタケ科テングタケ属

ベニテングタケ(Amanita muscarina) テングタケ科テングタケ属

傘の大きさ 6 ~15cm程度の中型から大型
形と色 傘 :赤色で表面には多数のイボがあるが、脱落していることもある。
ひだ:白色で密である。
柄 :白色で上部にツバがある。その下はささくれ状である。
発生時期 夏~秋
発生場所 マツなど針葉樹や白樺など広葉樹の地上に発生する。
その他 地方名:アカハエトリ 
間違いやすい
食用キノコ
タマゴタケ(学名 Amanita hemibapha )は毒キノコが多いテングタケ属の中にあって珍しく食べられるキノコである。
症状 食後30分ほどで下痢、嘔吐、腹痛の胃消化器系の症状が現れ、めまい、錯乱、運動失調、幻覚、興奮、抑うつ、痙攣など神経系の症状も現れる。まれに、死に至ることもある。
塩付けにして食する地域もあるが、毒キノコである。テングタケよりは毒性は低いと考えられている。
毒性成分 イボテン酸、ムッシモール、ムスカリン、ムスカリジンなど
 

ベニテングタケ ( 下左から傘の開く前、開き切った状態で、右の物はいぼが一部脱落している。 )

タマゴタケの写真1
ベニテングは白色。ひだも白色。 傘は赤ではなくオレンジ色のものも存在する(左)。いぼがなく、黄色のものも存在する(上)

       タマゴタケ(左、食用)は、傘にいぼを持たず、ひだの色は黄色をして、卵を割った
       ような白いつぼがあることが特徴である。
     いぼが取れたベニテングタケと間違える可能性があるが、ひだの色(黄色)を参考に
     する。

タマゴタケの写真2

タマゴタケ 傘、ひだ(黄色)、柄(黄色)

1-1 毒性成分

イボテン酸 ( ibotenic acid )、ムッシモール (muscimol) 、ムスカリン (muscarine)、ムスカリジン (muscaridin) など

 
化学式1
 
化学式2
1-2 食中毒の型  
1-3 中毒症状

食後30分から1時間ほどで発汗、腹痛、嘔吐、下痢、錯乱、運動失調などを示し、数時間で回復する。まれに、死に至る。

1-4 発症時間 30 分から 1 時間程度
2-1 発症事例

(参考,ムスカリン中毒で死亡した事例)
2005 年にオーストラリアで 53 才の女性が Rubinoblletus 属キノコ(ダルマイグチなど)2 つを摂取した。摂取後 1 時間で症状が現れ、2 時間で頭痛、胸および腹痛、嘔吐および大量の発汗、ムスカリン中毒特有の症状を示した。3 時間後には、下痢、低血圧、徐脈、瞳の収縮(ただし、光には反応)、精神錯乱の状態になった。収縮時血圧は 60 mmHg、アシドーシス(pH6.7)に、 Glasgow coma score(意識障害の深度分類 ) は 5 点(15点中)になった。7 時間後にアドレナリン、ノルアドレナリンを 50 ug/min で、アトロピン 12 mg を投与。透析を開始した。この後、 1 時間後に心停止。キノコ摂取後 10 時間後に蘇生措置を終了。

2-2 患者数
※厚生労働省発表

 

ベニテングタケ

発生件数

摂食者総数

患者数

死者数

2015

0

0

0

0

2014

0

0

0

0

2013

0

0

0

0

2012

0

0

0

0

2011

0

0

0

0

2010

0

0

0

0

2009

0

0

0

0

2008

1

1

1

0

2007

0

0

0

0

2006

0

0

0

0

2005

0

0

0

0

2004

0

0

0

0

2003

1

1

1

0

2002

0

0

0

0

2001

0

0

0

0

2000

0

0

0

0

2-3 中毒対策  
3 毒性成分の
分析法 
 
4 諸外国での
状況
 
5 その他の参考
になる情報
 
6 間違いやすい
キノコ
タマゴタケ ( 食用 ) と似ている
 
一般名 学名 区別できる特徴
タマゴタケ Amanita hemibaphaPers.:Fr. 写真参照
引用・
参考文献

1)
Pauli JL, Foot CL.
Fatal muscarinic syndrome after eating wild mushrooms.
Med J Aust . 182(6), 294-5. (2005)