看護部門の紹介
総看護師長あいさつ
栗生楽泉園では、ハンセン病の後遺症を持たれた方々が生活をしています。私たちは高齢化する入所者の方々が安心して暮らすために、身体的なケアだけでなくお一人おひとりに向き合い、生活のご意向や生きがいなどの思いに寄り添った支援を行っています。
現在当園ではライフサポート支援室を中心として、看護師・介護員だけでなく多職種と協力し、安全で安心な生活を送れるように取り組んでいます。これからも楽泉園の職員であることを誇りに、それぞれの役割を発揮し入所者の皆さまが笑顔で過ごせる環境を整えていきます。
看護課の理念
「ハンセン病療養所」の歴史及び「ハンセン病」の特徴を踏まえ、入所者の皆様がその人らしい
平穏な生涯を送ることができるよう、質の高い看護・介護を提供します
看護課の目標
- 入所者が安心・安全に楽しく暮らせる看護・介護を提供する
- 職員が楽しく、やりがいをもって働ける体制を整備し実践する
- ハンセン病問題の啓発および地域交流を促進する
看護課の教育
1.看護職員能力開発プログラム
国立ハンセン病療養所では看護職員能力開発プログラムに基づいた教育を行っています
1)国立ハンセン病療養所が目指す看護師像
倫理と技術を持って、実践し、看護を創造する ~高い倫理観に基づいて~
2)国立ハンセン病療養所の役割を果たすために求められる看護師としての能力
(1)高度な専門的知識・技術を有し、主体的に実践できる
(2)高い倫理感に基づいた、質の高い看護の提供ができる
(3)多職種と協働し、看護の役割を発揮する
(4)療養所の運営に参画でき、看護におけるマネジメントができる
(5)後輩と共に学び合い、自律した看護職になる
(6)臨床看護研究ができる能力を有し、看護を創造する

2.栗生楽泉園の求める看護師像
「ハンセン病療養所」の歴史及び「ハンセン病」の特徴を踏まえ、入所者の皆様がその人らしい
平穏な生涯を送ることができるよう、専門的知識・技術を持って実践ができる看護師
3.教育計画
1)教育目標
(1)国立療養所栗生楽泉園及び看護課の理念と目標に基づいて職員の一員としての自覚を高め、
行動できる人材を育成する
(2)ハンセン病療養所で生活する入所者の歴史が理解でき、人権を尊重する人材を育成する
(3)ハンセン病療養所の職員として、専門的知識・技術を習得し、看護・介護が実践できる人材を育成する
2)教育計画

看護課の組織
1.病棟・不自由者棟
看護単位は一つですが、職員が病棟と不自由者棟に分かれて勤務をしています
【病棟】
・ハンセン病後遺症や高齢に伴う疾患、転倒に伴う骨折等で居住区では生活できない入所者の治療・療養の場
となっています
・入所者1人ひとりの意向を尊重し、最期の日までその人らしく充実した毎日を過ごせることを目指して多職種と
連携しながら看護・介護を実践しています
「入所者をひとりにしない」を合言葉に、職員と楽しい時間を共有し、認知機能に刺激を与えられるようカラオケ・茶会・誕生日会・季節行事などのレクリエーションを開催しています
【不自由者棟】
・ハンセン病の後遺症により、手足や視力・聴力の障がいを持つ入所者や介護を必要とする入所者が居住しています
・高齢化が進み不自由度が高くなる中、居室で生活をしているため、看護師・介護員が入所者の状態に合わせ居室を
訪問し異常の早期発見に努めています
・入所者が安全・安楽に過ごせるよう、手すりの設置や保護材等の環境整備を実施し、1人ひとりに寄り添った援助を
行っています
郷土の食べ物を手作りで提供したり、季節ごとにレクリエーションも行っています
2.健康管理センター
一般舎・治療棟・健康管理の業務を行っています
【一般舎】
・比較的障害が軽く、自活可能な入所者が生活しています(一般社会の家とほぼ同じ環境)
・一般舎の入所者を訪問し、安否確認・不安などの傾聴・服薬管理・医療相談や生活支援を行っています
・楽らく天城での催し物、ボッチャ等デイケアを行い、入所者個々の希望を重視し、その人らしく過ごせることを目指して
看護・介護を実践しています
一般舎に居住する入所者のケアは1日2回巡回し、必要な支援を行っています
デイケアでハーモニカ、将棋、手芸など行ったり、ボッチャやゲートボールで身体を動かしています
【治療棟】
・治療棟業務は一般舎と不自由者棟入所者の診療や各種処置の提供をしています
・処置件数は1万6千件を超え、特に外科・眼科・耳鼻科・歯科のニーズが高いです
診療科:内科・外科・整形外科・眼科・耳鼻科・歯科・皮膚科
【健康管理】
・MSWと協働し、委託診療の調整、受診時の手順、入院付添時の管理をしています
・入所者の定期健康診断、各種予防接種の計画・実施を行っています
3.ライフサポート支援室
入所者が希望する場所で意向に添った心穏やかな生活ができる支援をしています
【ライフサポートの目標】
入所者の人生の最終段階において、入所者が自身の人生観や価値観に沿った生活並びに受けたい医療やケアが選択でき、心穏やかに過ごせる体制を構築し、更なるライフサポートの充実を図る
- 入所者に関する情報や部署での取り組み等を多職種で共有できるよう、情報共有の方法の確立、ACPシートの作成・終末期医療の意思確認用紙の作成をサポートする
- ACPにより入所者の意向を確認し、その人らしく人生を全うする事ができるよう支援する
入所者が笑顔で過ごせるよう、ライフサポート活動を組織横断的に実践しています
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