概要情報
事件名 |
西日本旅客鉄道(岡山不採用) |
事件番号 |
岡山地労委 昭和62年(不)第5号
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申立人 |
国鉄労働組合岡山地方本部 |
申立人 |
X1 |
被申立人 |
西日本旅客鉄道 株式会社 |
命令年月日 |
平成 2年 1月12日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
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事件概要 |
国鉄の分割民営化に伴い設立された会社が、組合員X1を採用しなかったことが争われた事件で、(1)組合員X1の社員として採用したものとしての取扱い、(2)バックペイ(年5分加算)、(3)X1の勤務場所については、旧国鉄において本務として就労していた職務に相当する職務への就労、(4)X1の就労に伴う諸問題についての申立人との協議、(5)文書手交を命じた。 |
命令主文 |
1 被申立人西日本旅客鉄道株式会社は、申立人X1を昭和62年4月1日をもって被申立人の社員として採用したものとして取り扱わなければならない。 2 被申立人西日本旅客鉄道株式会社は、申立人X1に対し、昭和62年4月1日以降、就労させるまでの間、同人が被申立人の社員として採用されていたならば得たであろう賃金相当額と申立外日本国有鉄道清算事業団において実際に支払われた賃金額との差額に年5分の割合による金員を加算して支払わなければならない。 3 被申立人西日本旅客鉄道株式会社は、申立人X1の採用に伴う勤務場所については、同人が旧日本国有鉄道において本務として就労していた職務に相当する職務に就かせなければならない。 4 被申立人西日本旅客鉄道株式会社は、申立人X1の上記職務就労に伴う諸問題についての協議に、誠意をもって応じなければならない。 5 被申立人西日本旅客鉄道株式会社は、申立人国鉄労働組合岡山地方本部及び申立人X1に対し、本件命令後速やかに、次の文書を手交しなければならない。 (下記略) |
判定の要旨 |
1500 不採用
会社が、昭和62年4月1日付けで国労組合員X1を社員として採用しなかったことが不当労働行為であるとされた例。
4911 解散事業における使用者
国鉄が設立委員の代行者として行った新会社の職員となる採用に関する一切の行為に伴う責任は、設立委員の責任となることを介して、すべて新会社に帰属するとされた例。
4911 解散事業における使用者
新会社は、事業、資産及び債務の連続性、労働条件の継続性、役職員の人的連続性から国鉄との間には実質的同一性が存在するとされた例。
4820 単一組織の支部・分会等
本件申立人である岡山地本は、組合員X1の不利益取扱いについて直接的ないし間接的な利害関係を有するとみられるから、申立人適格を有するとされた例。
4911 解散事業における使用者
本件においては、国鉄が設立委員の代行者として行った新会社職員の選定行為に伴う責任の終局的な帰属主体とされる新会社を被申立人とすることが最も適切、有意義であるとされた例。
5006 採用の請求
新会社の職員の採用については、その対象を国鉄職員に限定しており、採用の自由を盾に取ることは説得力を有せず、国鉄と新会社の間には実質的同一性が認められるから、国鉄に不当労働行為が認められれば、新会社に不採用等を命じることは労働委員会の裁量の範囲内にあるとされた例。
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業種・規模 |
鉄道業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集89集61頁 |
評釈等情報 |
 
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