概要情報
事件名 |
西日本旅客鉄道(大阪不採用) |
事件番号 |
大阪地労委昭和62年(不)第82号
|
申立人 |
X2 |
申立人 |
X1 |
申立人 |
国鉄労働組合近畿地方本部 |
被申立人 |
西日本旅客鉄道 株式会社 |
命令年月日 |
昭和63年11月28日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
|
事件概要 |
国鉄の分割民営化により発足した会社が、組合員X1及びX2を採用しなかったことが争われた事件で、上記2名を62年4月1日付けで採用したものとして取り扱うこと、賃金相当額の支払い及びこれらに関する文書手交を命じた。 |
命令主文 |
主 文 1 被申立人は、申立人X1及びX2を、昭和62年4月1日付けで被申立人の職員として採用したものとして取り扱うとともに、同人らに対し、同日以降同人らが受けるはずであった賃金相当額(既に申立外日本国有鉄道精算事業団から支払われた金額を除く)及びこれに年率5分を乗じた金額を支払わなければならない。 記 昭和 年 月 日 国鉄労働組合近畿地方本部 執行委員長 X3 殿 X1 殿 X2 殿 西日本旅客鉄道株式会社 代表取締役 Y1 当社が、貴組合員X1及び同X2の各氏を昭和62年4月1日付けで採用しなかったことは、大阪府地方労働委員会において、労働組合法第7条第1号及び第3号に該当する不当労働行為であると認められましたので、今後このような行為を繰り返さないようにいたします。 |
判定の要旨 |
1500 不採用
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
国鉄が組合員X1及びX2を会社の採用候補者名簿に登載せず、その結果、設立委員が同人らを会社の職員として採用しなかったことが会社の不当労働行為であるとされた例。
4911 解散事業における使用者
国鉄の行った名簿作成行為は、設立委員の行為と判断され、また改革法23条5項により、結局は設立委員の行った承継法人の職員の採用候補者名簿作成行為及び採用するか否かに関する行為は、承継法人に帰するとされた例。
4911 解散事業における使用者
国鉄が採用候補者名簿を作成する過程で不当労働行為意思に基づく行為が存在した場合には、会社の設立委員自らの行為とみなされ、この設立委員の行為の責任は、会社が負わねばならず、会社はX1らに対し使用者性を有するとされた例。
5006 採用の請求
会社には、無制約な採用の自由がなく、X1らの不採用決定過程で不当労働行為があったとすれば、労委が会社に採用を命じても改革法に反しないとされた例。
5143 不出頭・所在不明・消滅・死亡・承継
会社は、本件の審査において、不当労働行為の存否に関する証拠調べは不要であるとして、審問に終始出頭しなかった例。
|
業種・規模 |
鉄道業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集84集526頁 |
評釈等情報 |
労働法律旬報 石川 元也 他 1989年10月25日 1207.8号 70頁 
|