概要情報
事件名 |
あけぼのタクシー |
事件番号 |
福岡地労委昭和51年(不)第23号
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申立人 |
あけぼのタクシー労働組合 |
被申立人 |
あけぼのタクシー 有限会社 |
命令年月日 |
昭和52年12月 5日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
就業時間中の組合活動等を理由に組合委員長らを出勤停止処分等に付し、さらに就労命令違反等を理由として同人らを懲戒解雇し、さらに親睦団体への結成援助をめぐる事件で、原職復帰と中間収入不控除の全額バックペイ及びポスト・ノーティスを命じ、親睦団体の結成援助の問題についての申立ては棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人は、X1に対する昭和51年6月21日付出勤停止処分を取り消し、同処分がなかったものとして取り扱い、また、同人に対する同年8月21日付懲戒解雇処分を取り消し、同人を原職に復帰させるとともにその間に同人が受けるはずであった賃金相当額を支払わなければならない。 被申立人は、X2に対する昭和51年8月21日付懲戒解雇処分を取り消し、同人を原職に復帰させるとともにその間に同人が受けるはずであった賃金相当額を支払わなければならない。 2 被申立人は、本命令交付の日から7日以内に、下記の文書を縦1メートル、横2メートルの白紙に明瞭に墨書して、本社の従業員の見やすいところに10日間掲示しなければならない。 記 会社があけぼのタクシー労働組合執行委員長X1に対して行なった昭和51年6月21日付出勤停止処分及び同年8月21日付懲戒解雇処分並びに同書記長X2に対して行なった昭和51年8月21日付懲戒解雇処分は、いずれも福岡県地方労働委員会の命令によって不当労働行為であると判断されましたので、上記処分を取り消します。 昭和 年 月 日 あけぼのタクシー労働組合 執行委員長 X1 殿 あけぼのタクシー有限会社 代表取締役 Y1 3 申立人のその余の申立は、これを棄却する。 |
判定の要旨 |
4405 バックペイから他収入控除
組合員X1ら2名は解雇後、他で就労し相当の収入を得ているが、その勤務は欠勤者を待って就労するというもので通常の勤務者に比べ不安定な地位にあり、また解雇期間中の生活費、本件申立に伴う諸費用、同人らの組合活動上の制約等を勘案すれば、賃金遡及支払に関する救済措置は全額の支払いを命ずることが相当である。
0700 職場規律違反
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
駅頭その他におけるビラ配布を行って就労命令に反して就労しなかったこと、争議中の営業車への落書き、勤務状態不良等を理由に、執行委員長X1ら2名を懲戒解雇したことが、不当労働行為とされた例。
1400 制裁処分
3607 労働者の行為と不利益取扱の程度との関連
勤務時間中の執行委員会出席を理由に組合委員長らを出勤停止処分としたことが、従来の取扱いに比して著しく均衡を失し、不当労働行為とされた例。
2500 別組合の結成・援助
運友会は申立人組合と併存する組織と解され、会社がその運営に好意的態度を示していることが認められるが、その結成運営への関与の程度が明確でないので不当労働行為とまではいえないとされた例。
4301 労組法7条3号(支配介入、経費援助)の場合
申立てを取下げた組合員X3らの被救済利益は存在しないとされた例。
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業種・規模 |
道路旅客運送業(ハイヤー、タクシー業) |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集62集564頁 |
評釈等情報 |
労働判例 1978年 4月 1日 291号 65頁 
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