概要情報
事件名 |
あけぼのタクシー |
事件番号 |
最高裁昭和59年(行ツ)第235号
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上告人 |
あけぼのタクシー 有限会社 |
被上告人 |
福岡県地方労働委員会 |
被上告人参加人 |
X1 |
被上告人参加人 |
X2 |
被上告人参加人 |
あけぼのタクシー労働組合 |
判決年月日 |
昭和62年 4月 2日 |
判決区分 |
控訴審判決の一部破棄自判 |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、勤務成績不良等を理由とする執行委員長ら2名の懲戒解雇をめぐって争われた事件で、福岡地労委が発した中間収入控除の全額バック・ペイ等の一部救済命令(52・12・5)を支持した福岡地裁判決(56・3・31)、これを維持した福岡高裁判決(59・3・6)を不服として会社が上告していたが、最高裁は、上告を一部認容してバック・ペイに関する部分を破棄(一審判決取消)し、その余の上告を棄却した。 |
判決主文 |
原判決のうち、本件救済命令主文第一項中の参加人X1、同X2に対する各解雇後原職復帰までの賃金相当額の支払を命ずる部分(以下「本件バックペイ命令」という。)の取消請求に関する部分を破棄し、右部分につき第一審判決を取り消す。 本件バックペイ命令を取り消す。 上告人のその余の上告を棄却する。 訴訟の総費用はこれを五分し、その一を被上告人の負担とし、その余を上告人の負担とする。 |
判決の要旨 |
1400 制裁処分
組合員1名の出勤停止処分及び組合員2名の懲戒解雇処分は、同人らの組合活動を嫌悪してなされた不当労働行為であるとした原判決を維持した例。
6351 バックペイからの中間収入控除
バックペイ命令における中間収入控除の要否及び金額の決定に当たっては、解雇の組合活動一般に対して与える侵害の面としてその事情を考慮に入れることは妥当でなく、全額のバックペイを命じた命令を維持した原判決は法令の解釈を誤ったものである。
6351 バックペイからの中間収入控除
救済命令の目的は、私法上の法律関係を確認したり、形成しようとすることにあるのではないから、解雇者が解雇期間中間収入を得た場合、平均賃金の60%を下らない限度で控除すべきとの主張は失当である。
5001 将来における予防、不特定な内容の請求
労委命令主文の「懲戒解雇を取り消し」との文言から救済命令の内容が不明確であるとの会社の主張につき、解雇がなかったと同様の状態を回復せよとの趣旨で用いられている等として会社の主張を斥けた原判決を維持した例。
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業種・規模 |
道路旅客運送業(ハイヤー、タクシー業) |
掲載文献 |
労働委員会関係裁判例集22集99頁 |
評釈等情報 |
別冊ジュリスト労働判例百選(第6版) 毛塚勝利 1995年10月10日 134号 158頁 
最高裁判所裁判集民事 150号 583頁 
判例時報 1243号 126頁 
ジュリスト 石川善則 895号 66頁 
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