労働委員会関係裁判例データベース

(この事件の全文情報は、このページの最後でご覧いただけます。)

[判例一覧に戻る]  [顛末情報]
概要情報
事件名 ビクターサービスエンジニアリング
事件番号 東京地裁平成20年(行ク)第242号
申立人 中央労働委員会
申立人補助参加人 全日本金属情報機器労働組合大阪地方本部
全日本金属情報機器労働組合ビクターサービス支部ビクターアフターサービス分会
被申立人 ビクターサービスエンジニアリング株式会社
決定年月日 平成21年8月6日
決定区分 緊急命令申立ての却下
重要度 重要命令に係る緊急命令申立て 
事件概要  Y会社と委託契約を締結し、ビクター製音響製品等の修理業務を行う個人代行店が、X労働組合の分会を結成し、X組合の地方本部及び支部とともにY会社に対して団体交渉を申し入れたところ、Y会社が、個人代行店は独立した自営業者であり、労働者に該当しないことなどを理由として、団体交渉を拒否したことが不当労働行為であるとして争われた事件である。
 初審大阪府労働委員会は、Y会社に対し、①地方本部及び分会との団交応諾、②地方本部及び分会への文書手交を命じるとともに、支部については団交当事者としての資格を有しないとして、支部の申立てを却下した。
 Y会社及び支部は、これを不服として再審査を申し立てたが、中労委は、本件再審査申立てを棄却した。
 本件は、Y会社が、これを不服として、東京地裁に行政訴訟を提起したため、中労委が緊急命令の申立てを行った事案である。
決定主文 1 本件申立てを却下する。
2 申立費用は、補助参加によって生じた費用を申立人補助参加人らの負担とし、その余の費用を申立人の負担とする。
決定の要旨  個人代行店とY会社との間の労務提供に係る合意の内容及びその労務提供の実態からみて、個人代行店がその労働条件等についてY会社から現実的かつ具体的に支配、決定されている地位にあるということも、個人代行店の得る収入がその労務提供の対価であるということもできない。したがって、個人代行店がY会社との関係において労組法上の労働者であるということはできない。
 そうすると、X組合からの本件団交申入れは、労働者でない個人代行店の待遇の改善を求めるものであって、いわゆる義務的団交事項について団体交渉を求めるものということができないから、Y会社がこれに応じなかったからといって、これを不当労働行為であるということはできない。
 以上によれば、本件命令のうち、Y会社の再審査申立てを棄却した部分には、その適法性に重大な疑義があり、そうである以上、現時点において緊急命令を発する必要性があるともいえない。
 以上のとおり、本件申立ては理由がないから、これを却下することとする。

[先頭に戻る]

顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
大阪府労委平成17年(不)第11号 一部救済 平成18年11月17日
中労委平成18年(不再)第68号・第69号 棄却 平成20年2月20日
東京地裁平成20年(行ウ)第236号 全部取消 平成21年8月6日
東京高裁平成21年(行コ)第294号 棄却 平成22年8月26日
最高裁平成22年(行ツ)第454号、平成22年(行ヒ)第489号 上告棄却(22年(行ツ)454号)、上告受理(22年(行ヒ)489号) 平成23年12月6日
最高裁平成22年(行ヒ)第489号 破棄差戻し 平成24年2月21日
東京高裁平成24年(行コ)第82号 原判決全部取消 平成25年1月23日
最高裁平成25年(行ツ)第179号・平成25年(行ヒ)第213号 上告棄却・上告不受理 平成26年2月20日
 
[全文情報] この事件の全文情報は約176KByteあります。 また、PDF形式になっていますので、ご覧になるにはAdobe Reader(無料)のダウンロードが必要です。