はじめに~公的年金、もっと知ってください
公的年金のこと、どのくらい知っていますか?
皆さんは、公的年金についてどのくらいご存じでしょうか。難しい、よく分からないといった印象を持たれたり、ニュースや新聞などでいろいろな話題を見聞きして、ご自分が受け取る年金に不安のある方もいらっしゃるでしょう。
また、次のように聞いたことがある方もいるかもしれません。
「少子高齢化で財源が不足し、年金が受け取れなくなる」
「自分の納めた保険料は貯金と同じように積み立ててある」
「保険料を納付する人が減ったので、公的年金は破たんする」
でも、これらはすべて誤解です。
年金額がゼロになることも、公的年金制度がなくなることもありません。
公的年金はこんなに大事
現在、日本国内における高齢者世帯の収入のうち、6割を年金が占めています。
出典:2019年国民生活基礎調査(厚生労働省)
注:四捨五入による端数処理の関係で、100%にはなりません。
このように、公的年金制度は、高齢期の生活のかなりの部分を支えるものとして、極めて重要な役割を果たしています。また、現役世代にとっても、公的年金によって、親の経済的な生活の心配をすることなく安心して暮らすことができるようになっています。
さらに、高齢になって働けなくなった場合だけでなく、障害を負った、現役のうちに亡くなってしまったなどの事態にも対応しており、皆さんが安心して毎日を過ごすためにも必要不可欠です。
なお、公的年金には、家計消費として地域経済を支える役割もあります。
都道府県名 (高齢化率) |
対県民所得比 | 対家計最終消費支出比 |
---|---|---|
島根県 (33.6%) |
18.2% | 23.5% |
鳥取県 (31.0%) |
17.5% | 20.5% |
秋田県 (35.6%) |
16.3% | 18.9% |
愛媛県 (32.1%) |
16.2% | 19.3% |
長崎県 (31.3%) |
16.0% | 18.1% |
高知県 (34.2%) |
15.8% | 18.8% |
奈良県 (30.3%) |
15.8% | 20.6% |
高齢化率:総務省「人口推計」(平成29年)
都道府県別年金総額:厚生労働省年金局「厚生年金保険・国民年金 事業年報」(平成27年度)をもとに作成(厚生年金保険、国民年金及び福祉年金の受給者の年金総額)
県民所得・家計最終消費支出:内閣府「県民経済計算」(平成26年度)
少子高齢化が進む中、高齢者が生活に使う公的年金は経済の活性化にも重要です
公的年金の健全性をチェックする仕組み、「財政検証」
公的年金制度は、予測できない生活上のリスクに備えるための仕組みであり、皆さんの生活を支える、とても大切な制度です。ですから、公的年金制度を維持するために、国ではさまざまな取り組みを行っています。
そして、公的年金が健全に運営されているかを「財政検証」という仕組みで定期的にチェックすることになっています。
財政検証は、少なくとも5年に一度、公的年金財政(保険料収入や給付に必要な額の収支)の健全性を検証する仕組みです。この財政検証では、今後の日本の人口や経済の見通しをもとに、これからの100年間、どのように公的年金の財政状況が推移するかを計算します。
財政検証の結果はレポートとして公開されており、そこから、今後の公的年金の給付水準の見通しなどを知ることができます。
このサイトの目的
このサイトでは、公的年金制度を長期にわたって維持するための仕組みと、公的年金財政をチェックする「財政検証」を中心に、年金の基本的な考え方や、年金に関係するいろいろなデータを分かりやすく紹介しています。
公的年金のこと、財政検証のこと、もっと知ってくださいね!