労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  東急バス(審査再開) 
事件番号  中労委平成23年(不再)第68号(旧事件平成17年(不再)40・43号) 
再審査申立人  全労協全国一般東京労働組合(「組合) 
再審査被申立人  東急バス株式会社(「会社」) 
命令年月日  平成24年7月4日 
命令区分  一部変更 
重要度   
事件概要  1 組合は、会社が、組合員である乗務員に対し、残業扱いとなる乗務の割当て(以下「残業割当て」という。)を行わなかったことが不当労働行為に当たるとして、東京都労働委員会(以下「東京都労委」という。)に救済を申し立てた。
2 東京都労委は、残業割当てを行わなかったことが不当労働行為に当たると認めて、差別取扱いの禁止及び文書掲示を命じたところ、会社及び組合は、これらを不服として再審査を申し立てた。
3 当委員会は、不当労働行為の成否に関する初審の判断を支持し、東京都労委の救済に加えバックペイを命じた(以下「中労委命令」という。)。
4 会社及び組合はこれを不服として東京地方裁判所(以下「東京地裁」という。)に取消訴訟を提起した。東京地裁は、中労委命令がXに関するバックペイを命じた部分について、4か月間の欠勤期間を除外しなかったことが裁量を逸脱したとして、Xへのバックペイ命令部分を取り消し、その余の会社の請求及び組合の請求をいずれも棄却した。
5 組合及び会社は、これを不服として東京高等裁判所(以下「東京高裁」という。)に控訴を提起したが、東京高裁は、組合及び会社の控訴をいずれも棄却した。
6 さらに、組合及び会社が最高裁判所(以下「最高裁」という。)に上告受理の申立てを行ったが、最高裁は上告不受理決定をした。
7 これを受けて、当委員会は、確定判決で取り消された部分について審査を再開することを決定した。  
命令主文  会社は、Xに対し、129万3600円及び支払済みまで年率5分を乗じた金額を支払わなければならない。  
判断の要旨  (1) 会社は、Xに対して残業割当てを行わなかったことについて、改めて不当労働行為の成否を争うことができるか
 中労委命令が、会社がXに対し残業割当てを行わなかったことが労働組合法第7条第1号の不利益取扱い及び同条第3号の支配介入の不当労働行為に当たると認定判断し、会社は残業割当てに当たって、組合員に対し他の乗務員と差別して取り扱ってはならないこと及び文書掲示を命じていることに対しては、会社提起の取消訴訟において支持され確定した。したがって、Xに対する残業割当てを行わなかったことが不当労働行為に当たり、差別取扱いの禁止及び文書掲示を命じる中労委命令は、会社提起の取消訴訟の棄却判決で決着済みである。それにもかかわらず、本件において、会社が、Xに対して残業割当てを行わなかったことが不当労働行為に当たらないと改めて争う主張を許すならば、実質的には上記確定判決によって組合との間で決着済みの事項について蒸し返すこととなる。これを当委員会の立場からすれば、先の取消訴訟における裁判所の判断は、不当労働行為該当性については、事実認定をも含めて国家機関の最終的判断と解すべきであって、それにつきいわゆるキャッチボール現象を避けるべきであるから、主張を採り上げるべきではないということになる。したがって、会社の上記主張は、信義則に反して、許されないというべきである。
(2) Xに対する救済方法として、残業割当てによる不利益分から休職期間4か月のみを除外した救済を改めて命じることができるか
 東京高裁がXのバックペイについて全部を取り消した趣旨は、裁判所がXに関して金銭の支払を命じた部分のうち、私傷病により欠勤した4か月分のものすなわち一部の取消しをすれば労働委員会の裁量権を制約することになるからであって、決して会社の主張のように、全部を取り消したからXに対するバックペイのうち4か月分を除外してその他の部分を維持する内容の救済方法を採ることが許されないという趣旨ではない。会社の上記主張は、独自の見解であって到底採用することはできない。
(3) 救済方法について
 会社の主張は主張自体失当であるところ、行政事件訴訟法第33条に規定する取消判決の拘束力は、当然のことながら判決において処分の違法事由とされた具体的な事由についての判断に及ぶものと解される。
 そこで、当委員会としては、上記取消判決の趣旨に従い、Xのバックペイについて、会社にXの休職期間4か月分を除外し算出した金額及び支払済みまで年率5分を乗じた金額の支払を命じることとする。  
掲載文献   

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顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
東京都労委平成13年(不)第96号・平成14年(不)第9号・平成15年(不)第115号 一部救済 平成17年5月10日
中労委平成17年(不再)第40号・第43号 一部変更 平成20年1月9日
東京地裁平成20年(行ウ)第113号・第478号 一部取消 平成22年2月22日
東京高裁平成22年(行コ)第94号 棄却 平成22年11月24日
最高裁平成23年(行ヒ)第88号、第89号 上告不受理 平成23年9月30日
東京地裁平成24年(行ウ)第532号 棄却 平成25年9月11日
東京高裁平成25年(行コ)第354号 棄却 平成26年2月6日
 
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