概要情報
事件名 |
大阪府労委平成22年(不)第29号 |
事件番号 |
大阪府労委平成22年(不)第29号 |
申立人 |
X労働組合 |
被申立人 |
Y府 |
命令年月日 |
平成23年7月22日 |
命令区分 |
却下、棄却 |
重要度 |
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事件概要 |
被申立人府が(1) 府立学校等の常勤講師又は非常勤講師等である組合員の次年度の雇用継続等に係る団体交渉に、講師の個別の任用は交渉事項ではないこと等を理由として応じなかったこと、(2) 組合員に直接、次年度配属の打診を行ったことは不当労働行為であるとして、救済申立てがあった事件である。
大阪府労委は、地公法が適用される常勤講師に係る申立てを却下し、その他の申立てを棄却した。 |
命令主文 |
1 申立人が被申立人に平成22年1月26日付けで申し入れた団体交渉について、常勤講師に係る申立てを却下する。
2 その他の申立てをいずれも棄却する。 |
判断の要旨 |
1 申立人組合は申立人適格を有するか。
申立人組合がいわゆる混合組合であるとしても、労組法適用者の問題に関し、不当労働行為救済申立てを行った場合には申立人適格を認めるのが相当であるから、平成22年1月26日付け団交申入書のうち労組法適用組合員3名に関する部分について組合は申立人適格を有すると解するのが相当である。地公法適用者である常勤講師については、同法58条において地公法適用職員に対する労組法の適用除外を明確に定めている以上、組合の申立人適格を認めることはできず、常勤講師に係る申立てについては却下する。
2 平成22年1月26日付け団交申入れに対する被申立人府の対応は、正当な理由のない団交拒否に当たるか。
団交申入書の要求事項をみると、労組法適用組合員3名について「雇止めを行わず、雇用を継続すること」等とあるが、府における講師の任用に関する制度をみると、当該3名の平成22年度の任用に関しては、常勤であれ非常勤であれ全て更新ではなく、新規の採用としてしか任用されないものであるとみることができる。また、当該3名が同年度も継続して任用されることを期待させるような特別な事情があったとみることはできない。以上から、府が個別の任用に関する交渉要求には応じられない旨を回答したことには正当な理由があったといえる。
3 府が団交を経ずに、団交申入書記載の18名の平成22年度の任用に関する手続を進めたことは、組合の弱体化を企図した支配介入に当たるか。また、別件不当労働行為救済申立て事件の審問において組合が行った反対尋問の内容を理由として行った報復的不利益取扱いに当たるか。
上記2の判断のとおり、府が団交に応じなかったことには正当な理由があることが認められ、また、学校長等が、講師希望者登録を行った者に対し面談や意向確認を行うことは通常行われている手続であると認められることから、組合に対する支配介入であるとは認められない。
組合が不利益を受けたと主張する労組法適用組合員3名が別件事件において証拠を提示したり、発言を行った事実は認められない。また、組合が別件事件を申し立てた事実やその審問における反対尋問の内容と本件手続を進めたこととの間に因果関係を認めるに足る疎明もなく、加えて、上記2の判断のとおり、府が団交を拒否したことには正当な理由が認められることからすると、府が本件手続を進めたことが報復的不利益取扱いであると認めることはできない。 |
掲載文献 |
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