労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  南労会(勤務時間変更等) 
事件番号  中労委平成 9年(不再)第37号 
再審査申立人  医療法人南労会 
再審査被申立人  全国金属機械労働組合港合同南労会支部 
再審査被申立人  全国金属機械労働組合港合同 
命令年月日  平成17年 9月21日 
命令区分  一部変更(初審命令を一部取消し) 
重要度   
事件概要  法人は、(1)平成3年及び同7年に勤務時間の変更等を強要したこと、(2)変更前の勤務時間に基づき勤務していた組合員の賃金をカットしたこと等が不当労働行為であるとして、争われた事件で、大 阪府労委は、法人に対し、(1)3年及び7年の勤務時間変更がなか ったものとしての取扱い、速やかな労使協議、(2)3年及び7年の勤務時間変更を理由として行った賃金カットの明細の開示、この間の年5分加算のバックペイ、(3)文書手交を命じた。
 法人は、これを不服として再審査を申し立てたが、中労委は、労使協議の議題を、勤務時間等に関する今後の取扱いについてとすると変更し、バックペイの年5分加算を付加しないものとしたほかは、その余の再審査申立てを棄却した。 
命令主文  主   文

Ⅰ 初審命令主文第1項及び第2項を次のとおり変更する。

 1 再審査申立人は、再審査申立人M診療所における診療時間、勤務時間等に関する今後の  取扱いについて速やかに再審査被申立人らとの間で労使協議を行わなければならない。
 2 再審査申立人は、再審査被申立人らに対し平成3年8月5日の勤務時間変更を理由とし  て行った再審査被申立人組合員に対する賃金カット明細並びに同7年5月2日の週休2日  制導入、勤務時間変更及び生理休暇の取扱い変更を理由として行った再審査被申立人組合  員に対する賃金カットの明細を明らかにするとともに、再審査被申立人組合員に対し、同  7年4月1日からこれら賃金カットが中止されるまでの間、同3年8月5日変更前の勤務  時間に基づく勤務が命じられたならば得られたであろう賃金相当額(実際勤務時間に基づ  く超過勤務手当を含む)と既に受け取った賃金額との差額を支払わなければならない。

Ⅱ その余の再審査申立てを棄却する。 
判定の要旨  2300 賃金・労働時間
3103 労働協約締結をめぐる行為
3年の勤務時間等の変更(3年変更)当時、南労会と支部の労使関係の対立は深刻化している状況下で、法人は、第2次再建案に反対する支部を嫌悪していたものと認められるが、第2次再建案及び新勤務案について事前協議合意協定に基づいて誠実な協議を尽くして合意の上で実施すべきであるところ、未だ合意に至らない事項が残っており、さらに協議を尽くすべきであったにもかかわらず、法人は、再建案協議及び事務折衝において誠意ある説明をすることなく、支部がS診療所での常勤化要求を行ったことを捉えて再建案協議自体を打ち切り、同変更を強行し

2251 一方的決定・実施
2302 労務管理・労使関係
3103 労働協約締結をめぐる行為
法人は、深刻な労使間の対立関係が続く労使事情のもとで、さらに組合らに対する嫌悪感を増長させ、7年の勤務時間等の変更等(7年変更)を実施するに当たって、支部との団交において、支部から説明を求められたにもかかわらず、使用者から示すべき事柄である変形労働時間制度を導入するに当たっての勤務時間の具体的な組み合わせを示すことなく、組合らの協議申入れに応じなかったものと認められ、その上で同変更を一方的に強行したものであり、かかる行為は、誠実団交応諾義務違反であるとともに、支部の弱体化を企図したものであり、これを労組法

1203 その他給与決定上の取扱い
3年変更及び7年変更自体が不当労働行為に該当するから、これにもとづく勤務を組合員に強いることはできないと解されること、診療所は、自らが指示していない時間帯に組合員らが勤務していることを拒否するための何らの手立ても講じておらず、組合員らが支部の指示に基づく勤務を黙認していたものといわざるを得ないこと、使用者が賃金カットを行う場合には賃金カットの対象とする勤務時間を特定する必要があるにもかかわらず、このことに関する説明を拒否していること等から、法人が行った3年変更及び7年変更に関連する賃金カットを労組法第7条

4417 条件付命令・協議命令
4602 組合との協議を命じた例
組合らは3年変更前の勤務時間に戻すこと等を求めているが、組合員は3年変更前の勤務時間により勤務しているものの、他の職員は7年変更により定められた勤務時間により勤務している状態になっており、7年変更以降をみても既に10年間以上が経過している点を勘案すると、現時点においては、3年変更前の勤務時間にとらわれることなく、診療時間、勤務時間等に関する今後の取扱いについての労使協議を命じることが相当であるとして、その旨命じた例。

4407 バックペイの支払い方法
3年変更をめぐる組合の対応にも問題があるなど諸般の事情を考慮すると、賃金カット相当額の支払いに当たって、年率5分を付加することまでは要しないとされた例。

業種・規模  医療業 
掲載文献   
評釈等情報   

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顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
大阪府労委平成3年(不)第35号
大阪府労委平成4年(不)第3号
大阪府労委平成7年(不)第50号
一部救済 平成9年7月30日
東京地裁平成17年(行ウ)第546号 一部取消 平成20年3月5日
東京地裁平成18年(行ク)第154号 緊急命令申立ての一部認容 平成20年3月5日
東京高裁平成20年(行コ)第153号 一部取消(中労委命令を残部取消により全部取消) 平成21年7月28日
最高裁平成21年(行ヒ)第446号 不受理決定 平成22年2月4日
最高裁平成21年(行ツ) 第340号 上告棄却 平成22年2月4日
 
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