概要情報
事件名 |
東日本旅客鉄道(千葉動労不登用) |
事件番号 |
東京地裁平成18年(行ウ)第646号 |
原告 |
国鉄千葉動力車労働組合 |
被告 |
国(処分行政庁 中央労働委員会) |
被告補助参加人 |
東日本旅客鉄道株式会社 |
判決年月日 |
平成20年3月3日 |
判決区分 |
棄却 |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、Y会社が、国鉄において運転士資格を取得したX組合に所属する組合員(X1ら19名)を運転士に発令しないことは不当労働行為に当たるとして、X組合らが千葉県労委に救済を申し立てた事件である。初審の千葉県労委はこれを不当労働行為と判断し、Y会社に対し、X1ら19名を平成元年11月30日付けで運転士に発令したものとしての取扱い及び運転士として就労させることを命じたところ、これを不服としてY会社から再審査の申立てがなされ、中労委は、初審命令を取り消し、X組合の救済申立てを棄却した。X組合は、これを不服として東京地裁に行政訴訟を提起したが、同地裁は、中労委命令を支持し、X組合の請求を棄却した。 |
判決主文 |
1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は、参加によって生じた費用を含め、原告の負担とする。 |
判決の要旨 |
① Y会社が、昭和55年~57年予科生で車掌を経た者から運転士に発令することとした方針や車掌の補完教育の対象者の選考が不合理といえないこと、本件組合員らのうち、昭和63年においては面談を受けた者全員が、平成元年においてもその多くが車掌になる意思を表示しなかったこと及び本件組合員らが補完教育の対象者に選考されなかったことも不合理といえないことを考えれば、運転士発令と所属労働組合との間に関係があると推認することは適切ではなく、Y会社がX組合の解体又はX組合の組合員の排除のために本件X1らを運転士に発令しなかったと認めることは困難である。 ② X組合は、国鉄の不当労働行為をY会社に帰責すべきであると主張するが、本件命令の違法性とは具体的に関係がないし、Y会社が平成3年3月に行った業務移管等については、Y会社の経営判断に基づく全社的な政策決定であり、X組合の弱体化を意図したものというだけの証拠はないから、X組合の主張は採用できない。このほか、Y会社とX組合が好意的な関係にはないと推認できる等、X組合のその他の主張を十分考慮しても、Y会社が本件組合員らを運転士に発令したことを不当労働行為と認めることはできない。 |