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保育所について 事業所内保育所の設置は、会社としてのメッセージになる。

「仕事と生活の調和」は進んだか? 〜プロジェクト参画企業座談会〜

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保育所について
事業所内保育所の設置は、会社としてのメッセージになる。

高島屋:
弊社が未対応のところで、事業所内託児所の運営があるのですが、実現するには色々と高いハードルがあります。既に設置されている他社様の苦労話や、導入してよかった話を教えていただければと思います。弊社は短時間勤務者が多いので、それを設置するメリットはあると思っておりますが。

日立製作所:
当社は横浜市戸塚にあります。神奈川県は全国的に見て待機児童が多いうえ、情報通信系の事業部やグループ会社も多く、女性の比率も高いほうです。設置はかなり大変でしたが、事業所の人事勤労や、労働組合の熱意もあって2003年に開設しました。運営主体を労働組合が担当していて、園長も組合支部長が従事していますが、35名の定員に対し、常時30名程度の園児を抱え、きめ細かく運営してもらっています。運営費用面は、託児所を利用している事業所やグループ会社約20社が、アドバイザリ・コミッティとして参画し、分担金を負担するなど、継続的・安定的な運営のための支援をしています。今後は運営の協力先をいかに増やしていくかが課題です。住友商事さんではいかがですか。

住友商事:
設置に当たっては、コストは課題の一つであり、鋭意関係先と交渉しました。ただ、保育所を設置したことで、会社として本気で女性社員に継続して活躍してもらいたいと思っている、という強いメッセージを出すことができました。商社という男社会で、女性社員のロールモデルもまだまだ少なく、自分はどこまで会社から期待されているのか不安に思う女性社員も多いものですから。当社は中央区晴海(はるみ)にあるのですが、近隣にマンションがどんどん建っていることから、若い社員が結婚・出産後に会社周辺に引っ越してくる例もあります。また、同じ敷地内にグループ会社が約30社あり、グループ会社社員の方々も保育所が利用できますので、本社のみならずグループ全体のWLBにも大きく寄与しています。確かに「コストもかかるし自宅が遠くて使えない社員もいるじゃないか」という意見もありますが、待機児童もますます増えている現状下、会社として保育所を設置したことはプラスだったと考えています。利用者数も当初の予想以上に増えてきているんですよ。

日産自動車株式会社 吉岡 俊幸(ヨシオカ トシユキ)

日産自動車株式会社 吉岡 俊幸(ヨシオカ トシユキ)

人事部報酬・労務グループ主担。オフは家族で買物に出かけたり、子供と公園に遊びに行ったり。

日産自動車:
弊社は2005年に託児所を設置しましたが、事業所は全国に点在してますので、何処に作るかという検証を行いました。育児中の女性にもヒアリングをしたのですが、本社社員には、「電車通勤をしてまで社内の託児所に預かってもらうのは現実的でない」との声が多いことが分かりました。一方、神奈川県厚木市にある弊社テクニカルセンターでは、従業員も一万人くらいおり、かつ女性も多く、車通勤ができること等もあり、同事業所に開設することとしました。ただ、実際に運営を始めてみると、初年度は利用者が予定より少なかったため、利用料金の見直しや駐車場の配慮をする等の環境改善を行いました。その結果、現在は、ほぼ予定通りの利用人員になっています。

キヤノン:
弊社は認証保育所(東京都独自の制度)で、社員だけではなく、地域との共生という視点で設置しました。本社近接地の体育館の立替工事をするのに合わせて待機児童等について調べたら、大田区の本社近辺で待機児童が多かったんですね。また、弊社が設置することで他の保育園の入所者さんを奪ってしまうとなると近隣との共生とはなりませんが、今回はそのような問題もないだろう、という判断もありました。会社としては弊社社員を優先して預けてもらっているわけではありません。現在預けている社員もいますが、大部分は外部の方ですね。

佐藤:
なるほど、認証保育所にすると、行政からの運営費の一部補助などのメリットもありますからね。

三井化学:
事業所内学童保育(放課後児童クラブ)についても、できれば情報提供していただきたいです。事業所内託児所の場合、助成金の申請要件を調べれば、望ましい条件とか認可・認証での充実度合いの違いなどがわかりますよね。事業所内学童保育はそのあたりどうなっているのでしょうか。弊社では、会社託児所設置など小さな子供がいても働き続ける環境は整っており、次のステップとして学童保育に関心が移っています。ですが、現状ではボランティアやNPO団体が運営している所もあるなど地域差も大きいので、何か参考になるものがあればありがたいです。

佐藤:
学童保育については、場所は企業が提供し、地域と企業が一緒になって運営していくという形態もあるでしょうね。

三井化学:
例えば工場で、夏休みの間だけでも体育館の一部を開放して日中利用できるようにすれば、低コストでかなり使い勝手のいいものになるのでは、と思っています。

三井化学株式会社 田中 千穂(タナカ チホ)

三井化学株式会社 田中 千穂(タナカ チホ)

人事・労制部女性社員登用推進チームリーダー。研究職を経て平成18年より現職。最近、娘とピアノを始めた。

佐藤:
子供を集めて友達と勉強したり遊んだりできる「サマースクール」のようなものを企業が運営したり、費用補助したりということを検討してもいいでしょうね。

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