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低用量経口避妊薬(ピル)の承認を「可」とする中央薬事審議会答申について

       

  1. 低用量経口避妊薬(ピル)については、中央薬事審議会において、これまで調査会、特別部会、常任部会と審議が進められ、

    (1) 昨年12月2日には、「ピルの有効性及び安全性」について、

    (2) 本年3月3日には、「ピルの内分泌かく乱化学物質としてのまとめ」及び「医薬品承認審査の立場からの性感染症まん延防止対策」について、

  それぞれ常任部会における審議のとりまとめ、公表が逐次行われてきた。


  1. 本日開催された同部会において、これまでの意見を踏まえ、添付文書並びに医師向け情報提供資料及び服用者向け情報提供資料のほか次の事項につき、審議するとともに、これまでの審議を総括した結果、承認して差し支えないとの答申をいただいたことから、速やかに承認のための事務手続きを行うこととしている。

    (1) 第三世代のピル「マーベロン」(日本オルガノン(株)申請)については、第二世代のピルに比較し血栓症のリスクが2倍とのWHOの疫学調査報告を否定し得ないことや諸外国における対応状況を踏まえ、処方にあたってはその他のピルが適切でないと考えられる場合に投与を考慮する(第一選択薬とはしない)旨を添付文書に盛り込むこと。

    (2) 医師の処方によるほか、医師の処方せんの交付を受けた薬局においてのみ販売等ができる「要処方せん薬」とすること。

    (3) 長期間の市販後調査を必要とすることから、再審査期間を10年間とすること。


  (参考)ピルの中央薬事審議会における審議経過

     平成2年7月以降    9社16品目について承認申請

       3年2月〜9年2月 配合剤調査会で審議

       9年2月〜10月   医薬品特別部会で審議

       9年12月〜     常任部会で審議

       11年6月2日    常任部会で承認を「可」とする答申


  1. 公表資料は、下記の場所で閲覧に供する。

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<インターネット上の情報について>

  • 経口避妊薬(OC)の有効性についてのとりまとめ資料
  • 経口避妊薬(OC)の安全性についてのとりまとめ資料
  • 有効性・安全性に関する統計用語集
  • 「ピルの内分泌かく乱化学物質としてのまとめ」及び「医薬品承認審査の立場からの性感染症まん延防止対策」
  • ピル関連公衆衛生審議会答申について



  • (参考資料)


    1 経口避妊薬(ピル)について

     経口避妊薬はステロイド系女性ホルモンを含有する医薬品であり、通常プロゲストーゲン(黄体ホルモン)と呼ばれる成分とエストロゲン(卵胞ホルモン)と呼ばれる成分の配合剤である。

     一般的には、生理周期に合わせて毎日1個の錠剤を服用すると、配合されている2種類の女性ホルモンの作用により排卵を抑制し、避妊の効果が得られるものである。

    日本において承認申請されている経口避妊薬は、低用量経口避妊薬であり、月経困難症等の治療に用いられている女性ホルモン配合剤からみると、含有するホルモン量を少なくしたものである。

     欧米諸外国で、現在、使用されている経口避妊薬は、低用量経口避妊薬(低用量ピル)が主流になっている。

    (参考)

    低用量ピルの具体的なホルモンの種類と配合量(1日あたりの用量)

      ○エストロゲン(卵胞ホルモン)

       エチニルエストラジオール 30〜40μg

      ○プロゲストーゲン(黄体ホルモン)

       ノルエチステロン    0.5〜1.0mg

       レボノルゲストレル   50〜125μg

       デソゲストレル     150μg

    2 第3世代のピルについて

      ピルについて、配合される黄体ホルモンの成分の種類により、次のように分類される。

    分類

    黄体ホルモン成分

    申請品目

    第1世代(1960年代に登場)

    ノルエチステロン

    4社6品目

    第2世代(1960年代後半に登場)

    レボノルゲストレル

    4社8品目

    第3世代(1980年代に登場)

    デソゲストレル

    1社2品目

    (注)黄体ホルモン成分は、日本で承認申請されているピルに含まれる成分を例示している。

    照会先 医薬安全局審査管理課 内線 2735

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