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多様な人材の活躍に向けた
柔軟な働き方

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背景・課題

テレワークの急速な浸透により、場所にとらわれない柔軟な働き方が可能となることで、多様な人材の活躍に向けた基盤が整備され始めています。
近年、企業のIT投資額全体の増大やいわゆる「攻めのIT」への転換によるIT活用の質的な変化、労働者の高齢化や人口減少等によって人材の質的・量的な不足感が年々上昇してきています。
また、労働者の意識としては、仕事とプライベートのバランスがより重視されるようになるとともに、高齢者の労働意欲が高まりを見せています。
こうした企業運営に影響を与える様々な変化がある中で、企業競争力を維持・強化していくためには、「育児・介護をしながら働きたい」「定年を過ぎても働きたい」等の社員それぞれの持つ様々なニーズや制約を持つ多様な人材が活躍できる環境を整備することで、人材の確保・定着を図っていくことが重要となります。

対応の方針・ポイント

柔軟な働き方を可能にする環境を整備することにより、「高度なスキルを持っている地方在住の人材」や「働く意欲が強く経験豊富な高齢人材」など、多様な人材の確保・定着に繋がる可能性が高まります。
そうした環境整備を進める上では、性別、年齢、国籍等の表層的な人材の多様性だけでなく、個々人が持つスキルや経験、働き方・キャリアに対する考え方といった、より深層的な人材の多様性まで意識した、あらゆるタイプの人材が活躍できるような制度作りや、社員が互いに受け入れ、理解し、尊重し合う風土形成を推進することがポイントとなります。
社員のタイプ

事例:株式会社SRA

●企業名:株式会社SRA ●設立年:1967年11月20日 ●社員数:878名(2021年4月1日現在) ●所在地:東京都豊島区 ●主なサービス:コンサルティング、システム構築(金融、組込、文教、業務システム、インフラ構築等)、運用(アウトソーシングサービス、インフラ運用、システム運用)、サポートサービス、ハードウェア(サーバ等)・ソフトウェア販売
— 取組のポイント —
  • 「昇進=管理職」という単線型キャリアパスから複線型キャリアパスへの変更(新たな「資格等級制度(案)」 の作成)
  • 資格等級制度(案)と現状との比較に向けた社員のキャリアパスに関するアンケートの実施及び分析
  • 新たなキャリアパスに合わせた研修制度の検討の開始
取組背景・課題
コロナ禍によってテレワークが広まり、働く場所・時間の自由度の高い働き方が可能になった中、より重要性が高まってきている「多様な働き方」の実現においては、性別や年齢といった単なる“属性“の多様性だけではなく、社員個々人の働き方に関する考え方やキャリア形成に対する志向といった、”考え方”の多様性も包括することが重要となる。
同社においては、これまで社員が役職が上がるにつれ管理職になっていくという単線型のキャリアパスを取っていた。
しかしそうした制度では、管理は苦手だが技術力が非常に高い社員が評価されにくい、技術職を続け管理職を希望せず技術職のみを継続したい社員が管理職にならざるを得ない等の課題があった。
具体的な施策内容・ポイント
●複線型キャリアパスへの変更
それまでは「技術職」「営業職」「業務職」それぞれの職掌について、「昇進=管理職」となっていく単線型のキャリアパスとなっていたが、このうち「技術職」をさらに「管理系」「技術系」「コンサル系」「価値創造系」の4つに分類し、技術職の社員が幹部職に上がる際に自身のキャリアパスをこれら4つから選択できるようにした。
この新たなキャリアパスを「資格等級制度(案)」として社内に展開した。
単線型から複線型へ切り替える際のポイント
●キャリアパスに関するアンケートによる実態把握
各社員の現在の実際の役割が、人事部の作成した「資格等級制度(案)」で新たに設定された各役割のどれに当てはまっているのかを把握するため、年度初めの目標設定の際に、全社員を対象にキャリアパスに関するアンケートを実施した。
アンケートでは、「自身の現在のキャリアが、資格等級制度(案)のうちのどのキャリアに当てはまるのか」「今後、資格等級制度(案)を導入した際に自身が目指したいキャリアパスはどれか」等を社員に選択してもらい、資格等級制度(案)が現状と合っているかを確認した。
●アンケート結果の分析
実際に新たな資格等級制度(案)を導入した場合に将来的に発生しうる課題等を明らかにするとともに、現在の業務と希望キャリアの間のギャップの発生傾向を把握し、社員のキャリア意識に関する課題や会社方針との乖離を明らかにするため、実施したアンケートの結果を定量・定性の両面で分析した。
アンケート分析では、等級別や部署別等での社員の希望キャリアパスの割合を把握するとともに、希望キャリアパスごとに社員のキャリアビジョンを整理し、各キャリアを希望した社員がキャリアに対して持っている思いや意識を把握した。
●キャリアパスに合わせた研修制度の検討
社員に対する研修制度は、等級別のものや年次別でのものはあるが、キャリアパスを意識したものは十分ではないことから、複線型キャリアパス制度導入に当たって、キャリアパスに沿った育成・研修も検討を進めた。
キャリアパス制度において社員に求められるもの
キャリアパス制度において社員に求められるもの
今後の取組予定・課題
2021年度~2022年度の期間では、社員にキャリアパス制度を周知しキャリアに対する意識を持ってもらうまでとし、以降3年間で、他の人事諸制度との連動等を進めつつ、各キャリアパスに必要となる教育・育成の内容に関する議論をさらに深めていく予定である。
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