今やっと体重が45kgになったんですけど、3年前まで30kg台だったんです。顔が真っ青で体が冷えてしょうがなかった。だけど、なんとなくハイな気分で、バリバリ運動してましたね。
500gも体重が増えようものなら、人生の終わり! って感じで、とにかく体重をコントロールすることだけに、命をかけていました。
きっかけは、高校のとき、2年間つきあった彼に突然フラれたことです。彼のことが大好きだったんですけど、一方的に別れを切り出されて……。
毎日泣いて泣いて、泣き疲れた頃、ふと、「やせてキレイになれば、彼を取り戻せるかも」って思いついて、その考えにしがみついてしまいました。
主食を抜いて、おかずを半分だけ食べて、甘い物は一切禁止っていう普通のダイエットから始めて、1カ月くらいで4kg近くやせたんです。そしたら友達が「キレイになったね」って言ってきて、すっかりいい気分になって、のめり込んじゃった。
昼間はサラダしか口にしなかったんですけど、夜になるとどうしても我慢できなくて、こっそり冷蔵庫をあさって、むちゃくちゃ食べては口に指を入れて吐いたり、下剤を1度に大量に使ったりしました。
1年もたたないうちに体重が30kg台になって生理が止まりました。髪や爪がガサガサになって、肌はぼろぼろ。母に「やせすぎよ」って言われたんですけど、「バカ言わないで」って感じでしたね。鏡に映った自分を見るとものすごく太って見えたから。
それで、もっとやせるために軽いジョギングを加えたんですけど、あるとき、目の前が真っ暗になって倒れちゃった。
母に病院に連れて行かれたときは「病気でもないのに? 」って納得がいかなかったです。先生に対してもシラッとしてました。「先生にあたしの体のことなんかわかるわけないじゃん」って思ってましたから。
だけど、生理が止まったままにしておくと骨がスカスカになるとか、体のことをいろいろ説明してもらっているうちに、だんだん先生を信頼できるようになっていきました。ちょっと時間はかかりましたけどね。
それまで私に無関心だった母が、毎日私の脈をとって記録を付けてくれるようになったり、おかずの種類を増やしてくれたり、気に掛けてくれることもうれしくて、コチコチだったこころも少しずつほぐれていきました。
去年から本屋さんでアルバイトしてます。もう少し自分に自信がついたら、ちゃんと就職したいですね。
※これらのエピソードは取材をもとに再構成したものです。特定の個人を示すものではありません。