労働委員会命令データベース

(この事件の全文情報は、このページの最後でご覧いただけます。)

[命令一覧に戻る]   [顛末情報]
概要情報
事件名 白百合会
事件番号 中労委平成21年(不再)第8号
再審査申立人 社会福祉法人白百合会
再審査被申立人 穂高白百合荘労働組合
再審査被申立人 長野県医療労働組合連合会
命令年月日 平成22年3月3日
命令区分 一部変更
重要度 重要命令 
事件概要 1 本件は、法人が、①団体交渉の実施日時又は場所を一方的に制限して団体交渉を拒否したこと、②組合らとの合意事項に係る労使協定書を取り交わすことを拒否したこと、③団体交渉において、不誠実な対応を行ったこと、④組合委員長に対し、デイサービスセンター(以下「デイセンター」)の介護職員との兼務を命じたこと、⑤同委員長をデイセンター専従介護職員に配置転換したこと、⑥介護職員に対し、寮母室で休憩するよう命じたこと、⑦県医労連を誹謗中傷する発言を行ったこと、⑧組合員全員の氏名の開示を求めたこと、⑨組合員と個別交渉を行ったこと、⑩就業規則の変更手続きにおける労働者代表の選出投票を不公正な方法で行ったこと等が不当労働行為に当たるとして、救済申立てがあった事件である。
2 初審長野県労働委員会は、法人に対し、①組合らとの合意事項に関する労使協定の締結、②団体交渉の開催条件を一方的に制限して応諾を拒否することの禁止及び交渉ルールの制定、③団体交渉において、主張の根拠となる資料を提示しない不誠実な対応の禁止、④組合らとの交渉事項に関する個別交渉の禁止、⑤組合らに対する誹謗中傷発言や組合員氏名の開示要求等の禁止、⑥組合委員長に対する異動命令の撤回及び原職復帰後における異動前の実労働時間の適用、⑦職員の休憩場所を寮母室に限定し、待機させることの禁止、⑧文書手交及び掲示を命じ、その余の申立てを棄却した。
  法人は、これを不服として再審査を申し立てたところ、中労委は、初審命令を一部変更して、①日時又は場所を制限して団体交渉を拒否することの禁止、②団体交渉で確認された事項の書面化、③組合委員長の異動命令がなかったものとしての取扱い、④文書手交及び掲示を命じ、その余の申立てを棄却した。
命令主文 ・ 本件初審命令主文を次のとおり変更する。
1 法人は、組合から団体交渉を申し入れられたときは、自らが申し入れた日時又は場所でなければ応じられないとの理由で、これを拒否してはならない。
2 法人は、組合との間で、団体交渉において口頭で確認された組合員の勤務日数等に関する事項について書面を作成すること。また、上記書面の作成に当たり組合及び県医労連との間に、書面の用語及び表現につき、誠実に協議すること。
3 法人は、組合委員長に対し、20年3月3日付けで命じた異動命令がなかったものとして取り扱い、同人を穂高白百合荘の介護職員に復帰させなければならない。
  また、復帰後の同委員長には、配置転換前の労働条件を適用すること。
4 文書手交及び掲示
5 その余の本件申立てを棄却する。
判断の要旨 1 組合が申し入れた介護職員の勤務シフトを議題とする団体交渉に、法人が直ちには応じなかったことは団体交渉拒否の不当労働行為に当たる。また、組合との団体交渉において、法人が組合らの求めた書面化を拒否したことは、組合らとの団体交渉の経緯や結論を無視し、団体交渉の異議を失わしめる不誠実な対応であり、不当労働行為に当たる。
2 組合が事業場近隣での団体交渉開催を申し入れたのに対し、法人が所定休日である土、日曜日又は祝日に事業場から離れた場所でなければ応じられないとして応じなかったことは、正当な理由なく、団体交渉を拒否したものというべきであり、不当労働行為に当たる。
3 組合委員長をデイセンター専従介護職員に配置転換したことは、委員長に対し、他の職員から孤立させ、閑職を余儀なくさせる不利益取扱い及び支配介入の不当労働行為に当たる。
4 法人が、組合委員長との労働契約の更新に当たり不利益な労働条件変更を行ったことは、委員長が組合活動の中心にあることから、デイサービスの専従介護職員に配転した上で、実労働時間数を従前より削減し、同委員長の賃金額を減少させることを企図したものと認められ、不利益取扱い及び支配介入の不当労働行為に当たる。
5 法人が、組合員全員の氏名の開示を求めたことは、組合員を特定し、組合の切崩しを図ることを意図して、氏名の開示するよう迫ったとみるのが相当であり、組合の活動を萎縮させる支配介入の不当労働行為に当たる。
6 施設長が、組合員を個別に呼び出し、同人らの実労働時間について提案したことは、団体交渉議題とされていた内容について、組合員本人の承諾を得ようとしたものであり、団交の実効性を失わしめて組合を弱体化させる支配介入の不当労働行為に当たる。
7 労働者の過半数代表者の選出に当たり、職員と個別に面接し、面前で投票させるなどしたことは、組合の関与を妨害し、組合を弱体化させる支配介入の不当労働行為に当たる。
掲載文献  

[先頭に戻る]

顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
長野県労委平成19年(不)第1号 一部救済 平成21年1月28日
東京地裁平成22年(行ウ)第221号 棄却(主位的請求)・却下(予備的請求) 平成24年1月19日
東京地裁平成22年(行ク)第224号 緊急命令申立ての認容 平成24年1月19日
東京高裁平成24年(行コ)第51号 一部変更(却下・棄却) 平成24年6月26日
東京高裁平成24年(行タ)第24号 緊急命令の一部取消・却下 平成24年6月26日
東京高裁平成24年(行タ)第119号 却下 平成24年7月20日
最高裁平成24年(行ヒ)第391号 上告不受理 平成24年11月27日
 
[全文情報] この事件の全文情報は約388KByteあります。 また、PDF形式になっていますので、ご覧になるにはAdobe Reader(無料)のダウンロードが必要です。